黒い靴


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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那須で葬儀に参列した。
当然のように、黒の内羽根式ストレート・チップを履いていった。
アレン・エドモンズのパーク・アベニューだ。

しかしご存知の通り、今時そんなしきたりにこだわる人はいない。
今や黒い色の靴なら何でもいい感じだ。
日本独自のやり方で、新たな決まりが出来上がっているようにも見える。
生活に合うように合理的に変化させていくのだ。

挨拶で頭を下げるたびに、相手の靴に目が行ってしまう。
今回はアッパーが黒くてもソールが茶色い靴を履いている人が数人いた。
また飾りの入ったクォーターブローグを履いている人もいた。
それどころか、黒いズックのような靴を履いている人もけっこう見た。
驚いたのは、ストレートチップを履く人をほぼ見なかったことだ。

こうなると僕も、今更ストレートチップが正しいなんて言えない。
今や圧倒的に少数派であり、逆にストレートチップの方がおかしい・・と言われかねない。
確かに一人だけ正式な格好をすると、まるでコスプレのようにも見える。

マナーがどうの・・なんて言っているうちに、式典のあり方が変化しているようだ。
大事なのは故人を偲ぶ気持ちであり、そういう場でしきたりがどうの・・なんて言う方がおかしい。
そもそも洋装自体が海外から入ってきたものなので、自分たちに合わせて変化させることに、それほどの抵抗は無いのだろう。

あと何年か経ったら、革靴を持つ人も減るだろうし、黒っぽいスニーカーが主流になるのかもしれない。
各社も葬儀専用の漆黒のスニーカーを出すのではないか。
いや、それ以前に葬儀自体やらなくなるのかも・・・
僕ももうどうでもよくなってしまい、アレンを那須の実家に忘れてきてしまったよ(笑)
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