酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

自己採点は85点~POGドラフトを終え

2011-06-15 01:21:51 | 競馬
 イタリアが国民投票で脱原発に舵を切った。今後もそれぞれの国で、世論を反映した決定が下されるに違いなが、日本の動向は不透明だ。朝日新聞の世論調査で、「原発段階的廃止」が74%に上った。反原発にシフトする国民を「集団ヒステリー」と評した自民党・石原伸晃幹事長は、大連立で<反・脱原発>の声を封じ込めたいようだ。

 前々稿(6月9日)に記した通り、俺は菅首相の逆噴射に期待している。<脱原発&エネルギー政策転換>を掲げて解散に打って出れば、民主党の大半は離反する。そこで、孫正義氏と接近しつつある橋下大阪府知事と組めば面白い。〝一点突破、全面展開〟で棄民の伝統とアメリカ隷属に同時に終止符を打つという俺の夢想が現実離れしていることは、重々承知しているが……。

 3・11以降、自粛が世の基調になり、夏祭りや花火大会は早々に規模縮小や中止が決まった。谷底で息を潜める俺にとり、自粛できない祭りが年に一度だけある。6月第2日曜に開かれるペーパーオーナーゲーム(POG)ドラフト会議だ。

 縁あって日本最古のPOGに参加して4年目……。仔馬誕生時の母馬の年齢、兄姉の成績、預託厩舎の勝ち鞍数などを縛りに独自のスタンスを確立したつもりだが、その実、血統の好み、中穴狙いの志向、情に縛られている。関東馬≧関西馬の決め事に則った俺の指名馬は以下の通りだ。

(1) クラヴェジーナ(牝・音無/アグネスタキオン)
(2) ディ-プブリランテ(牡・矢作/ディープインパクト)
(3) ディサイファ(牡・小島太/ディープインパクト)
(4) ストレートラブ(牝・松田博/アグネスタキオン)
(5) ルミナスグルーヴ(牝・小島茂/アグネスタキオン)
(6) ベルニーニ(牡・岡田/ジャングルポケット)
(7) モントリヒト(牡・藤沢和/アグネスタキオン)
(8) インクレセント(牝・長浜/アグネスタキオン)
(9) グランシャルム(牝・鹿戸雄/Dylan Thomas)
(10) バーニングジール(牡・荒川/ハーツクライ)
(11) レッドスピリッツ(牝・庄野/マンハッタンカフェ)
(12) フェノーメノ(牡・戸田/ステイゴールド)
(13) ナンヨーヤシマ(牡・国枝/アグネスタキオン)
(14) オウケンプレスリー(牡・小崎/スペシャルウィーク)
(15) レットイットスノー(牝・伊藤圭/ハーツクライ)
(16) クローチェ(牡・橋田/ダイワメジャー)
(17) アロヒラニ(牡・久保田/キングカメハメハ)
(18) スカーレットリング(牝・国枝/シンボリクリスエス)
(19) ロイヤルチョイス(牡・長浜/Redoutes choice)
(20) チャーチクワイア(牝・古賀慎/ネオユニヴァース)
(21) ハーツブラッド(牝・畠山吉/ハーツクライ)
(22) サトノインスパイア(牡・村山/Discreet Cat)
(23) マコトガルデーニエ(牝・尾形/シンボリクリスエス)
(24) アドマイヤシルク(牝・松田博/シンボリクリスエス)

 東西26頭ずつに絞ってドラフトに臨んだ。A(25頭=取りたい)、B(27頭=取れれば)に分類し、Aから17頭指名できた。芝の中長距離型、スプリンター、マイラー、ダート血統、重馬場向き、早めのデビュー、晩成タイプとバラエティーに富んでいる。

 上々の首尾だが100点とはいかず、自己採点は85点だ。俺の前に立ちはだかったのは、2人の当ブログ読者だ。いでたちがテキヤの大将風のKさんは、包容力、気概、ユーモアが滲み出る全共闘世代だ。Kさんには1位指名で競合したディアデラパンドラ(角居)を持っていかれた。今週末の新馬戦では「クラシックが楽しみ」と鞍上(福永)が吹いている通り圧勝するだろう。

 もうひとりは芯の強さと繊細さを併せ持つチャーミングなMさんだ。フォルトファーレン(音無)、ラグジュリア(田中清)、ニーレンベルギア(西園)ら6頭を、声を上げる寸前さらわれた。自分の相馬眼を確かめる意味もあり、馬たちを心から応援する。

 最後に、速報を。GⅠセントジェームズパレスS(英アスコット競馬場、1600㍍)に挑んだグランプリボスは、9頭中8着と残念な結果に終わった。遠征の不利や日英の馬場の違いを克服できなかったが、陣営のチャレンジ精神に拍手を送りたい。


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30年後にダービーは~原発事故は競馬も殺す?

