閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

テールの名前について

2024-02-24 13:31:39 | Q&A

いるかさんからのご質問。

◆「テール」って英語で書こうとして、はたしてどんなスペル?と疑問に思いました。
ずっとフランス語で terre 大地や地球だと思っていたのですが。
英語の tail =しっぽって意味じゃないよなぁ~(長髪なので)とか。

うーん、しっぽ…ではないでしょうね。フェアリーテールの tale でもないと思います。
フランス語の Terre は、わりといい感じではありますが、海が舞台のシリーズにあえて土っぽい名前をもってくるというのも、いまひとつしっくりこない。わたしは r の発音がうまくできないし(笑)

新装版にするとき、カバーデザインの候補の中に、シリーズ名を英文字で入れた案がありました。デザインとしてはきれいだったのですが、作者自身、どう綴るのが正しいのかよくわからなかったため、文字はなしでお願いしたのでした。
英文字の綴りが不明だと、海外の人に説明するとき不便かもしれないですね。書くときはそんなことまで考えなかったけれど。

ためしに辞書ツールで調べてみたら、エストニア語の Teel (テール)が「途上」という意味だそうで、なんとなくテール君っぽいから、それでいこうかな。
英語読みでは「ティール」になって、teal =鴨とまぎらわしいけど、まあいいでしょう。

前にどこかに書いた気がしますが、テールという名前は、わたしが考えたのではありません。
当時小学生だった息子が、架空の猫の野球チームを作って、選手のプロフィールやデータをこまごまと絵入りで書いて遊んでおり、その中から「これ貸してね」と言って借りてきたのが、テールと、ヨク。
テールの首筋の毛が長い設定も、そうなっていたから。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イルカ号について

2024-02-07 16:44:13 | Q&A

お久しぶりのQ&Aです。
サンゴロウシリーズについて、「灯台守ではない、かい」君(5年生)から質問いただきました。

◆『青いジョーカー』で、イカマルのイルカ号は操縦不能になってしまいましたが、修理できたのでしょうか。また、イカマルは、その後自分の船を持つことができたのでしょうか。教えてください。

「修理代は、いくらかかってもいいんだ。おれがはらう」
って、親分も言ってくれたので、ちゃんと修理はできたと思いますよ。安全な近距離用の船としてね。
でも、イカマルの夢は、「長旅のできる船で親分についていくこと」なんだから、あきらめずに、がんばれイカマル。

なにごともあきらめやすく、「がんばる」ということにまったく向いていない作者は、こういうまっすぐな子を書くとすごく気持ちが良いのです。イカマル、かわいいよね。
と言いつつ、何度もひどい目にあわせてごめん。
おわびの意味で、『ドルフィン・エクスプレス』にもちらっと登場してもらっています。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小倉さんと大井さんについて

2023-06-01 22:17:03 | Q&A

2歳坊やのお父さんからご質問をいただきました。

*『いそげ!きゅうきゅうしゃ』31ページの親子と、『はしれ!たくはいびん』30・31ページの親子は同一なのでしょうか? よく似ていて気になっています。

(これは閑猫堂へのご質問ではなく、出版社に寄せられた愛読者カードに書かれていたものです。ときどき編集者さんからまとめてコピーがどっさり送られてくるのですが、個人情報の部分は含まれていないので、直接お返事ができず…すみません。同じ疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思うので、ここに書いておきます)

