タワーバー

 

FUJIFILM X100V

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その昔、E46の328に乗っている時、少しだけ車をいじったことがある。
横浜にあるBMW専門のチューニングショップで、ストラットタワーバーを入れてもらったのだ。
ご存知の方の多いだろうが、左右のサスペンションの頭をバーで連結し、ボディの剛性を上げるパーツである。
車をショップに持って行き、お店でお茶など飲みながら、何時間か待っていると作業が終了する。

その帰り道、明らかに車のハンドリングが変わった。
ボディの強度がグッと上がり、四角い金属の塊になったような印象を受けた。
今までもボディ剛性は高いと感じていたが、実際にはコーナーでボディが平行四辺形に変形していたのだと分かった。

しかし一方で、スパッと曲がった時に、リアが少し飛び跳ねるような印象を受けた。
ボディがしなやかに変形してくれないので、そのしわ寄せが出てしまう。
これは必ずしも良くなったとは言えないな・・・

驚いたのは、助手席に乗って一緒に行ったMrs.COLKIDが、帰りのドライブで少し酔ってしまったことだ。
行きは何でもなかったのに、である。
パーツを入れた結果が、明確な違いとして、おかしなところに現れたわけである。

車のディーラーにも、あらかじめタワーバーを入れると連絡しておいた。
お店の人達も走り屋が多く、その結果に興味深々であった。
多分車を預けた時に、皆が乗って確かめたのではないか(笑)

ただ剛性を上げればいいという事ではないのだな・・・
ボディがある程度しなる事も、計算して設計されているのだ。
とにかくいじってみたくて、パーツを組み込んでしまったが、自己流でカスタマイズするのは、そう簡単ではないということだ。
メーカーは時間をかけて高度にバランスを取っているので、下手なことをすると、それを崩してしまうことになる。

会社でアルバイトで働いている男性が、車が好きでよく自分の車をカスタマイズして見せてくれる。
この男性は運転のベテランなのだが、車のことを実によく分かっていて、自分の運転の仕方も考慮した上で、論理的かつ直感的にバランスを取りながらいじっていく。
必ずしも速く走ることだけを目標としておらず、スムースに走れるようにして、自身が運転を楽しめることが性能向上と考えている。

その男性の知り合いが、やはり愛車にタワーバーを入れたそうだが、走行バランスが崩れるばかりでなく、走っているうちにフロント・ウインドウにヒビが入ってしまったという。
下手に剛性を上げたので、他の部分に負荷がかかり、ついには破損してしまったのだ。
その車用のチューニングパーツとして販売されているからと言って、バランスを考えずに導入するのは危険・・ということだ。

僕も若い頃は、何よりも走行性能重視の考えであった。
だが今はだいぶ大人になって、限られた性能の中で楽しめれば十分と考えるようになった。
そのため現在の車も、あえてスポーツタイプではなく、乗り心地重視のノーマルタイプにしてもらった。
まあ、正直なところ、それほど運転が上手いわけではないので、自分の運転技術の限界を悟った・・ということもあるのだが・・・

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