酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

タイタニックで<大人度>を測る

2008-01-19 01:14:40 | 戯れ言
 GⅠシリーズ中はともかく、中2日のブログ更新はたやすいことではない。ネタに窮し、お気に入りのブログや日記をサーフィンしていると、「大人になりたい」、「わたしは子供」といった記述に幾つも出会った。

 そうだ、テーマは「大人」でいこうと決めたものの、俺自身は成熟と程遠い五十路だし、大人と確信できる同性を一人も知らない。妥協と迎合を第一に世間を渡る「日本的大人」を、「真の大人」と認める気にはなれないからだ。

 「日本的大人」の代名詞といえる福田首相を、別稿(昨年9月23日)で以下のように評した。<俺は福田氏のようなタイプを多く知っている。含蓄に富み、隙がなく、道理を弁えているように見えるが、その実、芯も核もないタマネギのような御仁を>……。

 「大人もどき」はごまんといる。古紙率偽装各社の経営者、寄付を装い脱税を企んだ歯科医、贈収賄の国交省職員と建設業者、インサイダー取引のNHK職員……。この一両日、仮衣を剥がされた人たちがメディアを賑わせていた。

 識者やメディアは大人になれない成人たちを憂えているが、支配層は明らかに子供のままの大衆を求めている。「天皇の赤子」は戦後60年、無知なまま飼い慣らされてきた。企業はこぞって、<管理職―社員>を<先生―生徒>に置き換える人事考課制度を導入した。目標(宿題)を与えて社員を子供扱いし、組織のコントロール下に置くことが成果主義の肝である。

 俺には<大人度>を測るリトマス紙がある。それは「タイタニック・シミュレーション」と呼びうるものだ。即ち<豪華客船が沈みかけているが、救命ボートの定員は3分の1しかない。この状況で人はどのような行動に出るだろう>……。

 女性と子供を最優先し、次に将来ある若者を救うことを提案する。ボートに突進する中高年の男性がいたら体を張って制し、自らは粛々と死を選ぶ……。

 これが正しい選択だが、俺だけではなく、大人で通っている者も本性を剥き出しにする可能性が高い。「真」が付かない大人なんて、その程度の存在なのだ。幸いなことに小泉、安倍両氏は、子供のままでも総理大臣になれることを証明してくれた。無理に大人になる必要なんてない。

 お気楽な俺はともかく、親として教師として子供と接する立場だと大変だろう。モラルも思想も伝統も消えたこの国で、大人として若い世代に何を語ればいいのか見当もつかない。

 無責任も甚だしいが、俺なら若者に日本脱出を勧める。国民1人当たり1000万円という借金のツケを払い続けるぐらいなら、身一つで海外に出た方がマシではないか。異文化との遭遇と軋轢も、大人への近道なのだから……。


コメント
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