さて、『いそげ!きゅうきゅうしゃ』の31ページというのは、

これですね。
入院しているおじいちゃんのお見舞いに来たところ。

そして、『はしれ!たくはいびん』の30・31ページは、


おじいちゃんの畑でとれたりんごが宅配便で届いたところ。

あ、そうですね。お父さん、お母さん、男の子、女の子。どう見ても同じ家族。

ですが…ここからが、ちょっとややこしいんだな。
入院しているおじいちゃんの家は、

これ。
おばあちゃんが119番に電話して、ここから救急搬送されたのね。
玄関横の表札には「大井」とあります。

で、りんごのおじいちゃんの家は、

これ。
うしろにりんごの木があって、門柱には「小倉」と。

この2軒の家、くらべて見ると、すごく似てるでしょう。
門の有無とか、こまかい相違はあるけれど。
そして、小倉さんちのおじいちゃんとおばあちゃんは、

こんな感じ。

じつは『たくはいびん』から『きゅうきゅうしゃ』まで12年あいており、その間に同じシリーズで6冊の乗り物絵本を描いています。
メインのストーリーとは別に、あっちの車がこっちにも出てくる、こっちの人があっちにも…という仕掛けが、このシリーズの特徴なのですが、これは文章担当の仕事ではなくて、すべて「絵を描く人」におまかせです。
描く人の頭ん中にはこまかい設定があるらしいのですが、そのときの気分でなんとなく描いちゃうこともあるので、いつどこに何を描いたか、なぜ描いたか、ということが、巻を重ねるうちに、次第にごちゃごちゃになってきましてね…。

『きゅうきゅうしゃ』で搬送される役は、途中まではりんごの「小倉さん」の予定だったんだけど、そうするとここはりんごのとれる北国の町になり、家の周囲の風景も『たくはいびん』と一致させなければならず、他の場面とうまく合わない点が出てきたため、やっぱり別人にしようと、「大井さん」に変更した。
ということだったのではないかしら。
うーん、よくおぼえてないけれど。
その結果として、「小倉さんと大井さんが結婚して男の子と女の子が生まれた」という家族設定になってしまったわけ。
テキトーな作者ですみません。でも、こまかいところまで気にとめていただいて、ほんとにありがとうございます。

<おまけ・その1>
りんごのおじいちゃんが「小倉さん」なのは、取材させてもらった運送会社の創業者にちなんで、だそうです。こたつにクロネコもいるし(笑)。
救急搬送のおじいちゃんが「大井さん」なのは、「おーい、助けてくれー」の「おーい」だって、描いた人が申しております。ほんとかなあ。

 

<おまけ・その2>

同じく偕成社の『ティラノサウルスのはらぺこないちにち』(左)と『トリケラトプスのなんでもないいちにち』(右)の裏表紙。
博物館で恐竜の骨格標本を見ている、この親子も、もしかしたら同じかも。髪型がちょっと違うけど。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

切符の色について

2023-01-20 14:43:05 | Q&A

久々にQ&A。絢さんからのご質問です。

黒ねこサンゴロウを読み返した所、1巻『旅のはじまり』の21ページでサンゴロウの切符の色が違うシーンがありました。
ケンの切符はきみどり色で、サンゴロウの切符はうすむらさき色でした。
ケンが聞きそびれたので、代わりに教えてください!


ああ、そういえば、そうでした。
この「切符の色の違い」は、なにか意味があるような、ないような感じで、伏線にしてはあと全然出てこないので、わたしもなんとなく気になっていたのです。
この作者がいかに無計画に書いているかがわかる良い例ですね。
えーと、これはサンゴロウ本人に聞くしかないけれど、きっと忘れているでしょう。
買ったところが違うからではないかと、わたしは思いますが、絢さんはどうですか?

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に、同じ列車に乗ったジョバンニとカムパネルラの切符が違うことが書かれていて、そんなのがぼんやり頭のすみにあったのかもしれないなあ。いま思えば。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

漢字ドリルについて

2021-05-16 11:04:17 | Q&A

コウさんからご質問いただきました。

小学生のころに出会って以来ずっとずっとサンゴロウが大好きです。
最近サンゴロウやおてつだいねこを読み返していてふと思い出したのですが、挿絵を描かれている鈴木まもる先生は、もしかして昔漢字ドリルの挿絵も描いていたりしないでしょうか。
記憶に微かに残る優しい絵のタッチが挿絵に描かれる登場人物たちと重なってどうしても気になってしまい……

