妹が昨日(1日)退院した。とはいえ、今後も人工透析のための通院、筋力低下を補うリハビリと、闘病の日々は続く。妹を支えてくれた親戚、友人、病院スタッフの皆さまに、この場を借りて感謝の気持ちを伝えたい。
心配な知らせもある。当ブログの読者であり、妹を気遣うコメントも寄せていただいたマイミクのかれんさんが、先日入院された。一日も早い快復を祈るばかりである。
さて、本題。今回は「レスラー」(08年、アロノフスキー)について。いずれDVDでご覧になる方も多いと思うので、出来るだけファジーに記すことにする。
<俺は無鉄砲だから、いつ死んでもおかしくない。後先考えず闘うことは破滅ではなく、魂の救済なんだ……>
WWEで最も熱い声援を浴びる〝リング上のカート・コバーン〟ことジェフ・ハーディーは、マイクパフォーマンスでも観衆を痺れさせる。先日放映されたPPV「エクストリーム・ドリームス」では、緻密で危険なラダーマッチでファンの度肝を抜いた。
WWEのファンは、ジェフが三沢とは別の形で殉死するのではないかと危惧している。「レスラー」でミッキー・ロークが演じたランディもまた、プロレスの〝冥府魔道〟に踏み入れたレスラーといえるだろう。
ランディのモデルは誰か? 華麗な空中技の使い手だったリッキー・スティムボート、老いてハードコア路線に転じたテリー・ファンクのイメージを合わせた感じだ。
マジソンスクエアガーデンで80年代、メーンを張ったランディだが、栄光は色褪せた。トレーラーハウスで暮らし、スーパーで働きながらインディー団体を転々としている。肉体は悲鳴を上げ、心は孤独……。ランディの生き様は、ロークとそのまま重なっていた。
筋肉の鎧を纏い、壮絶な流血マッチをリアルに演じたロークに一歩も譲らないのは、熟女ストリッパーのキャシディを演じたマリサ・トメイだ。40代とは思えない引き締まった肢体と切ない表情に、追い求めてやまない〝背徳の彼方の純潔〟を見た。
高評価が定着した本作だが、俺は納得していない。人生の底を見た中年男女の相寄る魂を軸に展開すれば、良質のラブストーリーとして記憶に残ったはずだが、ランディの娘ステファニーが登場してから、不要な枝葉が目立つチープなドラマに堕していく。だが、ロークとトメイの入魂の演技に触れるだけで、一見の価値ありといえる作品だ。
「レスラー」を見て、プロレス界は厳しいと誤解される方もいるかもしれないが、実態とは程遠い。WWEビンス・マクマホン会長は、敵陣に寝返り自らを批判したフレアー、ホーガンを許すほど懐が深い。ビンスが実在の〝80年代の大スター〟の窮状を知れば、確実に手を差し伸べるだろう。ちなみにロークは今春、「レッスルマニア」の舞台に立ち、ジェリコにKOパンチを浴びせている。
給湯システムが不調を来し、25年ぶりに銭湯に行った。十分快適だったが、鏡に映るわが肉体にゲンナリする。4歳上のロークは実に偉大だ。休みの日は断食でもするか。
心配な知らせもある。当ブログの読者であり、妹を気遣うコメントも寄せていただいたマイミクのかれんさんが、先日入院された。一日も早い快復を祈るばかりである。
さて、本題。今回は「レスラー」(08年、アロノフスキー)について。いずれDVDでご覧になる方も多いと思うので、出来るだけファジーに記すことにする。
<俺は無鉄砲だから、いつ死んでもおかしくない。後先考えず闘うことは破滅ではなく、魂の救済なんだ……>
WWEで最も熱い声援を浴びる〝リング上のカート・コバーン〟ことジェフ・ハーディーは、マイクパフォーマンスでも観衆を痺れさせる。先日放映されたPPV「エクストリーム・ドリームス」では、緻密で危険なラダーマッチでファンの度肝を抜いた。
WWEのファンは、ジェフが三沢とは別の形で殉死するのではないかと危惧している。「レスラー」でミッキー・ロークが演じたランディもまた、プロレスの〝冥府魔道〟に踏み入れたレスラーといえるだろう。
ランディのモデルは誰か? 華麗な空中技の使い手だったリッキー・スティムボート、老いてハードコア路線に転じたテリー・ファンクのイメージを合わせた感じだ。
マジソンスクエアガーデンで80年代、メーンを張ったランディだが、栄光は色褪せた。トレーラーハウスで暮らし、スーパーで働きながらインディー団体を転々としている。肉体は悲鳴を上げ、心は孤独……。ランディの生き様は、ロークとそのまま重なっていた。
筋肉の鎧を纏い、壮絶な流血マッチをリアルに演じたロークに一歩も譲らないのは、熟女ストリッパーのキャシディを演じたマリサ・トメイだ。40代とは思えない引き締まった肢体と切ない表情に、追い求めてやまない〝背徳の彼方の純潔〟を見た。
高評価が定着した本作だが、俺は納得していない。人生の底を見た中年男女の相寄る魂を軸に展開すれば、良質のラブストーリーとして記憶に残ったはずだが、ランディの娘ステファニーが登場してから、不要な枝葉が目立つチープなドラマに堕していく。だが、ロークとトメイの入魂の演技に触れるだけで、一見の価値ありといえる作品だ。
「レスラー」を見て、プロレス界は厳しいと誤解される方もいるかもしれないが、実態とは程遠い。WWEビンス・マクマホン会長は、敵陣に寝返り自らを批判したフレアー、ホーガンを許すほど懐が深い。ビンスが実在の〝80年代の大スター〟の窮状を知れば、確実に手を差し伸べるだろう。ちなみにロークは今春、「レッスルマニア」の舞台に立ち、ジェリコにKOパンチを浴びせている。
給湯システムが不調を来し、25年ぶりに銭湯に行った。十分快適だったが、鏡に映るわが肉体にゲンナリする。4歳上のロークは実に偉大だ。休みの日は断食でもするか。