2011-05-28 06:11:52 | 競馬
 米軍によるイラク市民虐殺、中国によるチベット弾圧、北朝鮮の圧政……。日本人は映像を通して他国の非人道的振る舞いを眺めてきたが、3月11日以降、立ち位置が変わった。世界は今、日本政府の冷酷さに眉を顰めている。

 子供は1㍉シーベルト、大人なら5㍉シーベルトが許容値なのに、文科省は福島県の保育園、小中学校の校庭における放射線量の上限を年間20㍉シーベルトに定めた。<国家による殺人>の撤回を求める母親たちの試みを、藍原寛子さん(医療ジャーナリスト)が「ニュースの深層」(朝日ニュースター)でリポートしていた。

 福島の子供たちを疎開させるプロジェクトを立ち上げ、母親たちと文科省で抗議運動を行った山本太郎は、ドラマ降板の憂目を見る。朝日新聞の世論調査で脱原発派が過半数を超えたとはいえ、半世紀以上かけて構築された<秘密主義、棄民、言論弾圧を前提に成立する暴力装置=原発>の頑丈さを、山本の身に起きたことが示している。

 政治に求められるのはリアリズムだ。全国的なネットワークを立ち上げて<政官財=メディア=闇世界>の構造を揺さぶらなければ、恐らく何も変わらない。代表は小出裕章氏が最適で、スポンサーはもちろん孫正義氏だ。推進派から転向した学者や文化人にも門戸を開けばいい。

 ……などと真面目に書いてはいるが、妄想好きで不埒な俺の本質は何も変わっちゃいない。競馬にも相変わらず時間とお金を割いているが、POGドラフト(6月中旬)の準備を進めるうち、悪い予感が頭をもたげてきた。

 30年後、日本ダービーは開催されているだろうか……。関東の拠点である美浦トレセンは茨城県にある。人為的につくられた繊細な壊れ物であるサラブレッドは、牧草や水を大量に摂取するから、体内被曝の危険性は極めて高いはずだ。

 楽しめるうちが花と出馬表を眺めていると、気分が一層滅入ってくる。18頭のうち16頭がサンデーサイレンス(SS)系種牡馬の産駒で、残りの2頭も母系はSSだ。社台グループを自動車業界に例えれば、<トヨタ+日産+ホンダ+マツダ>のメガ企業で、あとは下請け、孫請けといった状況といえる。

 早田牧場はとっくに倒産し、西山牧場は08年にダーレー・ジャパンに売却され、メジロ牧場は先日解散した。シンボリ牧場にかつての輝きはなく、ラフィアンとコスモを率いる岡田繁幸氏も数年前、「サンデーサイレンスとアグネスタキオンは世界トップクラスの種牡馬」と白旗を掲げていた。

 〝外れ者〟を自任する俺ゆえ、任侠映画の鶴田浩二や高倉健を気取って「やせ蛙 負けるな一茶 ここにあり」と啖呵を切りたいところだが、そうはいかない。〝SS系をリストに並べる〟というPOGの原則を踏み外すと、目を覆うような結果が待っているからだ。

 今回のダービーには指名馬コティリオンが出走する。もちろんSS系(父ディープインパクト)で、チャンス十分と踏んでいたが、雨予報で諦めた。枠(⑨番)はいいが、切れ味勝負の同馬は不良馬場で馬群に沈むだろう。馬券は雨に強そうな⑰ユニバーサルバンク、⑦ベルシャザールを絡めて買って高配当を狙いたい。

 競馬といえばWIN5が話題だ。中穴党の俺は4~8番人気を絡めて馬券を買う傾向が強い。1億円はともかく、1000万円前後の配当ならそのうち取れるのではと射幸心を煽られている。今は低額出費に抑えているが、そのうちタガが外れそうで怖い。


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エンドレスの夏~POG新シーズンに突入

2010-06-15 01:28:29 | 競馬
 バンクーバー冬季五輪中にも書いたが、<国を代表して戦う>という図式に醒めてしまっている。W杯も淡々と楽しむつもりが、徐々にヒートアップしてきた。1974年以来、肩入れしてきたオランダに初Vの可能性があるからだ。

