閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

4月の花の覚書

2008-04-29 13:20:06 | 日々

八重桜が散るころ。夏野菜の苗の植えどき。

苺の花。草苺の花。ブルーベリーの花。ぐみの花。

タンポポはみんな白い綿毛になった。
ちょっとでもさわると散っていってしまう。
これを散らさずそのまま保存する方法があると聞いた。
どうやるんだろう。
興味はあるけれど、調べたことがない。
わかっても、やってみないんじゃないかという気がする。
そういうことはたくさんある。

花壇に植えっぱなしで毎年ぽちぽちと咲くものたち。
イキシア、ヒメヒオウギ、オキザリス。

ところで一昨年の秋にたくさん植えたチューリップは
みんなどこへ行ったのか。
猪さんが掘って茶碗蒸の具にでもしてしまったのかしら。

長く長く咲きつづけているシャガ。
これから咲き出そうとしているシラン。
紫蘭の名は、ごく幼いころにおぼえた。
植えられていた濃い藍色の鉢ごと記憶している。
「この花は何かと聞かれた人が、知らなかったので知らんと答えた」
教えたのはたぶん父だったと思う。
ふだん駄洒落を言う人ではなかったので、非常に印象的だったらしい。

川沿いの斜面に、クマガイソウ、エビネ、競い合うように。
クマガイソウは毎年見るたび不思議な植物だと思う。
ぷっくりふくらんだ巾着状の大きな花を、
平家物語の熊谷次郎直実の背の母衣(ほろ)に見立てた命名。
近縁種のアツモリソウと対になっている。
よく名づけたものだ。
「熊がいそう」なところに咲くからではないんだそうだ。

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GPS

2008-04-25 09:22:55 | 日々

昨日のつづき。
GPSつきの首輪というのがあるそうです。
ペットが迷子になったとき、パソコンで調べれば、
どこにいるかちゃんとわかるらしい。

真鈴にそれつければ!…と思いましたが、
よくよく考えたら、あんまり意味がない。

どこにいるか地図上でわかったとしても、
そこが人間の行ける場所とは限らない。
迎えに行くまでじっとしてるはずもない。
電話で「早く帰っといで」って言えるわけでもない。
言えたとしても、それで帰ってくるとは思えませんからね。

Mは取材で九州に行っています。
泊まっているはずの宿から電話がかかってきました。
「あのォ、お客さんは、携帯は持っとられませんか?」
「持ってないですけど…何か?」
「灯台に行かれるというんで車をお貸ししたんですけど」
「はい」
「戻ってこられんので…」
「ええーっ?」
まったく、GPSが必要なのはこっちではないか。

(1時間ほどして無事帰ってきた様子。
のんびりしてただけだって。
お騒がせしてすみませんでした)

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まりんのおしごと

2008-04-24 10:23:41 | 日々

朝早く、布団の上でチリリと鈴が鳴るので、
見たら真鈴が帰ってきていました。

小柄でふんわりお嬢様風、性格もいたって素直な真鈴ちゃんですが、
なぜか1週間から10日に一度くらい「外泊」する癖があります。
黙っていなくなり、48時間ほどしてから機嫌よく戻ってくる、
という謎の真鈴サイクル。
どこで何しているかはまったく不明。
かすかに機械油みたいな匂いがすることもあります。
そういうときはどこかの倉庫か工事車両で寝ているのかな。
ケガしたり汚れたり飢えたりはしていません。
初めのうちは心配しましたが、最近はこちらも慣れまして、

「真鈴いない?」
「おしごとみたい」
「ああそう」

黒猫真鈴は何のおしごとをしているのか。
「コンパニオンさん」とMは言います。
わたしは「ツアーアテンダント」じゃないかと思っています。
どちらも特に根拠はありませんけども…。
もしかしたら「この猫、1週間か10日に一度来るわねー」って
どこかで言われてるのでしょうか。

さて、そのツアーアテンダントさん、
今回は完全にネイチャー系だったらしく、
野山にいるちっこいダニをいっぱいしょってご帰宅でしたので、
税関職員は朝から摘発に追われています。

