閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

沢田さんのこと

2010-04-29 10:00:01 | 日々
絵本作家の沢田としきさんが亡くなられたと
新聞の訃報で知りました。

8年前になりますが、『うみのべっそう』という本に
絵を描いてくださいました。
おじさんの別荘ですごす、ちょっと不思議な夏休み…
沢田さんのアイデアをたくさんいただいて、
とびきり楽しい本になりました。

一度しかお目にかかる機会がなかったのですが、
ご本人も、絵そのままに、ほどよく肩の力が抜けた
(…すみません、形容が下手で…)
柔らかい印象の方で、アフリカの太鼓のお話など、
ほんとうにおもしろくて。

まだお若く、これからもっと活躍されるはずだったのにと、
とても残念でなりません。
ご冥福をお祈りいたします。



うみのべっそう (おはなしわくわくシリーズ)
竹下 文子・作 沢田としき・絵
佼成出版社

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ウクレレ男の法則

2010-04-26 08:05:49 | 

時鳥さんから「ウクレレ男」を拝借して、
包丁男の話をつづけます。
なるほど、持つものは凶器とは限らないか…。

お天気の日にいつも傘をさしているおじさんがいたら、
それはきっと「傘おじさん」だ。
前に住んでいた町には、野良猫に餌をやる有名なおじさんがいて、
近所ではみんな「猫おじさん」と呼んでいた。
あるていど親しみが感じられれば「○○おじさん」と呼び、
危険あるいは不気味なら「○○男」と呼び捨てにするが、
どちらも同じものだ。

共通するのは、非日常性、だろうか。
ふつう持たないようなものを持っている。
ふつうしないようなことをしている。
だから、目立つ。気になる。

ヒトは、群れ社会をつくる動物なので、
気になることを見聞きすると、仲間に伝えようとする習性がある。
それが危険なものなら警戒する必要があるし、
良いものならさっそく真似したり利用したりする必要がある。
そうした情報を、より多くの仲間とやりとりするために、
ヒトは言語という便利なものを持っている。

現場にいるなら「ほらほら、あれ!」と指させばすむが、
現場にいない人にまで伝えるには、対象を呼ぶ「名」が必要だ。
とりあえず、目立つ特徴と属性を組み合わせておくのが
てっとりばやくわかりやすいだろう。
こうして「ウクレレ男」や「傘おじさん」が誕生する。
(ご本人が先に名乗らなかったら、某有名歌手だって
「ムーンウォーク男」と呼ばれていた可能性もある…かな?)

〈例〉晴れた日にウクレレを抱えて商店街を歩いていた
某町在住の甲田乙郎さん(自営業・男性)は、
あっというまに「ウクレレ男」になってしまった。

ウクレレ自体は凶器でも怪しいものでもないと思うけれど、
何か「文脈からはずれた」要素があるのだろうか。
乙郎さんが隣の人にウクレレをぽんと手渡せば、
こんどはその人が「ウクレレ男」を引き継ぐのか。

場所はどうだろう。
そこが駅前商店街ではなくハワイの砂浜だったら、
ウクレレを持っていても絶対「ウクレレ男」にならないのか。

そういう問題ではなさそうだ。
「物」と「場所」を選ぶのは、あくまでも「人」なのだ。
つまり、「その物」と「その場所」をあえて選択した乙郎さんの
「意思」の方向が、すべてのモトなのである。

群れの中で、他と異なる方向に動く個体に、周囲は注目する。
警戒して排除すべきなのか、賞賛して真似すべきなのか、
少しでも早く見極めて判断しないと落ち着かないからだ。
そのために名をつけ、注意を喚起し、情報を交換し合う。
(「有名人」というのは、つまりそういうことですね)

唐突だが「ナルニア国物語」を思い出す。
セントール(ケンタウロス)は半分馬だが、
頭を含む上半分が人であるゆえに人間の味方だった。
しかし、頭が牛になっている人(お名前忘れました)は
残りの半分も含めて敵の魔女側なのだ。
「ウクレレ男」も頭がウクレレになっている。
乙郎さんというヒトは、ウクレレというモノを
コントロールしきれず、主従が逆転している。

もちろんそれだけで敵と決めつけるわけではないけれど、
自分の手にしたモノに支配されているようなヒトが、
群れの仲間をより良い方向に導くとは信じがたい
(と、まあ、現時点ではそう判断された)。
そういう意味では「狼男」と同じくくりでも間違っていない。

人と、物と、場所。
この3つのバランスが、ある一定の基準を超えたとき、
(あるいは「はずれた」とき)
何らかの化学反応が起こり、ウクレレ男が発生する
…のかもしれない。
すべては言葉のワンダーランドで起こる不思議な出来事。


(というわけで、「アリス・イン・ワンダーランド」を
観に行こうと思うのですが、2D字幕版の上映館というのが
とんでもなく遠いのであります。
3Dで観ると酔いそうで、帰りが心配だ…)

