閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

秋山寂々

2006-09-30 09:33:24 | 日々

…「葉零々」にはまだ早いけれど。
鹿が鳴いています。
遠くの山の、どこかで。
ぴょーお、ぴょーお、寂しい声です。

鹿は警戒心が強いのか、猪のように
家の近くまで降りてはきません。
実際に見たのも、この20年間でほんの数回、
それも「たぶん鹿だろう」という程度に、ちらっと。
でも、声はこのごろよく聞きます。

ここから西へ山を3つ4つ越えたところでは、
今年、夏蜜柑の畑が鹿にかじられ全滅しました。
長年こつこつと丹精してきたおじいさんは、
すっかり元気をなくしてしまったそうです。

このへんだけではありません。
アカネちゃんちの農園のブログを見ていたら、
まえに桃畑を荒らした鹿が、こんどは
植え付けたばかりの白菜を600株も食べて、
「またあんたか!」って…。

白菜の苗はきれいなきれいな黄緑色。
それが一晩で消滅してたらどんなにショックか。
そこまでの手間を考えただけで「あああ…」って思います。
相手は話の通じない動物だし。大雨や台風なら
まだ割り切ってあきらめもつくような気がするけれど。

仕事柄、いろんな動物の出てくるお話を書いています。
動物は動物の世界にいる、と思うから書けるので、
人間の世界に混じってこういうトラブルがふえてくると、
だんだん書きづらくなってきます。
長年続いた保育雑誌の連載を、2年前にやめました。
いのしし父さんも、くまのおじさんも、
今や日本中で「害獣」になりつつあり、
もう何を書いたらいいかわからない。

困ったね。
とりあえず…うーん、どうしたらいいんだろうか。

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狐の孫娘

2006-09-29 08:25:26 | 日々

キツネノマゴが咲いています。ピンク色のぽちっとした花。
おとなりには、カラスノゴマ。こちらは黄色の花。
たいてい同じ時期に同じような場所で咲くので
このふたつ、セットでおぼえています。

キツネノマゴは、短い花穂を孫狐の尾に見立てたものか?
と図鑑にはあります。
狐の名のつく草は、どれも茶目っ気のある感じで、
野山で遊んでいるみたい。
一方、犬、鴉、雀がつくのは、なじみのある何かに
似ているけど違うよ、という植物が多いようです。
カラスノゴマは、種が胡麻みたいだから。
そうか、種のほうを見てたんだ、昔の人は。

植物の名前は面白い。
ときどき、ものすごく凝った命名もあります。
山でたまに見かけるコシオガマ。
ぎざぎざの切り紙細工みたいな葉が特徴で、
花だけでなく「葉まで」美しい…というので、
「浜で」見られる「塩釜」にかけてあるのだとか。

カスマグサは、カラスノエンドウとスズメノエンドウの
中間ぐらいの草で、「カ」と「ス」の「間」だから…って、
そんな冗談みたいな名前でいいんだろうか。

吉祥草、立浪草、踊り子草、仙人草、風露草…
漢字で書いたほうが心ひかれる名前もあります。
銀竜草、別名を水晶蘭…なんて、見てみたいでしょう。
でも、幽霊茸とも言います、って聞くと「きゃー」ですね。

30年くらい前に出会ったタカサブロウという草。
いかにも何かいわくがありそうだけれど、
名前の由来ははっきりしていないそうです。
呼び捨てでは失礼な気がして、
「タカサブロウさま」とお呼びしていましたが…
(だって、お武家様みたいでしょう?)
あの場所で、今もご健在でしょうか。


ところで。
アクセスカウントがとつぜん倍になったので
ナニゴトカ?と思ったら、先日のお菓子の名前に
つられていらしたお客様が多かったようでした。
ふふ、食欲の秋、ですね。

(ええ、あれはほおんとにシアワセに美味しいの!)

