COLKIDが日々の出来事を気軽に書き込む小さな日記です。
COLKID プチ日記
パーツ
Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
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フェラーリやランボルギーニばかりを、何台か乗り継いでいる男性と話した。
と言っても、大金持ちでステイタスとして乗っているのではない。
中古車を購入して、自分で修理して乗るのだ。
もともと機械と電気の専門家なので、そういう作業は得意なのだ。
人間が作ったものだから、直せないことはない・・という信念で、どんどん分解してしまう。
車が納車されると、最初に自宅の倉庫でばらばらにして、問題の出そうなパーツを先に交換してしまう。
先日もムルシエラゴのエンジンを外したそうだが、あの車は4WDでシャフトが前輪にも繋がっているので外すのが大変らしい。
自宅でチェーンでエンジンを持ち上げている写真を見せてくれた。
あの手の車は、工業製品というより手工芸品に近い。
まずはカッコいいザインを決めて、それに合わせてパーツを組み上げた・・という感じのものが多い。
そのためメンテナンス性を無視した設計箇所も多く、ベルトを交換するだけで、いちいちエンジンを本体から外さなければならなかったりする。
パーツ単体の金額は大したことはなくても、作業工賃が加わるので、ディーラーなどでベルト交換すると、百数十万円の請求になってしまうのだ。
その手間の部分を、その男性は自分でやってしまうわけである。
パーツ自体は、ネットなどでいくらでも入手できるという。
もともと機械屋さんなので、ばらすことに物怖じしない。
エンジンまでバラバラに分解してしまう。
やはり車ごとに弱い箇所があって、年中その部品が故障して動かなくなる。
全国の同じ車種のオーナーが、共通して悩まされているという。
しかし自分でバラしてみると、壊れる原因まで詳しく解明できる。
ある故障では、ディーラーに修理に出すとユニット一式の交換になり、その度に何十万円も修理代がかかる。
しかし分解して調べると、交換パーツのメインの部分は生きており、その横に付いている小さいパーツが壊れただけ・・ということが分かったという。
機械の専門家なので、パーツを見ればどこで作ったものか大体見当がつく。
早速部品メーカーから、より信頼性の高いパーツを取り寄せて交換してみた。
それだけで車が生き返り、見違えるように調子が良くなったという。
当然日本中のユーザーが同じ故障で苦しんでいるので、ネットで情報を伝えてあげる。
自分で修理する人や、親しい車屋さんで整備している人が、その情報をもとにパーツを取り寄せて交換する。
車の調子が嘘のように良くなったと、だいぶ感謝されたらしい。
面白いのは、メーカーも車を製造するに当たり、外部から取り寄せるパーツが意外に多いということだ。
高い車とは言っても、コストのことは考えなければならない。
台数が出ないのに、すべて自家製のパーツで作っていては、本当に天文学的な金額になってしまうし、現実の問題としてそれは不可能であろう。
そのため実際に多くのパーツを、他のメーカーから取り寄せて使っているのだという。
単純な流用で、本当に取り替えるだけで動いてしまうものも多いらしい。
これは恐らく米国車のものだな・・フォードかな、GMかな・・などと、パーツの知識を駆使すれば大体分かるという。
そちらのパーツを取り寄せれば、数千円で済んでしまう事も多い。
有名な話であるが、ディアブロのヘッドライトのユニットは、日産のZ32のものがそのまま使われていた。
世界的にリトラクティブル・ヘッドライトが使えなくなり、設計変更を迫られたランボルギーニが、日本のユーザーがZのパーツで改造しているのを見て、気に入って採用したという噂がある。
さすがにNISSANと刻印されている部分が見えないように何かかぶせてあったという。
その男性も、ディアブロを保有していた時に、日産からライトのユニットを取り寄せたことがあるという。
純正品で交換すると80万円からかかるらしいが、ニッサンのパーツは10万円ほどで入手できたらしい。
男性は仕事には軽自動車で来る。
帰宅したら12気筒で少しだけ街を走ってみる。
少し乗って満足して止める・・というのが、男性のああいう車の楽しみ方なのだそうだ。
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