わあ~、素晴らしい記憶力ですね。
たしかに、むかしむかし「あかねこ漢字スキル」っていう小学校用教材のイラストを頼まれて描いたことがあるそうです。
(わたしはなんとなく見た覚えがあり、本人は記憶がなかったけど、半日くらいして「そういえば描いたね」と)

この会社のドリルは、どういうわけか伝統的に猫のキャラクターと決まっていて、たぶん今でも代替わりして続いていると思いますが…。
日常的に子どもの目にふれるものは、良くも悪くも、柔らかい脳にしみこんであとあとまで残るのだから、小さなカットひとつでも決してオロソカにしてはいけないということですね。
コウさん、ありがとうございました。

(ドリルの見本が残ってないかと探してもらったけど、見つからないようで、もし出てきたらここに画像を貼っておきます)


…と書いた3日後に、おなじくサンゴロウファンの光(ひかり)さんからメッセージいただきました。

私もその漢字ドリルのことを覚えています。
そのドリルのイラストを一目見た瞬間に鈴木まもる先生の絵だと確信し、教室で静かに大興奮していたことを昨日のことのように覚えています。
残念ながら「あかねこ漢字スキル」そのものは残っておらず、かろうじて表紙のイラスト部分のみを切り抜いてファイリングしたものが3点、その教材についていたシールの一部も取ってありましたので、当時のままのものを写真でお送りします。

ということで、なんとなんと、小学生時代のドリルの表紙を、おかあさんになられた現在まで大切にしていてくださったとは! 物持ちの良いことで有名な閑猫もびっくりです。
光さん、ありがとうございます。数年後には、ぜひお子さんたちと一緒に、サンゴロウの世界を楽しんでいただけますように。

では、お言葉に甘えて、その画像を。

 

 

 

最後のが付録のシール。
教材のキャラクターという性格上、輪郭くっきり、色は濃い目にとか、いろいろ注文が多かったのではないかしら。

この絵柄からサンゴロウを連想するのはかなり難易度高いと思いますが…

このへんとか…

 

このあたりとかは…

 

同じだよねえ。

 

Q&Aについて

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マカダムローラーについて

2020-06-09 14:30:28 | Q&A

出版社経由でお問合せをいただきました。

絵本「みんなで!どうろこうじ」で、最初にマカダムローラーが出てくるときと、2回目に出てくるときでは、乗っている場所が変わるのはなぜですか?
よく見るとハンドルも2つですが、息子に質問されても答えられず…。

わあ、マニアックなご質問が来ましたね~。2歳の坊やも、よく見てるなあ。

マカダムローラーというのは、いわゆる「ロードローラー」の一種です。道路に敷き詰めた砕石を押し固めるのがお仕事。
この見るからに重そうな鉄の車輪が2つ+1つの三輪車タイプがマカダム式、前後に1つずつのがタンデム式、というのだそうです。
タイヤがついたのはタイヤローラーといって、マカダム君のあとに仕上げを担当します。片方が鉄、片方がタイヤだったら、コンバインドローラー。

さて、マカダム君が「最初に出てくるとき」というのは、14-15ページの…

ここ。
そして、「2回目」は、26-27ページの…

 

ここ。
あ、ほーんとだ。ハンドル2つある。1回目は右側、2回目は左側にすわってる。

ローラーというのは、この大きさで、この車輪ですから、むこうまで行ってぐるっとUターン、というのが難しい。前進と後退を繰り返して作業をするわけですが、運転手さんが真ん中に乗っていると、左右の車輪の陰になる部分が見えにくいんですね。だから、これくらい大型のローラーでは、運転席は2つあって、道の右端に寄るときは右に座り、左端に寄るときは左に座る。
ということでした。なるほどー。(わたしも知らなかった)

