きょうは、
2歳馬のTieback&Cordectomy
左披裂軟骨はまったく外転abductionしなかった。
GradeⅣだ。
超音波検査でも、左背側輪状披裂筋 L-CricoArytenoid Dorsalis は完全に変性し、萎縮していた。
手術時にも、それが確認できた。
Securos Equine Tieback Kit とEthibond でTiebackした。
麻酔覚醒起立後、再び内視鏡検査して喉頭形成がうまくいき、左披裂軟骨小角突起が外転した状態で固定されているのを確認した。
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きょうは、laserによる声帯切除は助手の獣医師にやってもらった。
少しずつ、技術移行していこうと思っている。
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午後は、顆粒膜細胞腫 GTCT の卵巣摘出手術。
すでに抗ミューラー管ホルモン測定で、顆粒膜細胞腫であることは確認されている。
手術台上で仰臥位にして、傍正中斜切開で卵巣摘出した。
これも他の獣医師にやってもらい、私は助手を務めた。
手術時間は1時間ほど。
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夕方、セリ売買後に跛行するようになった1歳馬の跛行診断。
レポジトリーに準じたX線撮影を行い、さらに別な部位もX線撮影し診断はついた。
さて、どうなるかは買った側、売った側、セリ主催者、保険などが関わるのでややこしい。
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老脳外科医が書いた本を読み進めている。
脳外科医マーシュの告白 | |
栗木 さつき | |
NHK出版 |
とても興味深い。
著者はイギリスで指折りの脳外科医だそうだ。
熟練した脳外科医の、傲慢さ、繊細さ、後悔、自己肯定、懐疑、etc.
筆者は、引退間近であることを自覚しており、老練の境地でその責任をはたしながら、寂しさもにおわせている。
私はこうなるのはもうちょっと先かな;笑
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ここへ なげないと!
買ったばかりの馬が跛行、治してもらえるのだろうか?無事に競走馬になれるのだろうか?
手術の助手になったら、自分でするよりストレスありそうですが、初めから獣医師としてのスケジュールにはあったことなのでしょね。
久しぶりのオラ君の元気な様子と緑と青を見て今日もがんばろ、って思った。
というセリの規約ではありますが、後から気付いた時点で絶対揉めますよね。
ボーンシストの馬、ひどい喉なりの馬→不良品を売っておいて確認しない方が悪いでは日本人の常識としてはあり得ないように感じます。
今、著書を読んでいる脳外科医も書いています。助手をするのは自分でやるよりストレスだ、と。
フリスビー遊びは大好きですね。硬いフリスビーはキライみたいです。
いちがいに不良品とも言えないのですよね。骨嚢胞があっても症状なく競馬できる馬の方が多いことがわかってきています。
症状が出ても、手術してG1を獲った馬もいます。G1を獲ったあとに種子骨骨折し、種子骨炎を抱えていたことがわかった馬もいます。「不良品」扱いしていてはG1馬を買い損ねたり、淘汰することになりかねません。工業製品ではなく、生き物なんです。