後肢の跛行診断をするとき、左右の腰角、左右の臀部の動きを後から見て診断する人が多い。
馬を曳いて走っている図の右側の方がそれ。
棒グラフは、左端が「跛行前」、真ん中が「跛行後」、右端が跛行を「ブロック後」の左右の腰角の高さの差。
ほとんど差がない。
これは、足根関節にエンドトキシンを注入して作った跛行なのだが、左右の腰角の差はこれくらいしか変化がない。
-
馬を曳いて走っている図の左側の方は、仙椎結節の動きを見る方法。
右のグラフでは上側。
左端の「跛行前」は左右後肢を着いたときの差がない、真ん中の「跛行後」は仙椎の上下動に差がある、右端の「ブロック後」はそれが和らいでいる。
-
後肢の跛行のとき、頭の動きがどうなるかはさらに難しい。
後肢の跛行で点頭運動が起きることもある。起きないこともある・・・・・・
点頭運動が後肢の跛行で起きているときは、前肢の跛行と間違えられやすい。
-
まあ跛行診断には、人それぞれやり方とコツ、熟練、経験、ひらめき、その他いろいろある。
後肢の跛行は横から見て、左右のリズムと歩幅を見るのがわかりやすい。と書いてある教科書もある。
-
発表しない学会参加は楽なものだが、あまり好きではない。
みんな、いい発表、りっぱな研究、たいした診療をしているのに、自分は何やってんだ。と思ってしまうから。
せいぜい、刺激を受けて、勉強してこよう。
乗ってると違和感を感じるけど、見る限りではなんとも無い時もありますし・・・。
生き物を扱ってる以上、異常は早期に見つけてあげたいのですが・・・。
こういう研究が進んで色々と解明されることを楽しみにしております。
微妙な跛行診断は難しいです。とくに、曳き運動では見せなくて、乗るとわかる。というような跛行は、診療所へ連れてきたのではお手上げです。
紹介した研究は、トレッドミルで馬を走らせて行われています。部屋を暗くして、馬の体に光るマーカーを点けて運動をヴィデオで録画してスローモーションで解析しています。それでも、微妙な跛行は微妙です。講演した先生も右左を言い間違えてました(笑)。