年度末


SIGMA DP3Merrill

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年度末ということもあり、非常に忙しい。
仕事が終わらなくて遅くまで残っている。
まあ3月はこうでなくてはね・・・

この後もスケジュールが詰まっている。
再来月は海外に出張に行く予定。
実は2年前にも行くはずだったが、例の地震の発生で急遽取りやめになった。

それが未だに響いている・・と感じることがある。
最新の情報を得られなかったことで、感性の面で遅れてしまったのだ。
そういう目に見えないところで、マイナスの影響を受けている。



今日の時計ベルト。
シェルマンのグランドコンプリケーション・クラシックに、ジャン・ルソーのルイジアナ・アリゲータ・セミマットのダークブラウンをつけた。

シェルマンというと、僕などは蓄音機を扱うお店としての印象が強い。
若い頃に、父親から譲り受けたSP盤を何とか再生できないかと、銀座のシェルマンに何度か足を運んだのを覚えている。
もう四半世紀も前のことだ。
単なる骨董品の置物としてではなく、蓄音機を実際に稼動させて、音楽を再生するための道具として扱っている唯一のお店であった。

今ではアンティーク時計店としてのシェルマンの方が有名であろう。
そのシェルマンが老舗としての経験と熱い思いを込めて、ショップ・オリジナルの製品として開発し、1996年に発売したのがこのグランドコンプリケーションだ。
当然時計というものを知り尽くした同社ならではの、非常に凝った内容の製品になっている。

時計業界で重要な発明とされている「複雑機能」がいくつかある。
トュールビヨン、スプリット・セコンド・クロノグラフ、ミニッツ・リピーター、ムーン・フェイズ、パーペチュアル・カレンダーなどである。
そのうち複数の機能を、ひとつの時計に組み込んだものをグランドコンプリケーションと呼ぶという。(定義には諸説あり、3つ以上と書かれている場合もあるようだ)
当然小さなケースにそれらの機能を複数入れるとなると、とてつもなく複雑な機械となり、製造できるメーカーが限られる上、価格も天文学的なものとなってしまう。
数千万円は当たり前で、中には億単位の価格の時計まである。

このシェルマンのグランドコンプリケーションは、シチズン製クォーツ・ムーブメントを使用することで、価格の問題を解決した。
ムーンフェイズ、スプリットセコンド・クロノグラフ、ミニッツリピーター、永久カレンダーの4つの機能を搭載している。
時計本体の作りに手を抜いていないところがこの時計の素晴らしいところで、細部まで凝った素材を選定して使用している。
複雑時計の廉価版というより、普段使いの出来るグランドコンプリケーションという、まったく新しい分野の時計といえる。
仮に数千万円のグランドコンプリケーションを保有していても、扱いのデリケートさゆえ実際に腕につけて歩くのは躊躇われるが、この時計であれば毎日つけて歩くことも可能なのだ。

そのコンセプトが世界的に評価され、スイス・ラショードフォン国際時計博物館に永久展示されるという栄誉を手に入れた。
なおこのクォーツ・ムーブメントは最初の2年間の販売権を同社が保有していたと聞く。
その後製造元のシチズンや天賞堂、GSXなど数社から同ムーブメント搭載のグランドコンプリケーションが発売されている。

これほどの時計であるから、ベルトにもそれなりの物を組み合わせたい。
まずはジャン・ルソーのアリゲータをつけてみた。
色の正式名はわからないが、赤みがかった濃いブラウンのアリゲータで、立体感のある竹斑には強めのグラデーションが入っている。

たまたまフランス本国から送られてきて、店頭に在庫していたものであるが、アトリエで保有していた他の原皮を見せてもらっても、ここまで強くグラデーションの入ったものは無かった。
そこで、これは貴重なサンプルだと思い購入した。
素晴らしい品質のベルトであるが、時計のクオリティがベルトにまったく負けていないのが嬉しい。

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