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『やきいもやさん』

2006-09-28 07:36:30 | お知らせ(新刊)

はじめて紙芝居のお仕事をしました。
『やきいもやさん』(童心社)。絵は、つちだよしはるさん。
8場面の年少さん向け紙芝居です。
秋らしく、やきいも屋さんのお話。

日本独特の文化なんですってね、紙芝居って。
漠然と「とじてない絵本」のように考えていましたが、
やってみると、むしろ演劇の分野に近い気がしました。
おもに保育現場で使われるものなので、
一般の方が見る機会はほとんどないと思いますが…。

猫をお客さんがわりに、実演してみます。
字が裏に大きく書いてあるので、読みやすいですね。
絵本を開いて見せるのと違って、画面もフラットだし、
堂々と読んであげられる、という感じ。
木の枠とか拍子木とかあったら、もっと気分出るかな。
「ゆっくりぬく」と書いてあるところは、ゆっくりぬく。
だんだん、子どものころを思い出します。

どうでしたか、珊瑚くん。面白かった?
…あ、寝ちゃったか。

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ハードデイズ

2006-09-27 08:05:52 | 日々

クラスで、「きょうだいのいない人は」ときかれて、
手を上げたのはKと、もうひとりO君だけでした。
そしてO君は「そうは見えない」と言われ、
Kは「やっぱりなー」とみんなに言われたんだって。

そう、良く言えば「わが道を行く」。
自分の思うとおりにやれないと不機嫌なタイプ。
リーダー的性格ではないんだけど、人まかせが嫌いだから、
ふと気がつくとあれもこれも自分で仕切るはめに
なってしまっている、らしいのです。

文化祭の準備がいよいよ追い込みで、
いろんな仕事をかけもちで、今週はヨレヨレ状態のKです。
昨年もこの時期には帰りが11時の日もありました。
(昨年、一般公開の日に見に行ったら、
生徒会制作の巨大壁画が強風で崩壊する瞬間を
目撃してしまったんだけど…今年はどうかなあ)

家に帰っても、食べて寝るのでせいいっぱい。
ちょっとのひまに、手近な猫をつかまえては、
「いいなー猫は…」って、しみじみ。
ほらほら、猫たち、みんなで小さいお手々を出して
お疲れ兄ちゃんを癒してあげなさい。

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カフェオレ大福

2006-09-26 08:14:41 | 日々

ちょっと面倒な事務手続きのため、このところ連続で
慣れないところへ行ったり慣れないことをしたり。

こういうことは、つくづく、苦手なんだあ。
役所とか窓口とか書類とか印鑑とか。
だいたいね、ボールペンで書いた直径5ミリほどの
丸を1こ取り消すのに、どうして150キロも遠方に
住んでいる人のハンコが2つも必要なんですか?
…などと文句を言ってもよけい時間がかかるだけなので、
おとなしくなんでも言われたとおりにする。
係の人たちはみんな真面目で親切で辛抱強く、
つまりは、こちらが一般常識なさすぎ、なのでした。

苦手で、気が重いけど、単なる手続きですから、
やってできないことはないわけで。
ようやく全部片付いたので、駐車場のすぐ前の
和菓子屋さんで大好きな「カフェオレ大福」を買って帰る。
広い空のあちこちにいろんな形の雲が散らばって
まるで雲の見本帖のようでした。

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サンゴロウのミュージカル

2006-09-25 07:44:42 | サンゴロウ&テール

…のことを先日書いたら、
いくつかお問い合せがありましたので。

わたしは原作者というだけで、ミュージカルの制作には
まったく関わっていません。解釈も、脚色も、すべて
おまかせしています。

日程と会場は…

2007年3月28日 山梨県民文化ホールにて

詳しいことは、近いうちに専用HPができるそうですので、
しばらくお待ち下さい。

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植物図鑑

2006-09-24 09:58:49 | 日々

…の夢を見ました。
眠る寸前まで調べものをしていたせいです。

 〈その「図鑑」はルーブル美術館みたいに立派な建物で、
 回廊の両側にずらっと植物が並んでいます。
 リアルな絵で、人の背よりはるかに高くて、とてもきれい。
 そのあいだを歩いていくと、どこまでもどこまでも
 ずーっと遠くまでそれは続いているらしい…〉

じつは3日がかりで、ある草の名を調べていました。
そのへんにいくらでも生えている雑草なので、
すぐ出てくるかと思ったら、これが意外に難航したのです。
特徴がないわけではないけど、決め手がなくて、
図鑑を1ページずつめくっていっても見つからない。
(そのあげくが「ルーブル植物図鑑」の夢になったわけ)

