合宿


D3X + PC-E NIKKOR 24mm F3.5D ED

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その昔、人材を育成する合宿というのに行かされた事がある。
確か伊豆山の山沿いにある旅館で行われた。
仕事でお客さんが怒ってしまった時の対応、要するに相手に不満を全部吐き出させて解消させる術・・などを講師が教えてくれるのだ。
参加者がチームになって、皆の前で会話を実践し対応を練習する。

講習の途中、仕事と家庭はどちらが大切か?という質問が講師から出された。
多くの人は「家庭」と答えた。
ひとりだけ参加者のうち最高齢の男性が「仕事」と答えた。
講師は、その通り、一番大切なのは仕事です・・と男性の意見を支持した。

みな何とも納得できない顔をした。
しかし講師は、「仕事を大切にできない人は、結局家庭を大切にすることもできません」と言った。
その時は、なるほどそんなものかと思い、少し感心もした。

「仕事」と「家庭」とは、ある意味反対語のようなもので、「仕事」は一般的に悪いほうの意味を持っていた。
バブル直前の徹夜に次ぐ徹夜・・の頃で、家庭を犠牲にして仕事を強要される日々が続いていたからだ。
受講者の多くは、比較的安易に「家庭」という常識的な答えを選んだだけともいえる。

しかしあれから20年以上も時が経ち、時代も変わっている。
仕事で家庭を崩壊させてしまった人も大勢いる。
あるいは今なら逆に、不況ゆえに「仕事」と答える人も多いかもしれない。

それにしても、今でもあの合宿では同じことが言われているのだろうか?
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