閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ルビンシュタインはいかにしてピアーノを弾いたか

2010-03-31 08:45:48 | 日々
長ーいタイトルですみません。
「ピアーノ」って、この本にそう書いてあるので。

 「ジェド、ニューヨークにいる時にルビンシュタインの
 演奏を聴いたっていうのを耳にしたんだけど」
 「ああ、その通りさ」
 「それについて話してくれないかな」

というわけで、ジェド・ブラウニングが語るルービンの演奏っぷり。
といっても真面目な話ではなく、アーリーアメリカンのフォークロア、
語り伝えられた民話伝説の類なのですが、これがめっぽう面白い。

席に着いたピアニスト、最初はあんまり気乗りしない様子で
ポロンポロンとやっているだけ。しかし…

 「そのうちルービンの手があっちこっち次々に
 鍵盤を追いかけはじめたんだ。屋根裏でたくさんの鼠が
 そりゃあすばしっこく駆け回っているようだった。
 もっともそれはところどころ甘い調べでね、
 キャンディの入った籠の周りを砂糖好きの栗鼠が
 駆け回っている姿が浮かんできたよ」

これはほんの前奏で、本気になったピアニストは、
次第に佳境に入り、最後には物凄いことになっていく。
その「音」をすべてこのように「言葉」で表現しているわけで、
ここで丸ごとご紹介するわけにはいかないのが残念ですが、
古典落語に匹敵する話芸がアメリカにもあったとは知らなかった。
うまい「語り」で、ぜひ一度聞いてみたいものです。
(ところで曲目は何だったんでしょうね…)

『ジャージーの悪魔』(ベン・C・クロウ編/西崎憲ほか訳/ちくま文庫)

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春の雪

2010-03-30 09:53:53 | 日々
昨日は夕方から雨。
その音がいつもと違うので外を見ると、
みぞれのような半分凍った粒がぱらぱら降っていた。
とっぷり暮れる頃から雪に変わったらしく、
すくって雪玉がつくれるくらいに薄く積もった。

朝日があたった場所から、音をたてて溶けていく。
咲いた花も、これから咲く花もシャーベット状になっていて、
花には気の毒だけれど、とてもきれいな眺め。
それも見ている間に溶けて、きらきらとしずくを光らせる。
雨のしずくと雪のしずくでは、反射も屈折の具合も違う…
と思うのは気のせいだろうか。

元気よく朝のお散歩に飛び出した茶々姫。
「うわ? なにコレ? つ、つめたぁい…」
あたふたとそこらじゅう駆け回っていました。

今夜は、今年2度目の(そして今年最後の)ブルームーンです。
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七枚おろし

2010-03-29 09:32:42 | 日々
家のそばの崖の上に、立ち枯れた木が1本ある。
道に向かって傾き、電線にさわりそうになっていて、
ずっと前から気になっていた。

このあいだの強風で、その枝の一部が折れて落下した。
道をふさいで車が通れなかったので片付けた。
通行量の少ない私道なので、頭上に落ちてくる確率は低いが、
それでも気がかり度はぐんとアップする。
今日、また見上げたら、枯れ木は電線の上にもたれかかり、
電線がたわんでいるのがはっきりわかる。
Mを呼んできたら、「あー、ちょっとやばいね」と。

この電線は敷地内の引き込み線で、
電力会社は面倒をみてくれないから、
各自でなんとかするしかないのである。
しかし、下からはハシゴを使っても手が届かない。
上は崖っぷちぎりぎりで足場が悪い。
へたに伐ると、木の全体が電線に落ちかかるから、
その勢いと重みで断線するおそれがある。
高所作業車でも頼まないと撤去は難しい。
それで今まで伐れなかったのだ。

「どうしたらいいかなあ」と言いながら、
Mが長いパイプを持ってきて、枝を下から押し上げると、
うまいぐあいに電線からはずれ、さかさまになった。
どうやら、すでに根元から完全に折れていて、
電線だけで支えている状態だったらしい。
危なかった。

ずるずると崖をひきずりおろした枯れ木は、
下から見るより大きいが、ほどよく乾燥している。
Mがチェーンソーで素早く「七枚おろし」にして
「今夜のストーブのおかずにしましょう」と言う。
桜は咲いたが、夜はまだ冷える。
わたしは、残りの細い枝をポキポキと折って、
オードブルにお出しすることにした。
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山桜