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新緑

2008-04-23 10:12:17 | 日々

見ている間にもひろがっていく緑のバリエーション。
その中で鳴いている鳥。
ホオジロ、ヒヨドリ、イカル、ときどきアオゲラ、
コゲラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ウグイス。

ウグイスは普通に「ホーホケキョ」とも鳴くが、
どちらかというと「もーよく見ろよ!」とか
「ほー駄目じゃないか!」と聞こえることが多い。
ウグイスにも地方の訛りがあるのだろうか。
草むしりなどしている頭の上でしつこくそう言われるので、
うるさいわねえ、と苦笑する。

あああ、それにしても毛虫が多いこと!
去年も異常に多かったが、今年はさらに多い。
ありとあらゆる種類の木の葉、草の葉にいて、
好き嫌いせず何でも召し上がる最強の毛虫。
もそもそ這っているうちは、ぱたぱたする親ほど怖くない。
怖くはないが、被害は大きい。
困ったものだ。


郵便局の人が来て、「車庫にオシドリが巣を作って…」と言う。
オシドリ? とびっくりしたら、「ええ、黒と白の」と言う。
黒と白のオシドリ?? 
混乱した頭をようやくとりまとめ、
「ああ、黒と白のね、細くて、シッポをぴょこぴょこさせてる…」
「そうそう。あれ、オシドリって言いません?」
言いませんよう。それはセグロセキレイさんです。
うちでは「ペンギン」って呼んでますけど。

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「ざっくん!ショベルカー」

2008-04-20 10:07:14 | お知らせ(新刊)

今年2冊目。ショベルカーの絵本ができました。
「ざっくん!ショベルカー」(偕成社・鈴木まもる絵)
画像は →こちら

もうこれはタイトルのまんま、ショベルカーが
「ざっくんざっくん」とあちこちで工事をするお話。

昨春に「がんばれ!パトカー」が出たあと、編集の人から
「次は清掃車かショベルカーですねっ」という話が出て、
清掃車は、大切なお仕事だけど、取材が楽しくなさそうだし…
ショベルカーは、自然破壊的なシーンが多いからなあ…
などと、しばらくぐずぐずしていたのでした。

「子どもが喜ぶ。自分でも面白い」というのが
この乗り物絵本シリーズのコンセプトです。
で、自分はショベルカーのどこが面白いかっていうと、
ただ穴を掘るだけの機械じゃない!というところ。
用途に合わせて小型から大型まであり、
しかも先のショベルをいろいろ付け替えて、
びっくりするほど多様な作業を器用にこなすところ。
その多様さをどうやってうまく紹介するかがカギでした。

夏ごろやっとラフをつくって、ぼちぼち進めていたところ、
「のりもの絵本フェア」の企画が先に決まり、
それに間に合うように!というので、そこからは異例のスピードで、
いまいちノリの悪かったラフを解体して、組み立てなおして、
お正月明けから絵を描いてもらって、2月にアップ。
そのあとギリギリのタイトル変更などもあり…
担当Mikaさん、おつかれさまでした!

今回の見どころは、なんといっても、
ショベルカー運転経験者ならではの
臨場感あふれる迫力画面!ではないでしょうか。
古倉庫を取り壊すシーンを描いてたときなんか、
近所で似たような倉庫や小屋を見かけると
「あー、あれも壊したいなー」なんて呟いていたほどで…。

例によって他の絵本からの「友情出演」もたくさん。
画家本人らしき人物の姿も見えますし(どこでしょう?)
閑猫堂の広告もちらりと登場しております。
創業平成17年、というのは嘘。
ときどき休み、というのは本当。

「絵本のつくりかた」もごらんください)




 

ざっくん!ショベルカー
竹下文子 作
鈴木まもる 絵
偕成社
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風町再訪