 好事魔多しというか、ファンペルシーが間に合ったと思ったら、〝ガラス〟のロッベンが負傷した。決勝トーナメント以降は大丈夫というから一安心だ。初戦は2―0の得点以上に、デンマークを内容で圧倒していた。

 日本は1―0と予想外の勝利を収めた。〝カメルーンってこんなに弱かったの〟が正直な感想だが、チーム内の不協和音が大きいようで、グループEの草刈り場になりそうだ。デンマークも得点力がないチームなので、日本の決勝トーナメント進出も夢ではない。叩かれ続けた岡田監督だが、心で泣いて中村俊輔を外し、本田をエースに据えた。〝黒い小鳩〟を切った民主党並みに支持率は急上昇だろう。

 W杯と参院選は7月11日に幕を閉じるが、俺にとって〝エンドレスの夏〟は競馬のペーパーオーナーゲーム(POG)だ。今週末スタートする新馬戦を前に、10―11季のドラフト会議が開催された。

 <トップ調教師が管理する評判の良血馬を片っ端から指名する>……が準備を始めた当初の方針だったが、POG本(雑誌、タブロイド紙を含め計6種)を眺めているうち、ひねくれ虫が蠢きだした。

 自称〝POGの名人〟たちは、生産者、馬主、調教師、クラブ法人とパイプを築いて情報を収集する。故に、マイナス情報を公にできない。<この馬はダメ>と真実を洩らせば、関係各位に被害が及び、業界から締め出されるだろう。警察、検察、政党、大企業と癒着する大新聞の記者クラブと似た構造なのだ。POG本を読む時は、<眼光、紙背を徹す>の気合が必要になる。
 
 自分なりの消去法を複数用意しないと絞れない。人気馬を切りまくり、乱暴な仕分けで55頭をリストアップする。諸般の事情で参加者が2人減ったことで馬がリストに残り、予定+2の24頭を指名した。ちなみに俺の属するグループは関西馬≦関東馬の縛りがある。

(1) コティリオン(ディープインパクト=牡/栗東・橋口)
(2) ヘヴンリーブリス(アグネスタキオン=牡/栗東・池江寿)
(3) ラロメリア(キングカメハメハ=牡/美浦・久保田)
(4) アソルータ(ゼンノロブロイ=牝/美浦・萩原)
(5) ペルレンケッテ(ディープインパクト=牝/栗東・音無)
(6) ガムラン(シンボリクリスエス=牡/美浦・国枝)
(7) インナージョイ(スペシャルウィーク=牡/栗東・村山)
(8) ショウナンバーズ(タイガーヒル=牡/美浦・国枝)
(9) クローバーリーフ(タニノギムレット=牝/栗東・友道)
(10) テキサスルビー(スペシャルウィーク=牝/美浦・堀)
(11) ホーマンフリップ(フジキセキ=牝/栗東・安田)
(12) ターゲットマシン(ディープインパクト=牡/美浦・宗像)
(13) スプリングフェスタ(ゼンノロブロイ=牝/栗東・長浜)
(14) ステラビスティー(ジャングルポケット=牝/美浦・伊藤大)
(15) アドマイヤスコール(フレンチデピュティ=牡/栗東・友道)
(16) ヒールゼアハーツ(ハーツクライ=牡/美浦・戸田)
(17) エイシンモンジュー(モンジュー=牡/栗東・西園)
(18) ベルモットの2008(フレンチデピュティ=牡/美浦・尾関)
(19) スラストライン(リダウツチョイス=牡/栗東・松田国)
(20) ミトラ(シンボリクリスエス=牡/美浦・萩原)
(21) ジョーアカリン(タニノギムレット=牝/栗東・村山)
(22) モビール(ハーツクライ=牡/美浦・武市)
(23) チャッピーチット(ゼンノロブロイ=牝/美浦・大江原)
(24) シルヴァースプーン(アグネスタキオン=牝/栗東・藤岡健)

 マンハッタンカフェ産駒、松田博厩舎管理馬は取れなかったが、種牡馬、厩舎、牡牝のバランスが取れた指名だった。話題沸騰のディ-プは3頭取ったが、母系はアメリカ系もしくはマイラー系、450㌔以下という血統専門家のお薦め条件に3頭とも外れている。自信は全くないが、来年の今頃、答えは出ているのだろう。

 早くも2頭が、阪神、福島の第2週にそれぞれデビューを予定している。セイウンワンダー、シンメイフジに続く新潟2歳SV3も悪くないが、俺が願っているのは〝春の饗宴〟だ。クラシックを視野に入れた指名馬たちの活躍を期待している。



