カプセルトイ


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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「ガチャガチャ」を時々やる・・・
と書こうと思ったら、過去にまったく同じ書き出しで書いた記事があった。(2018年7月3日の日記
3年以上前の記事であるが、正直なところ、書こうとした内容はほとんど変わっていない(笑)
いい大人がガチャガチャを見ると、つい景品は何だろうと確かめてしまい、時には実際にお金を使ってしまう・・ということだ。

正式にはカプセルトイという。
景品の多くは、一般の子供が欲しがるような、無難なものである場合がほとんどではある。
しかし時折、極めてマニアックな景品のガチャガチャがある。
しかもそれが、自分の好みを直撃する場合があるのだ(笑)

子供の頃に何を見て育ったかで、個人の思い入れやこだわりのあるものは決まる。
中には大人になってもその道を追い続け、ついには専門家になる場合もあるだろう。
しかし多くの場合、それについて言葉に出して語る機会はあまり無く、ただ静かに心の奥底で思い続けている。

ところがその心の内を見透かしたかのように、ガチャガチャの景品として街角でさりげなく売られているものだから、ビックリしてしまうのだ。
恐らく同世代の、似たような環境で育った人が作ったのであろうが・・・
自分と同じ気持ちを持った人が他にもいたのか・・という、ある種の感動がある。

しかもその景品の出来はかなりリアルで、実に巧みに特徴を捉えてフィギュア化されている。
こんなもの作っても、僕くらいしか興味を持たないのではないか・・・
と思うのだが、実際には商品として成り立つほどの需要がある、ということなのだろう。

秋葉原を歩いていると、さすが本場だけあり、マニアックなガチャガチャが揃っていることが多い。
そのためガチャガチャが並んでいるのを見ると、ついそのコーナーに立ち寄ってしまう。
最近思わず買ってしまったのは、テクニクスのアナログプレイヤーと映画のジョーズのフィギュアだ。



テクニクスのダイレクトドライブのアナログプレイヤーは、SP-10系は別として、当時はオーディオマニアにはそこまで評価されていなかったように思う。
学生時代は毎日のように秋葉原に通って、多くのオーディオファイルと交流を持ったが、ハイエンドマニアは総じてダイレクトドライブの音を評価していなくて、トーレンスやマイクロといったベルトドライブや糸ドライブを使っていた。
特にアコースティックな楽器をやっている人は、DDに特有のの癖を非常に嫌っていた。
廉価なテクニクスのSL-1200のシリーズは、オーディオマニアからはあまり相手にされていなかったが、それよりもDJの世界で大きな評価を得て、後世にまで残る名機となった。
メーカーも途中からはDJでの使用を意識した設計に変えていった。

ただ歴代のSL-1200のシリーズの中に、78回転に対応した機種があった。
これはSP盤の再生が可能な希少なモデルであった。
僕もメインではマイクロの砲金製のターンテーブルを使っていたが、父親から譲り受けたSP盤や、海外から取り寄せた研究用のディスクを再生したくてSL-1200のシリーズを購入した。
モノラル専用カートリッジを付けた状態で、今でも僕の部屋のどこか奥の方にある。(20年以上使っていないが・笑)
このガチャガチャの景品のSL-1200は、大きさが5センチ程度のミニチュアであるが、なかなか見事にこのアナログプレイヤーの持つ雰囲気を再現している。



ご存じジョーズの第一作は、スピルバーグの名を世間に知らしめた世界的なヒット作品である。
スピルバーグという新進気鋭の若手監督は、当時はテレビムービーとして作られた「激突!」が話題になっていたが、まだ一部の人しか名前は知らなかった。
凶悪なサメが登場するこの作品は、パニック映画の元祖として有名にはなったが、むしろ映画的演出の面白さを思う存分盛り込んで作られているところが素晴らしかった。
ストラヴィンスキーの曲をベースにしたと思われるジョン・ウイリアムズの音楽も、奇跡的なほど映像に調和していた。

僕が中学生の時に公開されたが、出来に驚いてしまい何度も劇場に足を運んだ。
高校生の時には高価だった輸入のビデオソフトを購入し、帰国子女の従兄弟と二人で徹夜で英語のセリフから日本語のシナリオを作ったこともある。
出来は粗削りでも、後の円熟したスピルバーグ作品より、若さのエネルギーの溢れるこの作品の方が好きだ。

当時はまだろくにCGも無く、今の基準で見れば出来の悪い張りぼてのサメを使うしかなかった。
このガチャガチャの景品のジョーズは、まさにその「張りぼて」のイメージを再現している。
初めてサメが全身を現し、巨大な体が船の下を横切るシーンや、ラストにオルカ号に乗り上げ、クイントを海に引きずり込むシーンで使われたサメである。
船上で首を左右に振りながら口をバクバクと動かした際の、頬の部分の(恐らく蝶番を隠した)垂れ下がった筋肉までもが再現されている。
しかもおまけとして空気タンクまで付いている(笑)

どちらも分かっている人なら、オオッとなる。
作った人が「これが分かるかい?」と言っているのが聞こえるようだ。
それにしても本当に誰が作ったんだろうね(笑)
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (隠居)
2022-02-23 00:26:25
もうレコードを聞くことはあまりないのですが
SL-1200は今でもオーディオラックの上に鎮座しています、2台も (笑)
パナの製品は デジカメもそうですが 道具としてはよく出来ているのに
「マニアックなオーラ」が無いんですね。
 
 
 
Unknown (colkid@iPhone)
2022-02-23 02:22:44
あ、まさにそういう感じですね。
オーラがないというのはピッタリです。
スピーカーとかもそうでした。
そういう社風があるのかもしれませんね。
 
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