2010-03-28 09:05:28 | 日々
山桜の一種。
人が植えたものではなく、実生で自然に育った木だから、
正確な品種は特定できない。

家のまわりでは、この木がいちばん花が早い。
いつもソメイヨシノが咲き始めるより早く満開となる。
もうだいぶ大きな木になった。
近づいて、見上げる。
こんなにたくさんの花をひとりで見ている贅沢。

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見たまえワトソン君

2010-03-27 08:25:14 | 日々
ボクの足とくらべても、ずっと大きいことがわかるだろう。
歩幅もかなり広いし、先がくっきり二つに割れている。
これは、猫ではない。鹿の足跡だよ。
昨夜おそく、畑の柵を飛び越えて侵入したのだね。
そいつが犯人だ。間違いない。

(ということで、ほうれん草2畝ぶんが消え失せました。
きれいに刈りとったように、葉っぱ一枚残っていなかったため、
かえって被害に気づくのが遅れました…)
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おんせん

2010-03-25 09:59:26 | きなな日記
おひざにのるのが うまくなりました。

ゆかから ジャンプして いすにのる でしょ。
いすから テーブルにのる でしょ。
テーブルの むこうはしまでいったら、
「ごめんください」
「いらっしゃいませー」
「おじゃまします」
「はい どうぞ」
ほら できた。

おひざは おんせんみたいです。
ほわわんとして うっとりします。
ボタンを かじるのも すきです。
ファスナーも まあまあです。

ぐーごろごろ ぐーごろごろ
きななは ここで うまれたよ ね。
ずうっと ここに いるよ ね。
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古い泉

2010-03-23 09:19:34 | お知らせ(いろいろ)
連載「鏡の中の物語」#3
ニュータイプ・ロマンス2010年春号。

諸事情により、季節がずれました。すみません。
今回はマンスフィールドっぽく書こうと思ったのに、
なぜかまったく違う方向に行っております。
よーく読むと怖いかも。
9回裏逆転満塁ホラーとか?(笑)

さて、掲載誌が季刊から不定期刊になるとのことで、
連載はひとまず終了です。
(もともと長く続ける予定ではなかったので…)
読んでくださった方、ありがとうございました。


ところで、前の連載の「青い羊の丘」ですが、
掲載の都合上、全体の半分しか発表できていないので、
これもなんとかしたいです、ね…。
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ぷりんとキャッツ

2010-03-22 13:30:59 | 日々
まだやってる…よほどヒマなのか(笑
ちょっとコツがわかり面白くなってきたところ。
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どこもキャッツ

2010-03-21 22:48:13 | 日々
携帯の広告を使って、猫パンチで遊んでみた。
バーコード猫もいたり。
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「みんなで!どうろこうじ」

2010-03-20 22:06:26 | お知らせ(新刊)

のりもの絵本の新刊です。
『みんなで!どうろこうじ』(鈴木まもる絵/偕成社)

ちょっと中を見るのは→こちら

出てくる車は、道路パトロールカー、パワーショベル(2号!)、
ダンプトラック、モーターグレーダー、マカダムローラー、
タイヤローラー、アスファルトフィニッシャー、などなど。
上の画像がマカダムローラーですね。
知ってる知ってるー!というのは、やっぱり男の子が多いかな。

道路工事には、おもに「道路の表面」にかかわる工事と、
「地中に埋まっているもの」にかかわる工事の2種類があります。
関係ない人にとっては、うるさいなあ、じゃまだなあ、
というだけのものかもしれませんが、
「何が」「何のために」「何をしているのか」がわかると、
にわかに面白く眺められるようになるのです。
このことを、わたしは個人的に「ニシマル効果」と呼んでいます。
(以前、西丸震也さんの本で読んで、なるほど、と思ったので)

カレー屋のお客とか、謎の帽子おじさんとか、鳥とか猫とか…
例によってゲストも盛りだくさんです。


舞台裏の話はこのへんにも少し。



 

みんなで! どうろこうじ
竹下文子 作
鈴木まもる 絵
偕成社 2010年
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