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ダービー&POG~競馬依存を強める日々

2010-05-28 01:04:26 | 競馬
 ダービーの枠順が確定した。〝史上最高〟の前評判に相応しい素質馬が揃ったが、燃えるものがない。2週後のペーパーオーナーゲーム(POG)ドラフト会議に気持ちが飛んでいるからだ。指名馬が出走しない分、冷めた目で出馬表を眺めているうち、<この馬を選んでいたらなあ>なんてPOG的感覚に陥ってしまう。

 まずは母の父がラムタラのヒルノダムールに目が留まる。ダービー、キングジョージ、凱旋門賞を続けて制し〝神の馬〟と呼ばれたラムタラは、鳴り物入りで輸入されたものの、種牡馬として失敗する。ヒルノダムールにはぜひ、祖父の屈辱を晴らしてほしい。
 
 あとはペルーサとレーヴドリアンで、それぞれの弟と妹は今季のPOGでも人気を集めるだろう。俺の趣味には合わないが、皐月賞馬ヴィクトワールピサには敬意を払いたい。

 ◎⑫ヒルノダムール、○⑨ペルーサ、▲⑦ヴィクトワールピサ、△②レーヴドリアン。馬連は⑫から3点、3連単は⑫1頭軸で買う。

 ダービー以上に注目する今週のレースは、POG指名馬アマファソンが出走する白百合ステークスだ。ダービー以降はGⅠのみ加算というルールだから、ここを勝って秋華賞に繋げてほしい。
 
 初年度は4位(12人中)、2年目も似たような順位だが、ビギナーズラックとしか言いようがない。セイウンワンダー、エイシンアポロン、シンメイフジら下位指名馬が想定外の活躍で下支えしてくれたが、クラシックを意識した上位指名馬たちは総じて振るわなかった。3年目は方針を変え、<人気厩舎の良血馬>を臆面なく選ぶ予定だ。

 ディープインパクトの産駒が走るかどうか……。今季の注目はその一点に尽きる。種付けした牝馬は極め付きの良血揃いだが、資質を潰し合う危険性を指摘する専門家もいる。小柄がいい(大きいと駄目?)、スピード血統の牝馬が好相性(欧州系は合わない?)などかまびすしいが、1年後に答えは出ている。

 2年の経験で身に染みたのが、厩舎の重要性だ。ダービー出走表を見ても、角居、池江泰郎の2頭出しを筆頭に、藤原英、松田博、堀、橋口、藤沢和、昆、長浜、松田国とGⅠ実績を誇る名伯楽の名が並んでいる。腕利きスタッフを抱える厩舎に高額馬を預け、実力派ジョッキーでレースに挑むという競馬サークルの〝優勝劣の法則〟に、格差否定の俺も従うしかない。

 血統ってそんなに大事なの? 競馬ファン以外の方はこんな疑問を持たれるはずだ。あくまでも確率で、字面通りにはいかない。人間となれば尚更で、〝駄人〟の俺など、父系の〝商人の血〟と母系の〝役人の血〟が相殺され、運だけで世を渡る怠け者だ。ちなみに社交家かつ努力家の妹は、父系と母系の良質のDNAを受け継いだ例といえるだろう。

 付け焼き刃と言うしかないが、先週末からようやくPOGの準備に入った。ドラフト会議が終わった頃に開幕するワールドカップは、参院選の喧騒と重なる。野次馬の俺ゆえ、フワフワと非文化的な日常に流されそうだ。





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頑張れ! シンメイフジ~POGの季節到来

2009-09-06 02:38:48 | 競馬
 長年のオランダサポーターゆえ、日本との戦いを非国民アイで眺めていた。オレンジ軍団が70分まで精彩を欠いたのは、文化の違いに戸惑ったからかもしれない。サッカーには国民性が顕著に表れる。粘着と勤勉を維持して「鬱陶しいな」と相手に思わせることが、日本サッカー国際化の第一歩だろう。
 
 鳩山論文を反米的と米メディアが恫喝的に報じている。滑稽なのは日本のメディアが深刻ぶって後追いしていることだ。優等生が「生活指導の先生、おまえに目を付けてるぜ」と不良に囁くのと同レベルで、底にあるのは情けない奴隷根性だ。

 ノエル・ギャラガーが弟リアムとの確執でオアシスを脱退したが、悲観する必要はない。バンドにはUKロックの名だたるソングライター、ゲム・アーチャー、アンディ・ベルが控えている。才能を結集すれば、オアシスの名に恥じぬアルバムを15年ぶりに作れるかもしれない。

