閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

狐祓い

2010-11-30 15:01:03 | 日々

たくさんたまってしまったダンボールをまとめて処分するため
物置から出したら、きなちゃんの「秘密基地」を発見した。
われものを送るのに使うスポンジマットを大量に噛みちぎって
ふかふかの大きなねずみの巣のようなものができていた。
ときどきこそこそ出入りしていると思ったら、
こういうことをしていたのか、キミは。

ダンボールがやたらとふえるのは、通販のせいだと思う。
田舎では手に入りにくいものを、ついつい注文して
取り寄せるから、そのたびに空き箱がたまるのだ。
わたしはわたしで、MはMで、必要に応じて注文するから、
1日に3つも4つも箱がきたりする。
ようやくすっきりした物置も、また何か月かすれば
アマゾンの密林に逆戻りしてしまうだろう。


去年もちょうど同じころに咳をしていたので、
やっぱりこれは季節性のアレルギーなのかもしれない。
ときどき喉の奥をちいさな狐の尻尾の先でくすぐられ、
コンコンコンと咳が出る。
喉に住む狐に油揚や稲荷寿司を与えてはいけない。
喜んで居ついてしまうから(というのは時鳥さん説)。
狐の苦手な葱と生姜で追い払うのがよいそうだが、
あいにく生葱はこちらも苦手なので、下手に使えない。
軒を貸した大家のほうが追い出され、狐が居座ってしまったら
いったいどうなるんでしょうかね。
コンコン。

自家製ジンジャーシロップを大さじ1杯、
熱い湯で割ってお風呂上りに飲む。
布団に入り、薄手のガーゼのタオルをかぶって
首回りの保温とマスクを兼ねる。
イヤホンで細海さんのアコーディオンを聴く。
呼吸するように。しみこむように。ゆっくり。深く。
狐もしばし小首をかしげて聴き入っている様子。


上の画像はカラスザンショウの木。
ぶれたのではありません。わざと。

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SF式掃除機

2010-11-28 10:13:12 | 日々

Mが仕事場用の掃除機を買うというので、家電売り場に行った。
普通の掃除機と、何やら高性能そうな掃除機がある。
その隣に「全自動ロボット掃除機」も並んでいる。
少し前まで「発明品」だったのが「商品」になったらしい。
小型の空飛ぶ円盤のような形をしている。
ぱかっと開けたら早口で喋る宇宙人が出てきそうな感じ。
6畳間を15分できれいにする、と書いてある。
15分? 床だけで?
少しがっかり。
自分でやったほうが早そう。
うちは薪ストーブを使う都合上、室内に20センチくらいの
小枝が落ちていたりするのはふつうのことで、
(いや、もっと怖いモノも落ちてますが、真鈴さん?)
そのつどロボットが困惑するのは目に見えている。
それに、わたしの場合、動き回る円盤について歩いて
終わるまでじーっと見てしまう可能性が高く、
それではまったく意味がない。

階段の上がり降りもひとりでできるとか、
ごみが一杯になったら自分で捨てに行くとか、
ときどき本棚にのぼって埃をはらってくれるとか、
洗濯物をたたんで分類して片づけてくれるとか、
留守のときは猫にゴハンを(それぞれの猫に適したフードを
適量ずつ数回に分けて!)与えてくれるとか…
だったら、真剣に購入を考えてもいいけど。

ハインラインが『夏への扉』で「文化女中器」(=福島正実訳)
なる家事ロボットを発明(?)したのは1956年のことで、
時代設定は1970年という「未来」だった。
それに追いつき、追い越して40年たったのに、
人はまだ床を這う円盤しか作れていない。
街の空にエアカーは飛び交っていないし、
公衆電話はコイン式テレビ電話にならないらしい。
まあ、それでよかったんだと思う。
SFがそのまま現実だったら、地球人類はすでに滅亡している。


さてさて、「龍馬伝」の最終回。
これは見なきゃですね。
いや、おひげをそった「兄やん」をちらっと見たいだけですが。
福山さんのファンの方すみません(…笑

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寝袋・その2

2010-11-25 09:49:45 | 日々

前回のが「角形寝袋」で、こちらが「円形」。
(つまり2つ買っちゃったのでした)
これは2階のわたしの椅子に並べて置いてあります。
猫からみると「おひざ」の次にランクの高い席。

うっとり顔なのは茶々姫さんです。
お茶々はもともと他の子にくらべて毛質がさらさらと薄く、
ちゃんと冬毛にならないので寒いらしい。
このあとしっかり熟睡して、6時間くらい出てきませんでした。

しかーし、自分で入れないんだよね、これが。
入りたそうなタイミングを見計らって入れてあげないと駄目。
まったくどこまでも手のかかる連中。

 