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久しぶりの晴れ

2010-04-25 13:31:15 | 日々
こちら茶々姫さん。
あったかくて、うれしくて、
こんなんなってしまうのであります。

(道のひび割れは、お茶々のせいではないのよ~)


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鹿の角

2010-04-24 10:28:12 | 日々
先日、家のすぐ横の山で、Mが拾ってきました。
長さおよそ60センチ。
枯れ枝のように見えますが、手にとると、
あきらかに木とは違う、ずっしりした重みがあります。
先端の白っぽい部分はつるつるして貝殻の内側みたいです。

枝の数からみて、4歳以上のおとなの牡鹿でしょう。
角は毎年、春先に落ちて、また新しいのが生えるそうで、
これはきっと落ちたばかりのもの。

「もう片方も落ちてないかな」と探しに行きましたが、
みつかりませんでした。
(拾ったのを持っていってダウジングをすれば
反応があるのでは…と考えたんだけど、だめかな?)

これくらいの角の持ち主だと、体重70キロ以上。
鼻先から尻尾の先まで140センチくらいか。
うわー、大きいなあ。
しかし、よくまあこんな重いものを頭にのせて、
山の中を走り回ったりできるなあ。

昨年はじめて降りてくるようになった鹿は、
あっというまに「常連さん」になってしまったらしく、
そこらじゅうに足跡があり、このごろでは
くっきりと「けものみち」さえできています。

野菜畑の柵を一部補強しましたが、効き目あるかどうか。
鹿は上品で、柔らかい先端部分だけきれいに摘みとり、
猪みたいにむやみに踏んづけたり掘り返したりはしません。
でも、それだって困ることに変わりはないわけで。
レタスの苗を植えたいんだけど、どうしよう。
アスパラガスとブルーベリーも食べないでください。
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背泳ぎの謎

2010-04-18 11:34:52 | 

スポーツニュースを見ていて思う。
どうして水泳に背泳ぎという種目があるんだろう。
どうしてわざわざ後ろ向きに泳がなきゃならないんだろう。
陸上には後ろ向きに走る種目なんてないのに?

調べると、すぐに疑問がとけた。
本来これは「後ろ向きに進む」のが目的ではなく、
「顔を水につけないで泳ぐ」方法のひとつであるらしい。
救命胴衣をつけて遭難者を救助するときや、
船が沈没して海面に重油が浮いているとき、
息つぎの下手な初心者にもできる
一種のサバイバル泳法なのだそうだ。

なるほど、そうか。


 「なるほど、そうかと考えよう」
 「もっとないかと考えよう」
 「なぜ、どうしてと考えよう」

これは、某市立小学校の教室に掲げられている
「学びのめあて」だそうです。
素晴らしい。
わたしも毎朝これをとなえることにしましょう。

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包丁男の謎

2010-04-17 08:39:03 | 

日々、いろんな事件が起こり、報道される。
たくさんありすぎて、端から忘れてしまう。
路上で包丁を振り回して逮捕された。
という、少し前のニュースの見出しが書きとめてあった。

この種の事件、よく「包丁男」と報道されるけれど、
それってどうなんだろう、と思ったから。

狼男。ねずみおとこ。ミイラ男。ドラキュラ。
いやドラキュラまで出てこなくてもいいが、
「包丁男」と「狼男その他」は分類が別だ。
顔が包丁に似てるわけでもないし、
手が包丁になるわけでもないし。
普通の人間が、普通の包丁を持ってるだけ。
なのに、言葉上は、狼男と同列になってしまう。
そのことが、気分的にひっかかる。

ナイフを持てばナイフ男。
爆弾持てば爆弾男。
(あ、「女」に言い換えてもかまいませんよ)
ハンカチ男とかボールペン女とかは絶対言わない。
もっと危ないものを持ってないと。
猟銃。カッター。かみそり。はさみ。バリカン。
のこぎり。かなづち。くぎ。ねじまわし。ホッチキス。
しっくりくるのと、こないのがある。
何が凶器で、何が道具か。
車だって立派な凶器になるけれど、悪い奴が
車に乗って来てもクルマオトコとは絶対言わない。
はて。

ニュースの包丁男は、両手に1本ずつ包丁を持ち、
その他に果物ナイフも持っていたそうだ。
両手に持ってしまうと、どっちもうまく使えないのに、
さらにもう1本持とうとするところがすでに普通でない。
「包丁男」が妖怪扱いになるのは、そこだろうか。

持っていたのが1本だけだったら。
場所が路上でなく、室内だったら。
台所の流し台の前だったら。
まな板の上にネギがのっていたら。
それなら誰も「包丁男」とは呼ばない。
ただの「料理人」じゃないですか。
シチュエーションと用途を誤った人が「○○男」になるのか。
ふうむ。
(この項、ひきつづき考察中)

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おすすめの謎

2010-04-16 10:20:45 | 

音楽を聴くのに、もっぱらちびウォークマンを使っている。
これには「おまかせチャンネル」という機能があって、
朝、昼、夕方、夜、深夜に分類し、聴く時間帯に合わせて
「おすすめ」の曲をランダム再生してくれる。