 ギャラガー兄弟が応援するマンチェスターCは、大規模な補強でビッグ4に迫りつつある。プレミアが群雄割拠の複数政党制なら、リーガはバルセロナとレアル・マドリードが覇を競う2大政党制といえるだろう。今季も試合を絞って、欧州サッカーの粋を楽しむことにする。

 この時季の注目といえば競馬で、関心の中心は2歳戦だ。POG指名馬22頭のうち8頭がデビューし、4頭が勝ち上がった。この週末が最初のヤマ場で、昨日の札幌2歳Sに出走したスペースアークは6着に終わった。同馬は心身ともに緩いところがあり、良化の余地は大きい。

 今日の新潟2歳Sではシンメイフジが前売り1番人気でレースに臨む。同馬を駆るのは、昨年の指名馬セイウンワンダーを不良馬場でVに導いた岩田である。セイウンは15巡、シンメイは16巡という下位指名で、〝馬主〟にとって孝行息子、娘たちだ。

 2歳から3歳春までのレースはクラシックに向けての勝ち抜き戦で、一戦ごとに馬たちの評価が変わる。札幌2歳Sのレース前まで2強を形成していたダノンパッション、ロードシップがそれぞれ4、9着に敗れたことで、現在のダービー候補NO・1はリルダヴァルだ。野路菊S(20日)で同馬に挑むのが18巡指名馬エイシンアポロンだ。この馬も俺にとって、〝残り物に福〟である。

 相馬眼を誇る調教師のアドバイスで良血馬を高額で購入しながら、期待を裏切られる馬主も多い。POGも同様で、雑誌やネット上で評判になった馬をピックアップしても、空振りに終わるケースが少なくない。フィジカルな仕上げだけでなく、サラブレッドにつきものの気性難の克服がスタッフにとって大仕事になる。馬の性格まではサークル外の人間にわからない。

 デビューが遅れそうだったり、ケガ情報が流れたりと不安を覚えるPOG指名馬も多いが、まずは今日のシンメイフジで景気付けといきたい。馬券は買っても少額になるだろう。この春以降、馬券をパスする週が増えた。理由はいずれ記すことにする。




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夢を紡ぐ日々の始まり~POGドラフトを終えて

2009-06-17 00:48:43 | 競馬
 大統領選の結果にイランが大揺れだ。敗北したムサビ候補(元首相)を支持する民衆が、アフマディネジャド大統領側による不正があったとして抗議行動を展開している。

 メディアが伝える<アフマディネジャド(反米派)=悪、ムサビ(改革派)=善>の構図に乗せられていたが、重信メイさんが「ニュースの深層」で〝別の側面〟を伝えていた。世論調査を実施した米リサーチ機関によると、選挙結果は民意の正しい反映だという。アメリカの利害に左右される〝ニュースの表層〟に踊ることなく、イランの今後を見守りたい。

 さて、本題。先日(14日)、ペーパーオーナーゲーム(POG)のドラフト会議に参加した。4時間弱の緊張をお好み焼き屋でほぐし、二次会では数年ぶりにカラオケを楽しんだ。俺はざっくばらんでスケベな暴言男だが、人見知りゆえ打ち解けるのに時間がかかる。魅力的な熟女たちの前で本性を曝け出さずに済んだのは幸いだった。

 前回はセイウンワンダーのおかげで4角までトップをキープしたが、直線で力尽き4位(12人中)に落ちた。セイウンを指名していなかったら確実にビリだったわけで、今回は気合が入っていた。とはいえ、受験勉強のように努力が報われるとは限らない。

 自称POG名人は数多いが、A=馬体チェックに優れた相馬眼、B=血統研究家、C=取材で情報を得るライターの3タイプに分類できる。それぞれの評価が正反対のケースも多く、馬を褒めるしかない関係者(牧場、共同馬主クラブ、調教師)の発言も信憑性に欠ける。結果として、自分の好みと勘で指名するしかなく、勝敗を決する最大の要素は運である。

 週5日働き、金にならないサイドビジネス(ブログ)もかなりの負担だ。省力化と効率を第一に準備を進めたが、ネックになったのは貧弱な記憶力だ。ある馬をなぜリストから外したのか数日後、すっかり失念している。今後は取捨の理由をパソコンに書き留めておくつもりだが、この〝決意〟も来年5月には忘れ去っているだろう。

