まだ青いどんぐりが、枝葉つきのまま、いくつも道に落ちている。
毎年いまごろ、このような状態で見かけるけれど、なぜだろう。
台風のあと、というならわかるけれど、強い風も吹かないのに、
枝先が自然にこんなふうにぽっきり折れるものだろうか。
(切り口は、ちぎれたようではなく、刃物で切ったような断面)
それとも、何か生き物のしわざだろうか。
このあたりの木の上のほうに、ときどきカラスがとまっている。
もしかして、カラスが落として遊んでいるの??
・・ということを先日書いてUPしましたら、某出版社の方が
「ウチで出した本に載ってます!」と本ごと送ってくださり、
正体がわかりましたので、ここにまとめておきます。
カラスのいたずらではなくて、なんと、なぁんと、
(謎は自力で解きたいっ!という方はこの先読まないでね)
1センチに満たない小さな虫の仕業らしいのです。
その名は、ハイイロチョッキリ。
どんぐりがまだ柔らかいうちに穴をあけて卵をうみつけ、
それを枝ごと切って地面に落とす。
幼虫はどんぐりの内側で実を食べて育ち、
大きくなると殻から出てきて、土の中で冬を越し、春に成虫になる。
つまり、どんぐりは、お弁当つきのゆりかご、というわけ。
「どんぐりは食べてないし・・」と、そこが不思議だったのですが、
これから食べる予定、だったのね。
じゃあ、落ちているどんぐりには穴があるんだ。見てみよう。
と、探しに行きましたが、これがもう全然見あたらず。
産卵の時期が過ぎてしまったのかも。
舗装した道の上に、新しい状態で落ちていれば目立つけれど、
草むらなどで、日にちがたってから見つけるのは至難のワザ・・。
葉をくるくる巻いて落とすオトシブミは知っていましたが、
チョッキリさんは知らなかった!
わたしは昆虫全般あんまり得意ではありませんが、
(昆虫図鑑はコワイのでめくることができない・・)
こうした適応進化の多様性には、感心します。
だけど・・どうして、「枝ごと」切り落とすの?
どんぐり1個ずつのほうが、柄も細いし、らくではないかしら。
いくつかついている実それぞれに卵を産んで、
まとめて落とせば手間が一度ですむ・・ということ?
それとも、葉っぱが何か役に立つのかな。
落ちた実をおおって鳥や動物にみつかりにくくする、とか、
パラシュートになって落下のダメージをやわらげる、とか?
(ほらぁ、あらたな謎がふえちゃいましたよ、燿子さん・・笑)