その1歳馬は、8日前に40℃の発熱で初診されたのだそうだ。
血液検査で、低蛋白血症(TP3.8g/dl)がわかり、担当獣医師はLawsonia腸症を類症鑑別の一番と考え、抗生剤で治療をしていた。
Lasonia感染の検査結果はすぐには出ない。
2日前から疝痛を示し、きのう死亡した。との経過で剖検に運ばれてきた。
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剖検すると、大腸が膨満していて、盲腸も結腸も暗赤色をしている。
盲腸尖の30cmほどは、灰緑色でもう完全に壊死している。
小腸は肥厚しているようには見えない。
「Lawsoniaじゃないね。」
「(寄生虫性)動脈瘤による腸管壊死かな。」
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完全に閉塞している。
このような血栓や動脈瘤を見つけたら、その中をほぐして普通円虫の仔虫を探し出し、寄生虫が原因であることを証明しておきたい。
ほかの原因でこのような動脈瘤と血栓ができることは考え難いが、血栓形成だけなら”腸炎によるDIC”とか、”変位疝の末期”などでも可能性があるだろうから。
そして、
血栓は、血餅のような赤色血栓ではなく、もう器質化しつつある部分もある血栓で、動脈瘤も時間をかけて創られてきたのがわかる内径も大きく、壁も厚いものだった。
この1-2週間でできたものではなく、それ以前から円虫仔虫の侵襲を受けていた前腸間膜動脈がついに耐え切れなくなって詰まってしまったのだ。
初発症状が発熱だったのは、そのときすでに腸管壊死が始まっていたのだろう。
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こういう症例はイベルメクチンが使えるようになって画期的に減った。
しかし、今も駆虫しなければ最も被害が大きくなるのは円虫寄生だと思っている。
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所用ででかけて、時間つぶしに訪れた”村”で流鏑馬(やぶさめ)の大会が開かれていた。
走るスピードに驚かされた。
もっとゆっくり走らせて、的をしっかり狙ったらどうよ、と思ったが、スピードの方が点数が高いのかね。
ゆっくり走らせるのも難しいのかもしれないな。
流鏑馬を観に来たのではない人たちも大勢が見物していた。
多くの人が興味を持っていることも少し意外だった。
馬に乗って弓を射る、というのが勇ましく、面白いのかもしれない。
衣装も珍しく、楽しい。
「やってみた~い」って簡単に言うけど、あれけっこう難しいゼ。
流鏑馬、ドサンコって一定のスピードで安定して乗っていられて、向いてるかも。乗馬クラブの会員以外にも講習会開いているところもあって、スポーツとしてもなかなかに良さそう。と、思ったことあった。老若男女、楽しそうだったヨ!
うちの方は、日光に団体があって、衣装も立派です。
初めて見た時は、的が近いのが意外でしたが、それでも難しそうですね。
全部当たると、ご褒美が出るようです
「馬のお医者様は、いらっしゃいませんか?」の事態は起きなかったんですね。
内科的には駆虫、輸液、ヘパリン療法などですが、腸管壊死が始まっていては間に合わないでしょう。
たしかにサラよりドサンコがよさそうです。
自転車もそうですが、スピードが出ていた方が安定して、ゆっくりだとかえってバランスが取りにくい気がします。
乗馬クラブで流鏑馬ごっこ(笑)をしたことがありますが元競走馬だと難しいです。矢をムチだと勘違いしてパニックになる馬もいるし・・・。
在来馬は、たいてい側対歩で走ってくれるので反動が小さくて、武士のなんば歩きのように安定していれば武器も使えるし、在来馬の反動のリズム、スピードと射るタイミングを覚えれば案外いいかなと思います。
ドサンコ!?・・・乗ってみたいです♪♪
あちこちでドサンコが乗られるようになれば、日本の乗馬や馬文化も多様化できるかと期待します。
ホントに丈夫で、馬医者は必要ないようです;笑