 関東馬≧関西馬のルールに則り、東西11頭ずつ計22頭を指名した。牡牝は同数(追記=牡10、牝12でした)、距離適性、21厩舎(ダブリは国枝厩舎2頭のみ)、デビュー時期とバランスが取れており、自己採点は85点のドラフトだった。種牡馬別ではアグネスタキオン(5頭)、フジキセキ(3頭)などSS系(計13頭)に偏ってしまったが、トレンドを考えれば仕方ないと思う。

 コアな競馬ファン以外には記号でしかないが、10位までの指名馬を以下に。

①カドデュソレイユ(古賀慎=牡/アグネスタキオン)
②ヴィクトリーマーチ(大久保龍=牝/同)
③スペースアーク(堀=牡/スペシャルウィーク)
④クリスマスキャロル(石坂=牝/アグネスタキオン)
⑤メインカレント(粕谷=牡/フジキセキ)
⑥クラウドバスター(大根田=牡/タニノギムレット)
⑦グロッタアズーラ(二ノ宮=牝/フジキセキ)
⑧ネヴァーフェイド(藤岡=牝/ステイゴールド)
⑨オブザモーメント(国枝=牝/ネオユニヴァース)
⑩ニシノブーケトス(浅見=牝/スペシャルウィーク)

 グリーンチャンネルと過ごす週末がいよいよ始まる。今回の戦略は好位差しで、オークスとダービーに1頭ずつでいいから出走してほしい。年明けには夢が砕け、妄想に化している可能性も高いけど……。



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第76回日本ダービー~福永とセイウンは虹を掴めるか

2009-05-30 06:44:58 | 競馬
 欧州チャンピオンズリーグはバルセロナがマンチェスターUを下し、リーガ、国王杯に続く3冠を獲得した。俺はマンU有利とみていたが、サッカーの勝ち負けさえ当たらないのだから、競馬など的中できるはずもない。

 今回はダービーについて、予想を抜きに記したい。その心は「頑張れ、セイウンワンダー」である。

 昨年、日本最古(恐らく)のPOGに参加した。高レートであるにもかかわらず無手勝流で、良血馬と人気厩舎をことごとく外して指名する。大損害を被っても不思議はなかったが、15位(22頭中)で選択したセイウンワンダーが命綱になった。

 セイウンの注目度は極めて低かった。父グラスワンダーはGⅠで4勝を挙げたが、種牡馬として実績を残せず、社台から追われている。管理するのはPOGファンがノーマークの領家厩舎だ。朝日杯FSを制し、スクリーンヒーローとともに父の名を押し上げたセイウンだが、実績の割に評価はいまひとつだった。

 弥生賞でコケた後、主戦の岩田はアンライバルドを選ぶ。皐月賞では不利を克服して3着に入るも、内田は青葉賞馬アプレザンレーヴとのコンビを継続した。捨てられた形になったセイウンのため、領家師は武豊ら数人と接触したと報じられた。騎手、調教師として常に地味な存在だった領家師は、最後の夢を“馬と話せる男”福永洋一の息子祐一に託した。

 順風満帆だった福永だが、取り巻く状況はこの2年で大きく変化した。地方から移籍した岩田と内田にポスト武の座を瞬く間に奪われ、育ちのいいボンボンのイメージにも傷が付いた。

 07年の秋天皇賞のレース直後、コスモバルクを御せなかった五十嵐への暴言が表に出て、福永はファンの顰蹙を買った。「武豊TV!~新年SP」(08年1月)における岩田の衝撃発言「年下の生え抜きに陰湿な嫌がらせを受けた」で、いじめた側としてネット上で名指しされたのは福永だった。昨年春、競馬雑誌で岩田と対談し、騒動は終息したが、岩田⇒内田を経て乗り馬が回ってくる現実に、エリートとしてのプライドを刺激されているに違いない。

 競馬とは<馬主=生産者=調教師=騎手>が形成する冷徹なマネーゲームだが、一頭のサラブレッドの背景には、セイウンワンダーに限らず湿っぽい人間ドラマがある。POGに参加したことでレースを構成する情念の欠片になれたのは幸いだった。

 崖っぷちパワーを凝縮したセイウンワンダーの大爆発を願うが、思い通り運ばなくとも、負け慣れている俺はショックを感じないはずだ。2週間後に迫ったドラフトで“第二のセイウンワンダー”を指名すればいいのだから。
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母から娘に受け継がれるもの~オークスを前に考えたこと

