添え手


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毎朝髭を剃るようになって何年だろう。
恐らく高校生くらいから剃り始めたと思う。
最初のうちは、それ程伸びなかったので、毎日剃らなくても大丈夫だった。
大学時代はそこまで手入れをする必要は無かったし・・・

とは言え、髭剃りが毎朝の日課になってから、40数年は経っているはずだ。
それだけ長く剃っているのに、いまだに髭剃りのメカニズムに関しては、どうも分からないところがある。
考えてみれば、刃物で毛を物理的に切断するのだから、けっこう原始的な作業であり、それゆえに奥深い面があるのだろう。
理髪店に行くと、当然専門家が剃ってくれるので、そのやり方は参考になる。
まあ彼らの場合は、よく研いだ剃刀を使うので、切れ味自体が大分異なるのであろうが・・・

どこの理髪店でも、片手に剃刀を持ちながら、もう一方の手で肌の剃る部分を押さえる。
それにより、ゾリッと深く剃ることが出来る。
自分で剃るのと違って、仕上がりはパーフェクトといっていい。
添え手というらしいが、この肌の表面を手で押さえたりなでたりするのが、彼らの髭剃りの重要なポイントになっているのは明白である。

たとえば添え手無しで、片手に持った剃刀のみで、肌の表面を剃っても完全には剃りきれない。
毛の生えている方向に逆らって剃れば、少しは深剃りできる。
しかしそれでも、添え手を併用して剃るのに比べると不十分である。

本来添え手は、肌を引っ張って平らにすることで、剃刀をスムーズに動かして、肌に負担をかけないのが目的らしい。
しかし同時に深剃りが可能で、理髪店で剃ってもらうと、剃り残しがなくツルツルになる。
指で肌の表面の角度や張り具合に変化を与えることで、髭を露出させて深く剃るのか。

しかしそれだけではないようだ。
自分でいろいろやってみると、表面を押さえた手を離しても、その直後に剃刀を当てると、案外深く剃ることが出来る。
そこが不思議なところだ。
手を離すと同時に肌の張り具合は元に戻るが、それでも深剃りに効果があるのだ。
髭の動きがゆっくりしており、一度立った状態から戻るまでに時間がかかるのか・・・

軽く添え手をするだけで、仕上がりに大きく違いが出る。
しかし毎朝やっているにもかかわらず、そのメカニズムが未だにはっきりしない。
どうなっているんだろう・・と不思議に思いながら剃るのだ。
まあ何十年も謎を放置している自分も悪いのであるが・・・
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