カニ


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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新潟からカニが届いた。
市場で茹でて、そのまま送ってくれた新鮮なカニだ。
それを夕飯に食べた。
Mrs.COLKIDと1杯ずつ。

「・・・・」
二人で無言で食べる。
カニを食べだすと、夢中になって何も喋れなくなる。
食卓に座って、ただ無言でカニを剥いて食べた。
1時間くらいかかった。



リーガルの2235NA。
ブラウンの型押し牛皮。
サイズは24.5cmEE。

僕の原点ともいえる靴だ。
今更リーガルを買うことは無いだろう・・と思っていた。
しかし、この靴だけは別である。
個人的な思い入れの強い靴なのである。

高校生の時に電車の中で見た広告・・・
リーガルのロングウイングチップ。
牛一頭から3.5足しか取れない・・パーツを裁断した原皮を背景にした、あのポスターである。
(実は牛一頭から何足取れるのか忘れてしまい、最近店頭で当時のポスターを見せてもらい思い出した)

先日、35年前に購入した黒のロングウイングチップを紹介したが、あれの現代版である。
あの時広告に載っていたのは、ブラウンの型押しされたグレインレザーのものであった。
最初の一足は黒を買ったが、ブラウンのこのモデルも、いつか欲しかった。

考えてみれば、ポスターに写っていたあの靴の写真が、僕の革製品に対する価値観を決定付けたと言っていい。
表面に型押しされた明るめのブラウンの革・・・
当時日本にあった革製品は安っぽい質感のものが多く、迫力あるフルブローグのこの靴の写真は、とても魅力的に見えた。

当時僕を虜にした革製品は、プレーンなサドルレザーを使った米国ビアンキ社のウエスタンホルスターと、このリーガルのウイングチップであった。
どちらも思わず触れてみたくなるような茶褐色の革が使われていた。
リーガルのフルブローグは、多くのパーツを縫い合わせた密度感が、非常にカッコよかった。
巷に溢れたペラペラの革製品とは、まるで違うものに見えた。

実際には型押しした革は、表面の質感を判りにくくしてあるとも言え、傷などを隠すのに使われることも多い。
革の品質としては、正直なところ、それほどのものではないように思う。
さらに言えば、ブランド力でも、オリジナルであるアメリカの靴には敵わない。
だが当時の日本には、こういう質感の革製品自体が身近に少なかった。

リーガルのレザーソールのロングウイングチップは、幅EEの2235NAと、幅EEEのW105がある。
ブラウンの色は、両者とも明るめであるが、W105の方はオレンジに近い鮮やかさである。
両方試着したが、幅がEEのほうがしっくりきたのと、あのポスターに使われているのはこのモデルだと聞き、2235のほうを選んだ。

いろいろ試着させてもらったが、結果的にサイズは24.5cmにした。
同じJISに基づく表記なのに、リーガルのサイズは他社と少し違う場合が多い。
いつも小さめの表記のものを選ぶことになる。

少しタイトフィットである。
だがサイズをもうひとつ上げると、踵が緩めの上に羽根が閉じてしまう。
それではカッコ悪いので、きつめではあったが24.5cmにした。
木型が必ずしも足に合っているとは言えないようだ。

かなり硬めでガッシリと作ってある。
つま先のスペースは少なめで、本当に足がスッポリはまる感じの履き心地だ。
距離を歩くと小指が少し痛くなり、落ち着くまでに時間がかかりそうだ。

それにしても、日本のメーカーの製品にしては、なかなか格好のいい靴である。
同じロングウイングチップでも、立体的なデザインを、このように上手くまとめるのは難しいように思う。
完成度が高く、あの頃よくぞこれだけのデザインを作り上げたものだと感心する。

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