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寝袋

2010-11-24 18:24:11 | 日々

寒くなってくると、猫がしつこくヒトの膝にのる。
膝はひとつで、猫は5匹いるので、競争はなかなか厳しい。
こちらだって、座り仕事がメインとはいえ、立って動くこともあり、
いつでもご要望におこたえできるとは限らない。

ペット用の「ぬくぬく寝袋クッション」というのをみつけて買ってみた。
ふわふわした生地が袋状になっている。
さわってみるとなかなか気持ちがよい。
わたしだったら、喜んで入るだろう、と思える。
爪などがひっかからないよう、素材も考えてあるし、丸洗いも可。
熱源はないが、入れば体温で暖かい、というもの。

さてさて、どうかな…と思ったら、

入らない、んだよねー、これが、ぜんぜん。
布団に入るのが好きなすももも、茶々も、入りません。
上にのってるだけ。
それではわざわざ寝袋を買った意味がないじゃないの。
「ほれ」と押し込んでみたら「うにゃっ!」といって逃げられた。

ドーム型の猫ベッドも売っていて、そっちにしようかと思ったのだが、
(巨大なシフォンケーキの一切れに穴をあけたようなデザイン)
シーズンオフの収納場所に悩みそうだったから寝袋にしたのである。
まったく、どこまでも人の思うようにはいかないのが猫だ。

ようやくなんとか入ってくださった真鈴先生。
いかがでしょうか、寝心地は。
「んー、まあまあかなー。でもポリエステルでしょ。
こういうのはウール100%じゃないとねー」
うう…ぜいたくですっ。


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にゃーっ

2010-11-22 14:18:50 | きなな日記

おひさしぶりです。
あいかわらずです。
このごろ、じめんも、ゆかも、ひんやりしてきました。
足がつめたいときは、かあさんのおひざにいきます。
かあさんは、下の大きいテーブルでおしごとをしています。
新聞じゃないきれいな白い紙がたくさんあります。
ちいさい字や絵がかいてあります。
クリスマスにできる新しいほんだって。
でも、まだ、ほんじゃなくて、ばらばらの紙だよ。

雨がふったあとに、おそとからかえってきて、
白い紙のうえをぺたぺたあるくとおもしろいです。
でも、かあさんが、ぎゃーぎゃーいっておこります。
そういうとき、きななは、ひみつきちにいって寝ます。
ひみつきちは、階段の下の、ものおきのダンボールのおくです。
中がどうなっているかは、だれも知りません。
へへん。ひみつだもん。

きななの「うあいっ」という鳴き方がおかしいって
みんながいうので、そうかなあとおもって、
真鈴ねえちゃんや茶々ねえちゃんを、よくかんさつして、
「にゃーっ」と鳴いてみたら、「にゃーっ」といえました。
なんだ。
そうか。
かんたんじゃないか。

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「ちょうどいいよ」

2010-11-16 15:04:30 | お知らせ(新刊)

絵本の新刊です。
『ちょうどいいよ』(鈴木まもる・絵 佼成出版社 2010年11月)

このヒトの絵では、乗り物絵本のシリーズなど、
どちらかというと男の子っぽいのが多めでしたが、
近年、知人のところで生まれる赤ちゃんが、なぜか8割くらい女の子。
そういえば女の子むきの絵本がないなー、と。
それで、ってわけでもないですけど、今回は思いっきり女の子で。
タイトル文字も、見返しも、帯もピンクで。

珍しく「持ち込み原稿」ではなく、《大きくなったね》というお題を
いただいて書いたものです。
この絵本をつくっている途中で、編集担当のSさんに
2人目のお嬢ちゃんが生まれ、「女の子のママ」の目で
いろいろ(厳しく!)チェックしていただくことができました。
また、「女の子のお洋服がわからない」とMがいうので、
知り合いの子供服やさん(→こちら)も参考にさせていただきました。

わたしが小さいころ、お宮参りに使った(か、貰っただけか)
ベビー帽子とケープのセットが、大切に保管されるという感じではなく、
なぜかおもちゃ箱の中に入ってまして(笑)
ぬいぐるみのクマさんに着せて遊んだりしていた記憶があります。
発想の元は、なんとなく、そのあたりかも。

ちなみに絵を描いた人のコメントは→こちら です。

ちょうどいいよ
 (どんぐりえほんシリーズ)

竹下文子/作 鈴木まもる/絵
佼成出版社




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ヒガシウラワ

2010-11-15 09:45:28 | 日々

法事があり、朝早く電車に乗った。
斜め前の席で、長いことかかってお化粧をしていた女の子は、
やがて見違えるようにクッキリした顔立ちになると、
鏡をしまい、今度はサンドイッチを出して食べ始める。
口いっぱいにほおばり、もぐもぐと平らげると、
次にスライスハムの薄いパックを取り出し、
ぺりぺりと開封して指でつまんでぺろりと食べ、
半分残してパックごと2つ折りにしてバッグに押し込んだ。
最近は電車でこういう食事をするのが普通なのかどうか知らないが、
(たまに電車に乗ると何もかも珍しいのである)
サンドイッチがよくてハムはだめ、という根拠はないだろう。
お化粧道具一式の入っている洒落たバッグに
生もののハムが入っている、というのが、
わたしとしてはものすごく違和感があるのだけれど、
入れちゃいけないという根拠もないし。