10年前に出た絵本ですが、ぱらぱらめくるたびに、「あれ? ここは、こうだっけ?」「こんなのあったっけ?」と、何かしら発見するものがあります。

焼き鳥屋さんの看板、前から「鳥の巣」だったっけ?
しばらく見てない間に、店が変わったんじゃないかと、一瞬思ったけど、まさかそんなことはないか。
(しまっておいた日本人形の髪の毛が伸びる、的な…)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ショベルカーの運転手さんについて

2020-05-04 11:45:49 | Q&A

Q&Aで、もうひとつ。
閑猫堂ではなく、出版社経由でいただいたお手紙から。

絵本『みんなで!いえをたてる』(偕成社・2011年)を読んで、5歳の息子さんが「これ、まちがってるよ」と言うのだそうです。
「うえきやさんが ちいさい ショベルカーで にわに きを うえています」(p.20)というところ。
ショベルカーに乗っている人は『ざっくん!ショベルカー』(偕成社・2008年)にも出てきた人で、この人はショベルカーの運転手さんだから、植木屋さんではない…と。

えええ? うわあ、どうしよ。

問題の『みんなで!いえをたてる』は、

これ、ですね。
このショベルカーの運転手さんは、

同じ本の最初のほうで、もっと大型のショベルカーで基礎工事をしているのと同じ人。

そして、『ざっくん!ショベルカー』は、

これ。植木屋さんの親方も、トラックも同じ。

『ざっくん!ショベルカー』を読んだ子なら、このお兄さんが自分で3台のショベルカーを持っていて、水道工事や家屋の解体などいろんな現場で働いていることを知っている。つまり「植木屋さんの人」ではない、ということを知っているのです。

これはね、この息子さん(Yくん)がすごいと思いました。
シリーズ物ですが、2冊の絵本はそれぞれ独立した別の話。その2冊のメインストーリーだけでなく、設定から細部の絵まですっかり頭に入っていて、画面の中から「おなじひと」を見つけて、関連性を考えることができて、疑問をちゃんと言葉にすることもできている。まさに「作者冥利に尽きる」といえます。

で、間違ってる、のか?
えーと、この文章を、Yくんは「うえきやさんが」「ショベルカーで」「きをうえています」と読んで、違和感をおぼえたわけですね。
ショベルカーを運転しているのは「ショベルカーの運転手さん」であって、「植木屋さん」ではない。それに、もちろん、ショベルカーが直接木を植えるわけではない。木を運んできたのはトラックで、吊って降ろそうとしているのはクレーンです。これ、通称ユニック、いわゆる「積載型トラッククレーン」というやつ。
ですが、絵を見ていただくとわかるように、ここは「植木屋さんが庭に木を植える」という仕事を、できるだけ簡潔に説明したかった場面であり、木を植える一連の作業の中でショベルカーが使われています。このとき運転手のお兄さんは、ショベルカーごと植木屋さんに雇われているので、ここだけみれば「植木屋さんチームの一員(穴掘り担当)」といっても、大きな間違いではない、んじゃないかなあ。

この乗り物シリーズは、一度主役で出てきた車が、そのあともあちこちにゲストで顔を出すのがお約束のようになっていて、本筋とは関係なく、それらを見つけて楽しむことができるという趣向なのですが、正直なところ、小さい読者さんがそこまでしっかり見ているとは、絵を描いた人も出版社も想像しておらず、詰めがやや甘いところがあったかもしれません。
今後は(今後があれば、ですが)そこのところも、よくよく気をつけようと思います。Yくん、ありがとう。
ショベルカーは、『おはよう!しゅうしゅうしゃ』『いそげ!きゅうきゅうしゃ』にもちらっと出ているので、ぜひさがしてみてください。

ちなみに、このお宅では、Yくんの提案で「ちいさいショベルカーで にわにほったあなに、うえきやさんが きをうえています」と変更して読んでおられるそうです。素晴らしい。
これは、集団読み聞かせではできないこと。ひとりひとりに合わせた読み替え、いわば「サイズオーダー」が可能だというのが、おうち読みの最大のメリットですから、もちろん歓迎です。
わたしも、子どもが2、3歳のとき、絵は魅力的だけど文章が長すぎるような絵本を「よんでー」と持ってこられると、わかりやすく短縮して読んだりもしました。
大事なのは、そのとき、その場で、絵本の世界を共有するということ。アナウンサーのように一字一句正確に読まないと、子どもが正しく字を覚えられないのではないか…などと「教育的」なことを考える必要はまったくないと、わたしは思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なくした記憶について