2009-05-24 02:35:50 | 競馬
 関東でも新型インフルエンザが蔓延しそうな気配だ。マスクは入手可能で、お米まで品薄になった神戸ほどの緊迫感はないが、今後のことはわからない。

 高野山決戦を郷田9段が制し、名人戦は2勝2敗の五分になった。4五桂というファンを喜ばせる手を機に棋勢が傾いたが、「羽生名人がどこで間違えたかわからない」とプロ棋士が口を揃える難解な将棋だった。

 さて、本題。今回はオークスの予想だが、これといった穴馬が見つからなかった。回りくどく記すつもりでいる。

 クラシック戦線で幅を利かすのが血統だ。<父が……だから距離は大丈夫>なんて眉唾で、熱心な競馬ファンは母系の方が重要と考えている。対象が馬のうちは角が立たないが、子供がグレたり、成績がいまひとつだったりすると、議論は教育から逸れ、夫婦で血統論を闘わせる羽目になる。

母「あんたの親類、ロクな人いないじゃない」
父「おまえの方こそ、2人の兄貴、地元で評判のゴンタだったろ」
母「今じゃ2人とも、あんたより羽振りがいいわ」
父「俺は頭で勝負する家系の出だ」
母「いい大学出たって、50前にリストラされるようじゃ」
父「……」
 
 競馬もまあ、似たり寄ったりである。

 無駄に半世紀を生きた俺だが、とてつもなく優秀な女性2人と親しくなれたのは幸いだった。アラフィフのAさん、アラフォーのBさんで、ともに高卒だ。俺が学歴に重きを置かないのも彼女たちと出会ったからである。

 Aさんは音楽、映画、芝居、文学の本質をたちまちキャッチする能力の持ち主で、俺が生半可に文化を語るのも彼女の影響大である。Bさんは美的センス抜群だが、芸術肌というより論理力と記憶力に優れていた。議論で圧倒され、ゲーム(花札やトランプなど)で完敗し、唯一の得意分野である大食いまでBさんの足元にも及ばなかった。

 Bさんは独身だが、Aさんは居酒屋を経営するシングルマザーだ。時々足を運んで旧交を温めるが、娘さん(次女)と店で話す機会があり、血統の意味を思い知らされた。波瀾万丈に至るまで母の資質を受け継ぎ、18歳にしてどこか醒めている。とりわけ文才に秀でており、周囲は作家デビューを期待している。志があれば道は開けるはずだ。
 
 オークス出馬表の母の欄には、Aさん、Bさんのような才女が勢揃いしている。生産者が考え抜いた末の配合の成功例だが、思い通りに進まないのは人間と変わらない。結果を出せない良血馬は、栄えある18頭の数十倍にも上るだろう。

 俺がピックアップしたのは⑦ブエナビスタ、③レッドディザイア、⑰デリキットピース、⑮ハシッテホシーノで、⑰と⑮からの馬連と上記4頭ボックスの3連単を買う。オークスは極めて平凡な結論だが、配当的妙味は東海Sだ。前売り9番人気の⑧エスケーカントリー、同11番人気の③ヤマニンリュパンを軸に高配当を狙う。

 来週はマンチェスターUとバルセロナが雌雄を決するチャンピオンズリーグ決勝、ダービーと胸躍るイベントが続く。



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フェブラリーSとPOG~競馬から抜けられない日々

2009-02-22 00:04:21 | 競馬
 先日、「ベンジャミン・バトン」を見た。老人として生まれ、赤ん坊として死ぬ男の逆回転の生涯を、史実をストーリーに嵌め込む手法(「フォレスト・ガンプ」と同じ脚本家)で描いている。崇高な愛と人間の絆を謳う作品は、アカデミー賞で13部門にノミネートされている。いくつオスカーを獲得するのだろうか。

 さて、本題……。今回は久しぶりに競馬をメーンに記したい。まずは今年最初のGⅠ、フェブラリーSの予想だ。カネヒキリ、ヴァーミリアン、カジノドライヴの3強対決といわれるが、波乱の可能性も小さくない。

 ヴァーミリアンは肩の出が悪く、急きょ木曜追いに変更となった。奇跡の復活を遂げたカネヒキリだが、3連続GⅠ勝ちの疲労残りなのか、ヴァーミリアン同様、追い切りの動きは良くなかった。カジノドライヴは前走の馬体減(-22㌔)が心配で、臨戦過程に不安がある。