2008-04-18 14:55:44 | 日々

いまの家に引っ越してくる前に住んでいた町を、
Mと22年ぶりにたずねてみました。

まずびっくり。電車の路線そのものが変わっていた。
乗換え駅で階段を「上る」はずが「下る」になっていた。
そして途中がほとんど地下鉄になっていた。

駅の改札を出ると、えっ? 本屋さんがある!
当時からすでに古い店で、おばちゃんがふたりでやっていて、
新刊が黄ばんでしまうまで棚に置いてあるような店だった。
それが全部そのまま。棚も雰囲気もそのまま。
さすがにレジのおばちゃんは違う人だったけれど、
あとはなんにも変わってない。

パン屋さん。果物屋さん。不動産屋さん。
見覚えのあるものと見知らぬものが混在する道をたどっていく。
猫をいっぱい飼っていた怪しいおじさんの屋敷はもうない。
それはもう絶対になくなっていると思っていた。
かわりに南欧風のデザインの小ぎれいな住宅が何軒も並ぶ。

こんなに細かったっけ?と言いながら路地を抜けると、
かつて住んでいたアパートが忽然とあらわれた。
外壁の色こそ変わったものの、そのままの形で。
「うわあ…まだあるんだ」「あったねえ…」
しばし口を開けて見上げる。

そのアパートの3階にMが住んでいて、
わたしはてっぺんの4階の部屋を借りて、
ライフの原稿用紙にミルキーウェイの万年筆で、
レース編みでもするようにちまちまとお話を書いていたのです。

いつも夕方に散歩がてら買い物に行った道を
思い出しながらひとつ先の駅まで
歩く。
「ここ、ざくろの木があった」とM。
そうそう、春には紫もくれんが咲いて。
夏には西洋あさがおのからむ垣根があって。
猫を拾ったのはこのへんだっけ?

途中でふと右を見る。
小さい踏切があって緑色の電車が通過する気がする。
その線路はすでに地下にもぐってしまい、
盛り上がった道に踏切の面影だけがうっすらとある。

駅前の商店街。
店は半分くらい入れ替わったようだけれど、
ごちゃごちゃとした道幅と賑わいは当時のまま。
角の八百屋さん。肉屋さん。路地の奥の魚屋さん。
ここは猫用のまぐろミンチを買いに来た店。
いまは魚はパックされてスーパー形式の店に変わっている。
「裏口にいつも野良猫がいたよねえ」
裏から出てみると、いたいた、ダンボールの上に1匹。
何代目の子孫だろう。よく太って人なつこい顔をしている。

見覚えのあるコーヒー店でひと休みしたあと、
すっかりきれいになった駅から電車に乗る。
電車はなめらかに走り出し、町はそのまま後に残る。
バイバイ。きっともう来ることはないでしょう。
ひとときのタイムマシンツアーでした。

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ショベルカーの原画展

2008-04-16 08:06:24 | お知らせ(いろいろ)

絵本「ざっくん!ショベルカー」の原画展です。
4月21日~5月11日まで、
東京・池袋のリブロ本店、児童書ギャラリーにて。

偕成社の「のりもの絵本フェア」という企画に合わせて、
まもなく発売の新刊絵本の原画9点を展示。
おまけとして、Mの手作り木のおもちゃも展示します。
(子どもが小さいころ実際に遊んだおもちゃなので、
かなり古びていますが…いろんなのがありますよ)

場所は、西武池袋本店イルムス館B1F。
児童書売り場の横の通路みたいなとこですが、
お近くにいらした方はぜひどうぞ。

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花模様

2008-04-14 15:34:15 | 日々

去年よりまたひとまわり大きくなった庭の山桜は、
もう窓の中におさまりきれない。
梢のほうはたびたび首をひねって眺める。
いま花と葉が半々か、少し葉のほうが多いくらい。
ソメイヨシノは満開までが美しく、花が散り始めると、
なんとなく投げやりなたたずまいになるが、
山桜は、どの段階もバランス良く毅然としている。

