酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

都知事選の結果を踏まえ~未来に光を見いだそう

2014-02-09 23:55:31 | 社会、政治
 今回の都知事選で目を疑ったのは46%台の投票率だ。ブログやSNSでこの間、熱く語ってきた方は拍子抜けされたに違いない。大事な選択と思えば、多少のことがあっても投票所に向かうはずだ。都民にとって今回の選挙は、〝この程度〟のことだったのか。田母神氏が20代に最も支持されたという出口調査の分析にもショックを受けた。

 宇都宮氏に一票を投じた理由は前稿に長々と記した。脱原発に限らず様々な課題を支えてきた方が、細川支持を次々に表明する。その言葉の激烈さに違和感を覚えつつ、〝俺は間違っているのか〟と自問自答したこともあった。

 告示直後、「舛添氏と細川氏の2強対決」と予測するメディアも多かったが中盤以降、細川氏は伸び悩む。今回は<細川候補はなぜ完敗したか>をテーマに、開票直後の感想を記したい。細川氏を非難するつもりは毛頭なく、この問いの先に、脱原発運動の今後に向けた光を見いだせると確信するからだ。

 第一に挙げるのは<脱原発の位置付け>だ。細川ブレーンである古賀茂明氏は昨年末の講演会で、<護憲と脱原発>を軸にしたリベラル結集に期待を込め、細川新党を念頭に「春に動きがある」と仄めかしていた。古賀氏はかねて<脱原発は政官財の癒着、地方の中央従属を根絶するスタートライン>と述べており、前稿で紹介した小出裕章、星野智幸両氏は<原発は護憲(=自由)、貧困、差別、沖縄と通底している>と説いている。

 上記に加え脱原発は、環境とエネルギー問題、ライフスタイルまで問い掛ける〝ビッグイシュー〟だが、今回の選挙で〝ワンイシュー〟に矮小化された。細川陣営は準備不足もあり、廃炉に向けての具体的な道筋を示さず、他の課題とリンクして語ることもなかった。だが、このまま終わることは決してない。小泉氏は各首長選で脱原発派を継続して応援する決意を明らかにしている。まずは山口県知事選を見守りたい。

 第二は<内紛>だ。元首相タッグ結成に尽力した支援者が選対から追放されたが、上杉隆氏もそのひとりだ。小沢一郎氏の人脈も事実上、門前払いされ、細川氏元秘書の松野頼久衆院議員(維新)が選対を仕切っていたという。発信力を誇る小泉進次郎議員、脱原発を訴えてきた河野太郎議員が自民党にとどまったのは、内輪もめに嫌気が差したからではないか。

 第三は<メディアの偏向>だが、そこに拘泥していては先に進めない。東欧や韓国では、身を賭した長年の闘いによって壁は壊れた。治安維持法下の日本でも、凄まじい弾圧を跳ね返した無産政党が総選挙で30議席以上を獲得している。メディアが〝安倍機関〟化した今、<地殻変動>を起こすためには、周到な準備、創意工夫、強い意志が必要だ。

 舛添候補の街頭演説は閑散としていたが、細川陣営は画期的な数の聴衆を集め、その映像はネットにもアップされた。外山恒一氏の表現を借りれば、「街頭やネットで消費された段階」にとどまっていたのかもしれない。直接民主主義のうねりを投票に繋げるのは、海外を見ても容易ではない。この点は今後の選挙でも課題になるだろう。

 母から夜、電話が掛かってきた。
母「誰に入れたんや」
俺「宇都宮や」
母「あんた、共産党は嫌い言うてたのに」
俺「緑の党支持やから」
母「何や、それ。危ないとこ違うか」

 母だけでなく、緑の党と聞いたら「カルトの一種」と勘違いする人は周りにもいる。「政党とは国会に議席を得てナンボ」が普通の考え方で、HPを見て「面白い」と感想を述べたのは、左右問わず何らかの形で政治に関わってきた人たちだ。

 俺は脱原発派の関係修復を支えるため、多様性と調和を前面に掲げ、ちょっぴりファジーな緑の党に入会する。60年安保以降、常に闘いの前線から逃亡し、党勢維持に努めてきたのが共産党だ。その良質な支持者を緑の党が少しずつ奪っていければ、最高の展開なのだけど……。
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