ふだんはアルバム単位で再生するほうが好きなので、
ランダムで聴くのは長時間の移動中に限られる。
しばらく忘れていた思いがけない曲がひょこっと出てきて、
「あ、これ何だっけ」とイントロあてゲームみたいになる。

しかし、この選曲は、機械的に判断されるんだろうけど、
いったい何を基準にしているんだろう。
「昼のおすすめ」にBOCが多いのはまあわかるとして、
Within Temptationがいっぱい出てくるのは何故?
Secret Gardenが「深夜」なのは妥当かと思うけれど、
そこにいきなり「クッキーのおうさまのマーチ」の
トロンボーンのファンファーレが入るのはどうして??
(ええ、閑猫堂レーベルの曲も10曲ばかり、
バックアップを兼ねてここに放り込んであるのですよ…)

ネットでお買い物をすると、必ずといっていいほど
「これもおすすめ」というのがずらずらとついてくる。
お客の好みの傾向をつかむというのは、
もちろん商売にはとても大事なことだと思うけれど、
そんなに簡単に判断されては面白くないじゃないの。
わざとはずして混乱させてあげたくなっちゃうのは、
わたしだけ?

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カッコウ

2010-04-15 22:49:16 | 日々
電車を待っていたら、カッコウの声が聞こえてきた。
おや、と思うと、どこかでウグイスも鳴いている。
左耳に「カッコー、カッコー」、右耳に「ホーホケキョ」。
うちのあたりにはカッコウはいないので、
この2種のかけあいを聞くのはとても珍しい。

数秒遅れて、もっと珍しいことに気づく。
ここは地下鉄の駅のホーム。
鳥たちはいつから地下に生息するようになったのか。



横断歩道で。
ひとりの老人が、ふいに声をあげ、
「ああ、あそこ。まえは八百屋だった」
「ああ…ねえ」
隣でもうひとりの老人がうなずく。
指差す先にはありふれたコンビニの看板。
それきりふたりとも何も言わない。
黙って信号が変わるのを待っている。


朝一番の映画館で「シャーロック・ホームズ」を観る。
シャーロッキアンにはおすすめできないと何かに書いてあったが、
わたしはそうじゃないので(ジェレミー・ブレットも好きですけど)
これはこれで、たいそう楽しめた。
達者な役者に、ぴったりの衣装。
そして衣装のようにぴったり合った音楽。
それにしても、このホームズ氏の部屋ときたら!
小道具を作る人は大変だったでしょうね…。

さてさて、次回はバートン版「アリス」を観に行かねば。
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グリーン氏の愉快な発明

2010-04-14 06:56:42 | 日々
アメリカはコネティカット州に住むレスター・グリーン氏は、
発明大好きな農場主です。
あるとき、豚のしっぽの中に「カールする物質」を発見し、
抽出した成分を奥さんの髪の毛につけてみたところ、 
たちまちくるくるになりました。
ベッドのスプリングのメーカーからも問い合わせがきたそうです。

りんごの落果を防いで収益を上げる方法も発明しました。
強力な接着剤で枝にくっつけてしまえば良いのです。

赤唐辛子と交配してトマトの新品種も作りました。
唐辛子の保温作用のおかげで、2月に植えることができます。

グリーン氏がいま研究しているのは、新たな通信手段。
伝書鳩とオウムを交配すれば、
伝言を繰り返ししゃべる鳥ができるのではないかと。
それが成功したら、さらにフクロウと交配して、
夜間配達も可能にするつもりだそうです。


…1930年代にこういうこと考えてた人って、いいですね。
なんだかロクダイさんの漫画に出てきそうではないかしら。
あ、実際に役に立ちそうなのが、ひとつだけあった。

寒い朝に、車のモーターを始動しやすくする方法。
夜の間、メンドリを2羽のせておく。

…1羽ではなく2羽というのがほほえましい。

これらはすべて小さな地方新聞に記事として掲載され、
読者を面白がらせたり混乱におとしいれたりしたようです。
ゆ~ちゅ~ぶどころかTVも普及していない時代の新聞は、
作るのも作り甲斐があり、読むのもさぞ楽しかっただろうな。

 『ジャージーの悪魔』(ちくま文庫)他より
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Cat-in-waiting

2010-04-13 08:55:14 | 日々
ペーパーウェイト。
またの名をページキャット。

本を見たり辞書をめくったりネット検索をしたり
メモを取ったりキーボードで文字を打ったり
またべつの文書をいくつかひらいて見たり。
そしてまた本に戻ると、さっき読んでいた場所が
すぐには見つけられない。

そこで、この猫さんに手伝ってもらっています。
黙って座って待っててくれるので、大助かり。
Paperweightをwaitと間違えそうになっちゃうくらい。


ところで、
まるまると太ったきななを体重計にのせてみたら、
もう真鈴ねえちゃんより1㎏ちかく重いのでした。
びっくり。
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