朝から、降っているのが雨か花びらか
よくわからないようなお天気だったのが、
急に晴れてきたので、光に透けるうす緑が美しい。
着物の柄のようだ、と思ってから、それは逆だと気づく。
人は昔から、四季折々の美しいもの、心ひかれるものを、
着物に織りこんだり、歌に詠んだりしてきたのだ。

今年は何度も桜の写真を撮ろうと試みたけれど、
コンパクトデジタルカメラでは思うようにいかない。
あきらめて、路上に散った花びらにカメラを向ける。
人が描いても決してこうはならない、無作為の模様にひかれる。
こういうの、本の装丁にしたらどうかしらと思いながら
場所を変え、向きを変え、何枚も何枚も撮る。
足元にうろうろまとわりつく猫もいれて撮る。

小さい頃、これによく似たものを見ていたのを思い出す。
そう、あれは近所の家の塀だ。
直径5ミリか1センチほどの丸い小石を
一面にびっしりと埋め込んだ塀だった。
そこを通るのが好きで、端から端まで見飽きなかった。
小石は色とりどりでつやがあり、さわるとすべすべして、
雨のあとなどはいっそうきれいだった。
このごろ、ああいうつくりの塀を見ない。
つくり方は知らないが、たいそう手間がかかるに違いない。

それからそれへと、思い出すことがある。
たとえば、たたみの上にまいたガラスのおはじき。
その並びが、無造作のようで、どこかわざとらしい。
ガラスの中にいくつか不透明な陶器のおはじきがある。
その混じり具合と配置もひどく気になる。
やり直せばやり直すほどますますわざとらしくなっていく。
これではいけないんだと思う。
でも、どうしたらいいかわからない。
呆然と座っている。
そういえば、あの庭にも山桜の木があったのだっけ。

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春のア・ラ・カルト

2008-04-10 16:51:05 | 日々

・ゴマ風味焼き鶏チーズかけ
・カジキのマヨ味噌焼き
・牛肉・ピーマン・玉ねぎのオイスター炒め
・鶏肉・じゃがいものカレー炒め

若旦那んちの最近のお献立だそうです。
「そうめんなら茹でられるから、毎日そうめんでいいや」
なあんて言ってたのに、
なんだかすごくちゃんとしたもの作ってるじゃないですか。
びっくり。
いえ、行ってるのはお料理学校じゃなくて
日文科なんですけど…。

それに反比例して簡略化してゆく我が家の食卓。
本日の晩御飯は、さんまの開き、えーとそれから、
絹さやとしめじの卵とじ。
昨日は明日葉を摘んできた。
今日は三つ葉を摘んでこようかなあ。
もう上を見ても下を見ても桜の花でいっぱいです。

タイトルは大好きなオー・ヘンリーの短篇から。

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シングルライフ

2008-04-04 16:19:39 | 日々

今月から他県でひとり暮らしを始めた若旦那。
早起きして洗濯したり、ごみ出ししたり、
日用品をあれこれ買い揃えたり、お料理をしたり…
まずは家事修業にいそしんでいる模様です。

引越し当日、少し遅れて様子を見に行ったわたしは、
あっというまに道を間違え、ぐるぐる迷ったあげく
携帯で「いまどこ?」「えーと…ここどこ?」
という間抜けなやりとりをしたのですが、
実際は駅から近いし、スーパーにも歩いて行けるし、
コンビニはすぐそこだし、前は図書館だし、
坂がないから自転車乗り放題だし、
光ファイバー使えるし、
通学はスクールバスで直通という、
ものすごく便利な町なのでした。

昨夜は「韓国風お好み焼き」を作ったって。
いいなあ。
次に帰ってきたときには、それ作って欲しいです。

 

話は変わりますが、
パナソニックのファクス付き電話機をお使いの方、
いらっしゃいませんか?
買い換えて、未使用インクフィルムが1本余ったので、
どなたか貰ってください。
A4サイズのKX-FAN200です。
自宅アドレスをご存知の方、またはそのお友達の方限定。
gooじゃないほうにメールくださいませ。
(ここの「お問合せ窓口」や「コメント」では
受け付けられませんのでご了承ください)

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