2020-05-03 21:53:57 | Q&A

お久しぶりのQ&Aです。
絢さんからご質問いただきました。

★黒ねこサンゴロウの2と3を読んで、ふと疑問に思ったのですが…
1番後ろの各巻の説明のようなところに、2巻でサンゴロウは記憶を失ったと書いてありました。それで、サンゴロウが失った記憶はハナミサキでケンと一緒に冒険した思い出なのかと思いました。
でも、3巻でナギヒコが、サンゴロウは4年くらい前にうみねこ島に来て、自分の名前以外覚えていなかったと言っていました。
そうなると、サンゴロウはうみねこ島に来た時点でケンのことを忘れていて、やみねこに襲われた時に忘れてしまったことは何だったんだろうなと思いました。

わっ、忘れていた!
それはですね…えーっと…

問題は、これですね。
カバーの後ろの折り返し部分(「カバーそで」といいます)に入っている広告。
絢さんのご指摘のように、『2 キララの海へ』のあらすじには「やみねこに襲われ記憶をなくすサンゴロウ」と、たしかにそう書いてあります。
はっきり言って、これは、間違い!
ついでに、『4 黒い海賊船』の「海賊船にねらわれ、瀕死の重傷をおう」も間違い!
どうしてこういう間違いが起こったのか、当時の担当の方もすでに退職されているため、今となっては謎のままです。

本のうしろにのっている広告とか、カバー、帯などに入る文章は、ふつうその本の著者ではなく、出版社の誰かが書くもので、事前に著者がチェックしない(orできない)場合もあり、間違ったまま出版されて、その後訂正されることなく、今日まで来てしまった。
いや、訂正を申し入れた記憶はあります。「瀕死の重傷」という言葉は、5巻のカバーにはありませんから、訂正されたのだと思います。でも、「記憶をなくす」は残ってしまった。どういうわけか。
よほどのことがない限り、カバーだけを取り替えるということは、ありません。つまり、重版のタイミングでしか訂正ができないものですから、次回に、と思ってても、次の重版が何年も先だったりするので、そのうち忘れられちゃうんですね。
そして「重版のお知らせ」が届いたときには、実際はもう印刷製本が進んでいることが多く、間に合わない。その繰り返し。

というわけで、これまで「変だなあ」と思っていた読者のみなさま、ごめんなさい。絢さん、気がついてくださってありがとう。
これはもう、この先も訂正されることはなさそうですから、知っている人だけが知っているサンゴロウ七不思議のひとつ、ということで、何とぞお許しくださいませ。
(あとの六つは何なの?・笑)

ちなみに、同じ本の、ソデじゃなく最後のページにのっている広告のほうは、

ちゃんと正しく書かれています。どういうわけか。

 

これは、さんちゃんではない、真鈴さん。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カイとマーレについて

2019-01-31 17:09:26 | Q&A

お久しぶりのQ&Aです。
あすいさんからご質問いただきました。

★ドルフィン・エクスプレスを読ませていただいて…『霧の灯台』のカイは、マーレくんと同じ光つかいだったのでしょうか?

