崩壊


D3X + Ai AF Micro-Nikkor ED 200mm F4D(IF)

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ヨーロッパの資材メーカーから営業が来た。
何度も来ている親しい白人男性だ。
お土産にワインをいただいた。

彼らは男性も女性もバイタリティが凄くて、持つのに苦労するような大型のトランクを複数個かかえてやってくる。
その中には資料やサンプルが山のように詰まっており、重さは1個数十キロにもなる。
見るたびにとても日本人には真似ができないなと思う。
(もっとも僕もD3Xで同じようなことをしてはいるが・・・笑)

ところが久しぶりに会う彼はなぜかやつれて見えた。
聞けば病気をしたのだというが、いろいろ話しているうちに、どうもそうではないらしい事がわかってきた。
詳しくは話さないが、実は仕事が大変なことになっていた・・という事をちらりとにおわせた。
会社のリストラや給与カットが厳しく、報酬のことでもめていたのかもしれない。
ライバルの老舗のメーカーは、先日潰れてしまったと聞かされてびっくりした。
そちらの営業とも親しかったからだ。

来る人が口を揃えて、ヨーロッパが大変なことになる・・という。
もちろんアメリカもすでに大変なことになっているが、これから欧州がすさまじい状態になると、実際に仕事に携わる多くの人が予想している。
それと比べると、同じ不況とは言っても、日本は単に持っているお金を使わないだけで、かなり状況は違うという。

かつてヨーロッパを旅すると、なぜこのような世界が存在し得るのだろうと不思議に感じることが多かった。
それほど豊かな世界であった。
仕事も休暇もダイナミックで、その上生活に余裕とセンスがあった。

何百年も前から質素な暮らしを続けてきた日本人では、永久にあの世界には追いつけないだろう・・と思えた。
たとえお金があっても、格好を真似をするばかりで、本質的には同じことができないのだ。

ところがその欧米の豊かな世界が音をたてて崩れ落ちていくのが見えた。
世界を支配していた一見合理的な彼らの価値観が崩壊していく。
あの豊かな暮らしは、やはり幻想だったのだろうか?
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