クロムエクセル

D800E + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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奥日光より帰宅した。
早い時間に出たので、高速道路も空いていて、あっという間に帰ってきた。
本当に、あっという間に現実の世界に引き戻された感じだ・・・（笑）

昨年よりいろいろ靴を買っているが、購入の対象に、方向性というか、大きな流れが出てきた。
ひとつはトリッカーズの4444ラストの短靴であるが、もうひとつは素材にクロムエクセルを使った靴である。
そのふたつの路線に興味が集中しており、実際に普段履く靴も、そのふたつに集約されてきた。
自分の嗜好に合っているのだろう。

クロムエクセルというのは、米国ホーウィン社製のオイルレザーである。
同社はコードバンで有名であるが、もうひとつの柱がオイルレザーであるクロムエクセルであろう。
ステアレザーにコンビなめしを施した後、独自にブレンドしたオイルに長時間かけて浸して作られている。
オイルレザーの最高峰といえる素晴らしい革で、しっとりと濡れたような質感と抜群のしなやかさを持つ。
何かに例えるなら、「濡れせんべいの柔らかい部分」が近いか・・・（かえってわかりにくい?・笑）

もっともクロムエクセルの靴を、いくつも持っているわけではない。
以前転送サービスを利用して個人輸入したオールデンのブルチャーが、唯一僕の所有しているクロムエクセルの靴である。
あとはあえて言えば、リーガルのアメリカバイソンの革のブーツが、クロムエクセルと同じ手法で作られたホーウィン社製の革を使っている。
本来はワークブーツ用に開発された革で、一般にはカジュアル系の靴に使われている。

この革の質感に惚れ込んでしまい、実はあとふたつ、クロムエクセルの靴を注文している。
ふたつとも現在メーカーで製造中である。（ひとつは誂え品で、もうひとつはサイズの在庫がなかったため、米国のメーカーが作ってくれている）
したがって、これからクロムエクセルの靴が一気に増えることになるだろう。
ま、それほど革として気に入っているのだ。



年末の大晦日の日に、佐野のアウトレットに寄った。
もちろん興味のあったのは靴関係であったが、目当てのスコッチグレインには大したものはなかった。
もしかすると、年始からスタートするセールの準備をしていたのかもしれない。
アウトレット自体が、もっと混んでいると予想していたが、意外にお客さんが少なかった。
考えてみれば、みな元日以降の売り出しを狙っているのだろう。
（実際今日の帰り道は、東北道の佐野藤岡インターは、上下線とも数キロの渋滞であった）

リーガルのお店も似たようなものであった。
お客さんこそ多く入っていたが、欲しいと思う商品はあまりなかった。
ところが隅の方で、このロングウイングチップを見つけた。
どこにも表記されていないが、この表皮の質感はクロムエクセルだろうと、すぐにわかった。

店員さんに尋ねても、革についてそこまで詳しい人はいなかった。
これはクロムエクセルですか?、と聞いても、「?」である。
聞けば、以前ここで紹介したリーガル・シュー・アンド・カンパニー（みなシュー・アンド・コーと呼んでいた）の製品だという。
少量しか入ってこない貴重なもので、サイズも限られている。
それが、何とアウトレット価格に割り引かれて売られているのだ。
そうか、こういうルートがあったか・・・（笑）

あそこの製品なら、こだわりを持って作られているので、恐らくクロムエクセルを使っているはずだ。
リーガルとノンネイティブというブランドのコラボレーション商品のようで、ビブラム製のコマンドソールが組み合わされた、なかなか凝った作りの製品である。
いずれにしてもこれは「買い」であろう。
昨年最後の出会いであった。

ここの靴は木型が大きいのか、試着するといつもの25.5では明らかに大きい。
そこで25.0と24.5も試着させてもらった。
24.5というサイズは、今まで買ったことはないのだが、履いてみたら、少々きつめだが履けないことはない。
まあ無難な25.0を購入することにした。（アメリカバイソンのブーツの時もそのサイズだった）
それらのサイズの在庫が、たまたまお店にすべて揃っており、試着できたのは幸運であった。

ベテランの店員さんが、この靴は特別にいいものなので、大切に使ってくださいと盛んに言う。
製品に対する知識のない人が、他の実用靴と同じ感覚で使ってしまうのは惜しいと考えたのだろう。
靴に対する強い気持ちが伝わってきて嬉しく感じた。
僕がちゃんと心得ていることがわかると、安心した様子であった。

シュー・アンド・コー製品専門のファンがいるそうで、そういう人たちがアウトレットにそっと買いに来るようだ。
質が高い分価格も高めなので、アウトレットにお買い得品を探しに来るお客さんのほとんどは、興味を示していないように見えた。
これはいいルートを見つけたぞ。
今後は時折見に行こうと考えている（笑）