あ…
えーと…
それはですね…

ぜんぜん気がつかなかった!(笑

マーレ君が出てくるのは、ドルフィンシリーズ最終巻『光のカケラ』で、書いた時期としては『霧の灯台』から14年後です。
カイは(ボトルシップが象徴するように)灯台島にだけ存在するキャラクターなので、他の巻との関連性というのはまったく想定していませんでした。
だけど、そう言われてみれば、似ているのかな。手をあげる仕草とか…。

別館のどこかに書いた気がしますが、マーレとバジル(『シナモン・トリー』)は似ていて、バジルとショー(『スターズ』)も似ているけど、ショーはどちらかというとマーレよりもカイに近い。(ややこしいな~)
分類上は「光つかい系」といってもよさそうな、こういうタイプのヒト(猫)って、一生のうちにそう何度も書けないですから、4冊も書くことができて、本当によかった。
(2冊は品切れだし、2冊は出版社ごと消えちゃいましたが…)

倉庫係のマーレ・ルッシェ(左)と、灯台守のカイ(右)。

 

関連記事

Q&Aについて 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オンデマンド本について

2016-11-15 00:45:02 | Q&A

☆みつきさんからご質問いただきました。

Amazonのオンデマンドで『アイヴォリー』が取り扱い不可になっているようですが、何かあったのでしょうか?


何もありません!(笑)が、ご説明しておいたほうが良いかと思うので書きます。 

『アイヴォリー』は1994年に理論社から出版され、2007年にブッキング(現・復刊ドットコム)から新装改訂版として復刊しました。(画像右)

わたしはこの復刊版が、サイズ的にもデザイン的にも大好きで、とても嬉しかったのですが、残念ながらこれもまた絶版(に限りなく近い品切れ重版未定)状態に。

おたずねいただいたオンデマンド版(画像左)は、Amazonが版元(というのは理論社ではなく復刊ドットコム)から許可を得て復刊版をスキャンして複製したもので、『星とトランペット』と共に2014年にペーパーバックで販売が開始されました。
(それについての記事はこちら) 

で、『星とトランペット』は今も販売されているのに、どうして『アイヴォリー』は「お取り扱いできません」になってしまったか。
というと、これは、よくわかりません。

そもそも、これはAmazonと復刊ドットコム社の間の話で、Amazonは電子書籍を販売するための書籍データが欲しかったんだと思うんですね。オンデマンドで紙の本を作るのは、その副産物みたいなもので、あまり力を入れていなかった。と思う。

ハードカヴァーとペーパーバックの違いはあるにせよ、丸ごとスキャンするんだから、元の本と同じものができるはずだと、出版社も安心して任せたのかもしれませんが、実際は、だいぶ違いまして、 

 

右が元の復刊本、左がオンデマンド版です。
字数行数ページ数はすべて同じなのですが、字が大きいです。字数を変えずにサイズを大きくした結果、文字が変に平たくなっている。
『星とトランペット』のほうも、違うことは違うのですが、ここまで差は出なかったので、黙っていました。
でも『アイヴォリー』のほうは、作品全体の雰囲気にひびくような、ちょっと嫌な感じだったので、これなんとかなりませんかって、復刊ドットコムの人に言いました。

そうしたら、いつのまにかAmazonの売り場からひっこめられていて…
そのときは、手直ししてくれるような話だったのですが、その後、いっこうに販売が再開される様子はありません。
結局、わたしの手元にあるのは自分で購入した1冊きり。
Amazonさん、扱う点数が急増して、手が回らないのかな。
復刊を待っていてくださった方には申し訳ないのですが、わたしも、かなりがっかりしています。
(Amazonは出版社ではなく書店なので、著者との契約関係はなく、こちらから交渉する窓口もないわけです)

書体などかまわず、あのまま売っていれば…と思わなくもないけれど、読めればいいというものではなく。
ブックデザインや紙や書体も含めて「本」だと思っているし、同じように「本」を大切に思う人にこそ読んでもらいたい物語なので。 

「本を出す」といいますが、実際は、著者は「書く」だけの人で、「出す」のは出版社、「売る」のは書店。
それぞれがまったく違う立場で違う仕事をしており、誰かひとりだけがんばってもどうにもならない世界なのですが、そんな中から奇跡のように素敵な本が生まれることもあるし、幸運に恵まれて長く読み継がれる本もあるので、まだしばらくは、希望をもってやっていきたいと思っています。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする