閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

絵本のつくりかた・その6

2006-08-31 08:28:48 | 絵本のつくりかた

(複数の企画が少しずつずれて同時進行してますので、
話があっちこっちに飛びますが…)

まずは、ベニヤ板の絵。
無事に出版社にお渡しすることができました。
(さすがに重くて、駅からタクシーで直行しちゃったとか)
絵は、絵だけです。ネームの入るスペースは、
およその見当で白地または薄めの色であけてあります。
文字の書体や大きさなどは、これから決まっていくわけ。
木目がどんなふうに出るか、まずは2場面ほど試し刷りを
してもらうことになりました。
このまま順調にいけば、刊行は11月ごろになりそうです。

「その2」で書いた「サンドイッチの絵本」は、いまだ進展なし。
そのあいだに別のところで第3のダミーにGOサインが出ました。
乗り物絵本のシリーズで、こんどの主役は「パトカー」です。

乗り物絵本は、2歳くらいからの小さい読者さんが多いとか。
つまり、おとなの人が読んであげる、ということですね。
お気に入りの絵本って、うちでもそうでしたが、何度も何度も
くりかえし読まされるので、文章が長いと、ほとほと疲れます。
かといって、いいかげんにとばして読もうとすると、
子どもはすでに丸暗記してて、納得してくれなかったり…。

わたしは声優さんでも紙芝居屋さんでもないし、
だいたい喉も弱いし肺活量もないので、読み聞かせって
得意じゃありません。だから、原則として
「自分でらくに読めるような文章」しか書きません。
理想は、ネーム少なめ。センテンス短め。長ぜりふもなし。
くたっと寝そべったまま読める省エネモード。
それでもなお、耳にカッコよく響く文章なら、いうことなし。
(…そういうふうに、できているかなあ?)

今回は「パトカーは、どこが、なぜカッコいいか」について、
いろいろ研究をしたので、小論文が書けそうなほど。
それと、刑事アクションものがけっこう好きなもんですから、
レインボーブリッジ(?)を舞台に派手なカーチェイスも
予定しています。どうぞおたのしみに。
(って、また絵を描く人がたいへんなので…)

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ねずみ泥棒

2006-08-30 08:39:58 | 日々

TVのニュースでアナウンサーが
「昔ながらの宇宙人の効果が」と言っていました。
…宇宙人?
画面を見ると、ひしゃくで水をまく浴衣姿の子どもたち。
「昔ながらの打ち水」の話題でありました。

道端の売店に「野菜苗あります」という手書き看板。
「野良猫あります、って読んじゃったよ」とM。
うーん、たしかに最初と最後は同じだけども。

それはわたしもよくあります。
猫好きには、いろんな字が「猫」に見えてしまうのです。
にぎり寿司のパックのラベルに「にぎり・猫」って書いてある。
よくよく見たら「にぎり・福」でした。老眼かしら。

合宿の荷造りをしていたKに風呂敷を貸しました。
最後にその風呂敷包みだけがバッグに入りません。
「じゃあ、風呂敷は首に結んで行けば」
「やだよ、それじゃ、ねずみ泥棒じゃん」
「……?」
「あー、ちがった、ねずみ小僧!」
ほっかむりの猫が、ねずみをつめこんだ風呂敷をしょって
瓦屋根の上をほいほいと逃げていく図が浮かび、
しばらく笑いがとまらない。
ねずみ泥棒、猫吉参上。
風呂敷の柄は、もちろん、にゃんこの足跡模様で。

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きのこ御飯

2006-08-29 08:33:28 | 日々

Kは夏休み最後のイベント、2泊3日の合宿。
「今夜はきのこ御飯にする」とわたしは宣言します。
「へいへい、きのこでもバケネコでもお好きにどーぞ」
そう言って、大荷物をかついで出かけて行きました。

小さいときは好き嫌いのない子だったのですが、
いつのまにか、きのこだけが苦手になってしまいました。
中華のきくらげ以外、全部ダメなんだそうです。
学校の調理実習でみんなにバレて、バレンタインデーには
「きのこチョコあげようか」といじめられてたみたい。

わたしは、きのこ、大好き。いつもひとりで食べています。
でも炊き込み御飯は、嫌いな人がいると作りにくいんだな。
というわけで、留守をねらっての、きのこ御飯。
しめじ、まいたけ、エリンギなどの詰め合わせパックを
買ってきて、にんじんと鶏肉も入れて。

合宿所は、賄いがないので、朝晩とも仕出し弁当で、
昼は各自コンビニで調達するんだとか。
でも、きっとそれも楽しいことでしょう。

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小鳥たち

2006-08-28 08:31:07 | 日々

庭の山桜の葉っぱがちらちらと散りはじめています。
いつもこんなに早く散ってたっけ?って
毎年そう思っているような気がする。
このあいだ舗装したばかりの小道が木の葉模様です。

葉っぱが減ったら小鳥の姿が目につくようになりました。
にぎやかな声がするので窓の外を見たら、
山桜の木いっぱいに、鈴なりに、小鳥の群れがきていました。
エナガ、メジロ、シジュウカラやコゲラも混じっているかな。
全部で50羽か、60羽か、もっとかな。
おしゃべりしながら、いっときもじっとしていません。
小枝から小枝にとんだり、くるくると逆さまになったり。
まるで遠足に来た子どもたちみたいです。

栗の木から、ぱらぱら飛んで、かえでの木へ、桜の木へ。
小川を越えて、山の斜面のコナラの木へ。
ああして短い距離を飛ぶなら、わたしにもできそう。
ほんの数分で、みんな山の向こうへ行ってしまいました。

この春から夏にうまれたヒナたちも大きくなって、
まだ少し色が薄かったり羽が短かめだったりするけれど、
しっかりおとなの群れに混じってついていきます。
でも群れのぜんぶが冬を生きのびて、
桜の花が咲くのを見られるとはかぎりません。
野鳥の寿命は、平均すると1年にも満たないそうです。
「とるなよ」と、足元で見ている猫に、小声で言いました。

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冥王星

2006-08-27 08:08:36 | 日々

…太陽系の惑星からはずされてしまった。
見たことないけれど、なんだか、かわいそうな気がする。
惑星は地球をいれて8個になりました。
そういえば、あの絵本ではどうなっていたんだっけ?
と、古い古い「こどものとも」をひっぱりだしてきました。
『うちゅうの7にんきょうだい』(三好碩也/福音館書店)です。

末っ子のルーナが地球にやってきて月になる、というのは
はっきり覚えていたのですが、あれ? 月は「惑星」じゃないし…
そうすると、あとの6人の兄さん姉さんたちって…?

ひさしぶりに読み返してみて、ああそうか!と思いました。
ネレイド、オベロン、レア、ガニメデ、フォボス、ダイモス、ルーナ。
この子たちは、それぞれの惑星の「衛星」だったのですね。
そして、立ち寄る惑星のほうには看板が立っていて、
ネプチュノス、ウラノス、サツールヌス、という具合に
名前は書いてあるんですけど、サツールヌス=土星だなんて、
わかんないですよ、ふつうは。

ネプチュノス(海王星)は氷砂糖でできた真白な星。
食いしん坊のネレイドねえさんは、ここから動きません。
ウラノス(天王星)では先客が4人眠っています。
ねぼすけのオベロンにいさんは、喜んで、ごろり。

…というふうに、太陽にむかって旅をするきょうだいは、
だんだん減っていき、最後は泣き虫ルーナひとりになります。

さて、冥王星。
7人きょうだいは太陽系の外側からやってくるので
いちばんに出会うはずですが…

  7にん そろって、ずんずん いってみたら、
  ぽつんと ちいさな ほしが ありました。
  かまわずに、また ずんずん いったら、

あらまあ、素通りされていた。
「プルートー」と字のある青い500円玉くらいの星が
ページの左隅にちょこっと描かれているだけでした。
  
絵は暗いし、字は小さすぎて読みにくいし、いまの時代なら、
幼児向きにこんな絵本は誰も作らないでしょう。
でも、わたし、好きだったな。
すごい絵本だと思います。今でも大好き。

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「もしもし」英語版

2006-08-26 08:08:02 | お知らせ(海外版)

絵本『もしもし』(高畠純・絵/偕成社)のアメリカ版ができました。
タイトルは、そのまんま『Hello Hello』。
カリフォルニアにあるKane/Millerという児童書の出版社です。
ひとまわり小さいペーパーバック版で、とても可愛い。
ネームがぜんぶ手書き文字になっているのです。
(高畠さんの絵って、世界中のどんな言語とあわせても
ぜんぜん違和感がないんですよね)
ほおー、英語にするとこうなるのか…って、面白いです。
アメリカでは消防も警察も同じ「911」なんだねー、とか。

この絵本、日本版は2000年に出版されましたが、
じつは文章を書いたのは1995年ごろでした。
あれやこれやで時間がかかっているうちに、
携帯電話があっと驚く普及をとげ、一般電話もコードレスが
あたりまえになり、公衆電話に並ぶなんて光景は
はるか過去のものとなってしまいました。
でもまあ、宇宙から直通で電話がかかってくる時代は
まだまだ「未来」のことらしいですから…。

 

 

もしもし…
竹下文子 文
高畠 純 絵
偕成社

 

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おるすばん

2006-08-25 08:08:35 | 日々

Mが留守なので、犬と散歩に行きました。
猫の話ばっかり書いていますが、じつは犬もいます。
ただし、家の中は猫でいっぱいなので、犬は外飼いです。
3匹いたときもあったし、犬2匹+山羊という大変な時期も
ありましたが、いまは雑種犬1匹だけになりました。

拾ったときは成犬になりきっていなかったけど、
もう9歳ぐらいかな。
いつも散歩に行ったりごはんをあげたりするのはMです。
当然、犬はMが「ご主人」だと思っています。
わたしのことは「臨時雇いのお手伝い」としか認識していない。
わたしの言うことなどまったくきこうとしません。
Mの車が行った道のほうばかり見ています。

いえ、べつに言うことをきいてほしいわけじゃなくて。
犬と散歩に行くと、わたしは木や空や鳥を見ていて、
犬は根っこや地面ばかり見ていて、会話が成り立たない。
リードなしで、お互い自由にしていられれば理想的だけど、
この犬は、つながないでほうっておくと風船みたいに
どこかへ行ってしまって帰ってこない。
朝夕2回、決まった時間に決まったコースで、
暑くても寒くても晴れでも雨でも出かけるなんて
そんなの、お散歩っていわないよ…と思うわたしは
とびきりのナマケモノで、犬と暮すには向いてないんだろうな。

ときどき犬は「ぽおお、ぽおお」と遠吠えをします。
ずっと一緒にいたもう1匹が6月に死んじゃって、寂しいみたい。
ごめんよう、ポケちゃん。
ご主人様はもうすぐその道を帰ってくるからね。

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ティータイム

2006-08-24 08:46:50 | 日々

小さいうすい板チョコをかじってから
ミントティー(無糖)を飲む。
おいしーい。

コーヒーのときは、チョコのかわりに、
喜界島の黒糖をひとかけら。
褐色で硬めの板状のが好き。

焼き菓子では重すぎるけど、ちょっと甘いものが欲しい
というとき、こういうおやつをいただきます。

失敗したこと。
アールグレイのティーバッグを、うっかりして
ミントティーと一緒の容器にしまっておいたら、
不思議なミント・グレイのブレンドになってしまいました。
あきらかに伯爵のほうが負けてるなあ。
これはこれで面白いといえば面白い。