 地力がものをいうダート重賞だが、世代交代に期待して4歳馬エスポワールシチーを軸に据える。決め打ちタイプの鞍上(佐藤哲)のけれんみない逃げに期待したい。相手にはフェラーリピザを選んだ。十分な調教を積まずに臨んだ前走(根岸S)は、力の違いでしのぎ切った。

 結論。◎⑫エスポワールシチー、○⑯フェラーリピザ、▲②カネヒキリ、△⑨ヴァーミリアン、注⑭カジノドライヴ。馬連とワイドは⑫⑯、3連単は⑫1頭軸で<⑫・⑯・②><⑫・⑯・②・⑨><⑫・⑯・②・⑨・⑭>の19点。

 俺にとってGⅠ以上にハラハラドキドキなのが、POG指名馬が走るレースだ。結果には愕然とするばかりで、2勝以上を挙げた持ち馬は22頭のうちセイウンワンダーだけだ。同馬は今や俺の命綱だが、15位指名で他のメンバーも全くのノーマークだった。そんな馬が朝日杯を勝つのだから、競馬はわからない。

 昨年秋の時点で高評価を受けていたプロスアンドコンズ、ダイワバーガンディ、フォーレイカー、プレザントブリーズはその後さっぱりで、クラシック戦線に乗れそうもない。満を持してデビューしたアドマイヤメジャーも期待外れだった。ケガで離脱したり、後方でゴールしたりする“出来の悪い子たち”に、人生のレースで喘ぐ我が身が重なってしまう。

 ダービーやオークスを狙って指名したハクナマタタ、プライドマウンテン、ブレシドレインはデビューの見通しさえ立っていないが、吉報はバンガロールの復活だ。調教捜査官こと井内利彰さんは自身のブログで、最近の動きに太鼓判を押している。来週500万下で2勝目を挙げれば、NHKマイルに向け展望が一気に開けるだろう。

 つわものが集い、レートも高いPOGだが、1月最終週まではトップだった。現在は滑り落ちているが、初参加なら上々の結果だろう。初年度は<騒がれていない良血>を選んだが、次回からは厩舎や騎手も考慮して指名馬を決めるつもりだ。




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POGで親バカの気分になる

2008-08-03 12:36:18 | 競馬
 一昨日、突然インターネットが繋がらなくなった。先ほど届いた新品のモデムに取り替え、半日遅れで更新している。

 赤塚不二夫さんが亡くなった。俺は「おそ松くん」と「天才バカボン」で育った、お粗末でお馬鹿な中年男である。狂気と正気の狭間をスイスイ泳いだギャグの先駆者の冥福を祈りたい。

 俺にとって真夏の宴は、甲子園でも北京オリンピックでもない。12年ぶりのPOG(ペーパーオーナーゲーム)参加で、夏競馬を満喫している。POGとは仮装馬主としてサラブレッド(2歳馬)を所有し、獲得賞金をそれぞれのルールに則ってやり取りするゲームだ。

 テレビ番組、雑誌、スポーツ紙、HPが参加者を募集するなど、POGは多くの競馬ファンに親しまれている。俺は33年前にスタートした由緒ある(日本最古?)のPOGの一員になった。当然、目利きが揃っている。正攻法では太刀打ちできそうもないから、自己流の縛りを設定して22頭を選択した。

 <縛り①>=遅生まれ(5月以降)の馬はなるべく避ける
 <縛り②>=シンボリクリスエス、キングカメハメハの仔は無視する
 <縛り③>=父系、母系のいずれか、もしくは両方にサンデーサイレンス、トニービン、ブライアンズタイムの血を受け継いでいる
 <縛り④>=名牝の仔、活躍馬の弟妹はパスする
 <縛り⑤>=藤沢、松田国、松田博、角居など人気厩舎の管理馬は外す

 4頭が早々に勝ち上がるなど出足は順調だったが、ビギナーズラックは続かない。“親”の歪んだ性格と悪運が、“子供たち”に影を落とし始める。5本脚(馬っ気)で走ったり、返し馬で騎手を振り落としたり、スタート直後カニになったり……。気性難の馬が勢ぞろいしている。

 1位指名のプロスアンドコンズも流れが悪い。出遅れで新馬戦を勝てず、馬房の関係で新潟の未勝利戦を除外されてしまう。暑い時期に無理使いしない方が長い目でプラスと、自分を慰めている。

 POGの魅力の一つは、親バカの気分を味わえることだ。もちろん、他のメンバーの指名馬が走る時は「負けろ! 負けろ!」と心に念じている。終わりのない週末のハラハラドキドキに、繊細な俺は耐えられるだろうか。



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