馬の腕節、ヒトでいうと手首なのだが、
橈骨と手根骨の関節と、
手根骨近位列と手根骨遠位列の関節と、
手根骨遠位列と中手骨の関節でできている。
(左図はAdams and Stashak's Lameness in Horses 6th ed. より)
手根骨近位列と手根骨遠位列の関節をなんと呼ぶか?
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右の一覧表では
・前腕手根関節
・手根間関節
・手根中手関節
となっている。
文永堂の川田・醍醐先生による「家畜比較解剖学」(左)から。
また、この本では本文でも
「手根骨相互間の関節を家畜では手根間関節と呼ぶ」
とも書かれている。
その前後の文章はどうも悪文で混乱がある。
しかし、「手根間関節」という呼び名はけっして間違いではないと思う。
ところが・・・
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手根骨近位列と手根骨遠位列の関節は、
「手根中央関節」であって、
「手根間関節」とは「手根骨同列内の関節」と書いてある。
つまり、手根間関節とは横並びに並んでいる同列の手根骨の連結を呼ぶのだということだ。
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左はAdams and Stashak's Lameness in Horses 6th ed.の1ページ。
最終行に midcarpal joint と書かれている。
これだと「手根中央関節」だろうか。
middle carpal (intercarpal) joint
としてある。
つまり、「手根中央(手根間)関節」みたいな表記だ。
そして、midcarpal joint とか、middle carpal joint は、
本当は「手根中央関節」ではなく「中央手根関節」と訳すべきじゃないだろうか?
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さて、どうするか????
ちなみに interphalangeal joint は「指節間関節」と訳されるようだし、
intertarsal joint は「足根間関節」で良いようだ。
やれやれ困った。
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今日は、1歳馬の飛節のOCDの関節鏡手術。
飛び入りで新生子馬のNICU入院。
黒毛和種子牛の股関節炎。
午後は血液検査と、
去勢が2頭。
ホルスタイン乳牛の第四胃変位の開腹手術。
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細かいところに顔をつっこんで、
それでも結論がでない。
そのイメージ;笑。
今日は砂肝を食べながら、骨かなりではなく、こういう「筋」も重要な役割を担っているんだなぁと、筋も美味しく食べました、
以前からおんまさんの「装具」はヒトの治療やリハビリに使うのとは違うわけだけど、医療用の装具って使わないのかなぁと思っていました。
少し前、はとぽっけがちっちゃく怪我をして使ったSAM SPLINTがなかなかよくて、それとは別ですがDynasplint Systemというのはおんまさんにも使うと知り、やっぱりあるんだろなぁと思った次第です。本題とはまったく違ったことで、すみません。
それにしても凄い雪ですね。
オラ君の足跡しかない・・・。
学生のためには日本語をしっかり決めてやらなければいけないんでしょうね。球節、中手指骨関節、フェットロック、アンクル、繫関節、指節関節、これでは混乱しますよね。
馬の下肢は実は指ですから、distal limb castは指のスプリントのようなものかもしれませんね。傷んだときは動かさないのが一番ですよね。
解剖学上で定まっていないのでは臨床家は困ってしまいます。また納得のいかない決まりを作られても混乱するんですけどね。
今年は寒いので降った雪が融けません。こんな年も珍しいです。