「美しい星、美しい星」って、つくつくぼうしが鳴いています。
ときどき「おかしいよねー、おかしいよねー」とも聞こえます。

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文房具の話・つづき

2006-08-23 08:54:21 | 日々

もう原稿は短いものでも手で書かなくなりました。
もともと自分の書く字にひどくコンプレックスがあって、
早くちゃんとした活字にしてほしいと、そればかり思ってましたから。
書き方も下手だった。どんなペンでもきつく握ってしまうので、
長時間書けないし、指は痛いし、肩はこるし。

キーボードとは初めから相性がよくて、まったく肩がこりません。
タッチタイピングというのはぜんぜんできないけど、
どうせ考えながら打つんだから、ゆっくりでいいのです。
書いたり消したりをどんなに繰り返してもぐちゃぐちゃにならない。
くだらないことを書いてもきれいな文字で並んでいきます。
なんて便利なんだろう。

わたしはどうもパソコンを使いそうな人に見えないらしくて
「鉛筆を持って頬づえをついているイメージ」とか言われます。
「たんぽぽでも食べていそう」とかね。
「台所ではかっぽう着式のエプロンをしている」とか。
えーと、すみません、それはぜんぶ違うんですけども…。
手紙だけは、いまも、こまめに手で書いています。

ペン立て代わりのブルガリア産ピクルスの空きびんに
いつも入ってるのは、PIGMAという耐水性の水性ペンです。
これで書くといちばん字がましに見えます。
つるつるした絵葉書にも書きやすいし、雨でも滲まない。
(これの0.5と0.3と0.1を、Mはお仕事用に使っています。
サンゴロウとドルフィンのイラストを描いてくれたのはその3本。
だからって、わたしが持っても、絵は描けませんが)

キョーセラのセラミックローラーというのも、ときどき使います。
これは字がへらへらしてしまうんだけど不思議と疲れないので。
あとは、宛名書き専用の極細マジックとか、
アンダーライン用でたまに音符も書く2B鉛筆とか、
校正用の赤ボールペンがどうして4本もあるんだろう?とか、
キラキラするBallsignは大好きな版画家さんがサイン用に
使ってらしたので真似して買ってしまったんだっけ、とか…

ああ、こうやって書いていると、シンプルな暮らしには程遠い。
余分な物を持たないサンゴロウさんは永遠のあこがれ。

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コンクリートミキサー車

2006-08-22 08:43:16 | 日々

…朝8時にやってきました。
家のまわりの小道の舗装工事です。
以前から水はけに問題があったのと、プロパンのボンベの
交換が石ころ道では不便なのと、その他いろいろの理由で、
通路の一部だけコンクリで固めるということになりました。
長梅雨やら台風やらで、ずうっと延期になっていたのです。

ミキサー車が、どろどろのコンクリを、手押し車1台分ずつ
ドドドドドッ、と出してくれます。それを人力で運んでいって、
素早く平らにならします。固まらないうちに、大急ぎ。
そのあと左官屋さん用の大きなコテでぺたぺたします。
ミキサー車2杯分、約2立方メートル、3時間ほどで終了。

Kは夏休み中わずかしかない貴重なオフの日に早起きで
手伝わされたので、最初はものすごォく不機嫌でしたが、
がんばって最後までやってくれました。お疲れさま。

コンクリといえば…猫の足跡。
ええ、もちろん、やってくれましたとも。
ミキサー車がいる間はびくびくしていたのですが、
車がコンクリの「おかわり」をとりに帰ったすきに
そろりそろりと外へ。好奇心猫の真鈴です。
「こらこら、そこ踏むなっ!」とおこられたとたん、
ダッシュで端から端まで駆け抜けてしまいました。
あーあー。みごとに並んだ足跡スタンプ。
せっかくだから、ふたつみっつ記念にとっておきましょう。
いかにもうちらしいコンクリ道のできあがり。

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