タクシーで新宿の伊勢丹前を通過中、同乗のI氏が、
「ここを米軍の戦車が通るのを見たんだよ」とおっしゃる。
えええ?
それはいったい、いつの時代の話?
I氏の父上は腕の良い靴職人だったが、豪傑肌というのか、
まあかなり変わった人であったらしく、さまざまな逸話がある。
ある日、息子(I氏)を連れて電車に乗ったが、空席がない。
すると父上は、ふところから蛇を取り出し、ポンと放り出す。
人々がわッと逃げたあとにどっかり座り、
悠然と蛇をふところにおさめ、息子を手招きするのだった。
また、自宅でも蛇を何匹も「放し飼いに」しており、
ある日、泥棒が入ったが、蛇を見てビックリ仰天、
2階から逃げようと飛び降りて、大怪我をしたそうだ。


帰りに、駅の券売機で切符を買おうとしていたら、
足音もなく横に立ったひどく影の薄いような人が、
ぼろぼろにすりきれた運転免許証らしき紙片を見せながら、
「ヒガシウラワまで帰る切符代がないので、720円貸してください。
必ずお返ししますから」とていねいな小さい声で言う。
お返ししますと言っても、返してもらった人はいないだろう。
100円玉を2つだけ渡してから、自分の切符を買ったら
おつりがあったので、それもあげてもいいかなと思って
振り向いたが、もうどこにも姿はなかった。
その人が電車に乗ることも、ヒガシウラワに帰ることも
決してないのだろうと思う。

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たまご

2010-11-12 21:49:18 | 日々

このあいだMがアメリカ西海岸に出かけたのは、
手回し懐中電灯を買いに…ではなくてですね。

世界中の鳥の卵100万個、鳥の巣1万8千個、などなど、
鳥類に関する世界一のコレクションを所蔵する研究施設が
カリフォルニア州にあるのでした。

上の画像は、そこで撮ってきたもの。
一番小さい白いのがハチドリの卵で、長さは1センチ弱。
くしゃみをしたら飛んじゃうから大変(笑)

ハチドリは、現地ではごくありふれた鳥で、
そのへんの駐車場でもぶんぶん飛んでいたそうです。

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カレンダーの季節

2010-11-09 22:12:12 | 日々

朝起きて、2階の雨戸を開けると、
大量の落ち葉が下の道をおおっていた。
山桜の枝は、一夜にしてすっかり見通しが良くなり、
空が急に冬らしい色をおびてくる。

風にせかされるように、来年のカレンダーのことを考える。
例によって、徹底的にシンプルで実用的なものを2種類。
これはもう定番なので迷う必要なし。
それから…っと。

今年のガウディが良かったので、来年も、と思っていたら、
同じメーカーらしいのに、まったくデザインが変わってしまい、
せっかくモノクロだった写真がフルカラーだ。
しかも、中央で綴じて、上が写真、下が数字という形式。
数字の面積が大きすぎる。
それに、写真の裏が白くない。
これではリサイクル利用ができない。

うーん、と思って、輸入カレンダーのほうをあさってみるが、
やっぱりこの上下に分かれたスタイルが圧倒的に多い。
リサイクルはあきらめ、気分の良い風景写真を探すうちに、
日本製にはない奇妙なジャンルがあるのに気づいた。
かかし、とか。手押し車、とか。古い納屋とか、アウトハウスとか。
アウトハウスというのは、アメリカの昔の屋外トイレですね。
それの妙なデザインのとか、傾いたのとか、朽ちかけたのとか。
被写体としては、風流で面白い、と思えなくもないけれど、
お部屋の壁にかけて1年間眺めて暮らすのってどうなの。
いや、好きな人は、いいけど。

迷ったあげく、灯台の写真が12枚入ったカレンダーを選び、
ようやく落ち着いた。
(モン・サンミッシェルにも心ひかれるものがあったけれど、
撮り方があまりにもジグソーパズルみたいだったので…)

夕暮れ。風が強い。
サーモンピンクの雲がちぎれ流されていったあとの空に、
細い細い月が釣針のようにひっかかっている。
カレンダーを買うのは、来年もまた1年、12か月、365日、
暮らしていくよ、という、ささやかな決意表明のようでもある。

 

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たまには

2010-11-08 14:20:16 | 日々
あたしがかわりにお仕事してあげましょうか?

いえいえ、お嬢様、とんでもない。
ばあやは、お気持ちだけでうれしゅうございます。
(だから、膝にのって手を噛むのはやめてくれえ~)
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