1本とってきてコップにさして観察していたら、
Mが通りすがりにひょいと見て、
「あれ? ネコシッポじゃないのか…」
と言うではありませんか。
ネコシッポはキャットテール。
赤い花穂をつける園芸種で、庭の花壇にあります。
そういえば、なんとなく似てる?
キャットテールならトウダイグサ科だから、
トウダイグサ科に絞ってどんどん調べていったら、
ありました!
エノキグサ。別名あみがさ草。

だからどうなんだ、って言われても困るけど。
はじめまして、エノキグサさん。
わたしはこれで安心して眠れます。
(でも、あのルーブルには、また行ってみたいな)

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藤袴

2006-09-23 08:00:34 | 日々

そうだ、フジバカマを摘みに行かなくちゃ。
と思ったら、アカネちゃんは、もう行ったんだね。
アカネちゃんちと、うちは、400キロくらい?離れていますが、
環境が似ているらしく、ブログの話題がよくシンクロします。

こっちには黄色い花のオミナエシはありません。
咲いているのは白花の従兄さんのオトコエシだけ。
それに本物のフジバカマもなくて、これはたぶん
近縁種のヒヨドリバナ。それでも、いい香り、します。

フジバカマはわりと地味な花で、秋の七草に
野菊でなくこれが入っているのは、香りのためでしょう。
不思議なことに、生えているときはほとんど匂いません。
切って、半日も室内に吊るしておくと、乾くにつれて
上品な柔らかい香りが漂いはじめます。
生乾きのときが一番だけれど、からからになったら
散らないよう薄い布に包んで本棚に置いたり、
たんすの引出しに入れたりしています。
昔の中国ではお風呂や洗髪に使ったとか。

西洋のハーブにはない独特の香り。
キク科の植物だけど、菊の香でもなくて…
なんて言えばいいのかな、アカネちゃん。
桜餅の葉っぱが好きな人は、きっとこれも好きでしょう。

ヒヨドリバナも、まえは家の近くにたくさんあったのに、
いのさんが斜面を崩すせいで、年々少なくなるみたい。
探しに行ってこよう。雨が降る前に。

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藻塩

2006-09-22 08:25:32 | 日々

秋なので、また古典の話。小倉百人一首。

(なぜ「秋なので」かというと、十五夜は竹取物語でしょう。
萩、すすき、紅葉、でしょう。それに栗とかお芋とか
和菓子とか美味しい季節だし、ええ、その、なんとなく。
もしかして「小倉あん」からの連想、だったり…)

先日、外で食事をしたとき、瀬戸内の小いわしの
揚げ物に、藻塩の小皿が添えられてきました。

  こぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
  焼くやもしほの 身もこがれつつ
  
…の「もしほ」ですね。
Smoke Gets In Your Eyes…権中納言定家。

(藻塩って、最近はやっているのかな。
めったに外食しないので、知らない食材が多いけど。
このあいだまで「ゆず胡椒」も知らなかった)

じつは、その場で出てきたのは下の句だけで、
上の句をいっしょうけんめい思い出そうとしているうちに、
突然「あれっ?」と気がついたことがあります。

「やくやも、しおの」と読んでいたんだ、わたしは。
かるたとりをしていた子どもの頃から、ずーっと。
「やくやも」って何よ? なんて一度も考えずに。
「藻塩焼く」のイメージはおそらく別に記憶していたもので、
瀬戸内のいわしのお料理を前にして、そのふたつが
ようやくつながった、というわけ。

こういう「長年の思い込み違い」って、きっとほかにも
あるんじゃないかなあ。気づくきっかけがなくて、
一生間違ったまま、というのも結構ありそう。
まあ、いいかな、人に迷惑がかかるものじゃないし。

小いわしと「藻塩」、美味しかったし。

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金木犀

2006-09-21 09:57:50 | 日々

今朝、外に出たら、ふわっと香りが流れてきました。
今年も咲きはじめた金木犀。
特別なことはないけれど、それだけで、特別な日。

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