閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

笛吹鳥とカスタネット鳥

2018-12-04 14:14:01 | 木苺通信

透明な空に、笛とカスタネットがかわるがわる響く。
それが冬の始まりの合図。

「木琴森へ」(『木苺通信』より)

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たとえば、今夜のように

2018-08-27 23:27:49 | 木苺通信

 

月が西の峰に沈むまえに、
私たちはゆっくり歩いて帰る。

「月とヨー・ヨー」(『木苺通信』より)

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ふるふると

2018-03-25 17:26:17 | 木苺通信

いつまで歩いていても、誰にも行き会わない。
歩いていると、ときどきすいこまれるように眠くなる。
こんな午後はまたとないのに、花をみているのは私しかいない。

「花の下で」(『木苺通信』より)

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桑の実みつけた

2017-06-06 21:04:41 | 木苺通信

 

誰かに教えてあげたら、喜ぶだろうな、
とトプは思ったので、場所をちゃんとおぼえておいた。

「果実時計」(「木苺通信」より)

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光る音と、言葉(Reprise)

2014-01-25 23:10:51 | 木苺通信

 

思い出は、どんな小さなかけらも拾いあつめ、
きちんと重ねて蓋の内側にしまっておく。
楽しいものは上のほうに、悲しいものは下に。
それはみんな、やがてひとつに溶けあって、
ピアノの音を美しくしてくれるものたちだ。

「秋のソナタ」(「木苺通信」より)

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初夏の封印

2013-06-04 14:46:57 | 木苺通信


野生のさくらんぼは深い紫に。
あんずの実は琥珀色に。
夏の果実と、秋の時間が、香り高い冬の酒をつくるのだ。

「木の実は森に」(『木苺通信』より)

 

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水玉万華鏡

2012-03-24 20:58:47 | 木苺通信

この季節に、僕たちを取り巻くものはすべて美しく、
誰にも順番なんてつけられやしないのに。

「カレイドスコープ」(『青い羊の丘』より)

 

 

 

 

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せっかくのお天気ですから

2011-04-10 09:42:56 | 木苺通信

ゆっくりと注がれるうすみどりのお茶。
日の光のひときれ。
てのひらからこぼれる白い菓子。


「花の下で」(『木苺通信』より)

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光のほうへ背伸びする

2011-02-18 17:15:52 | 木苺通信

大きな飛行船のような輝く雲が、
空をゆっくりと流れる。
木々の枝先の、不思議なあかるさ。

「鳥のように」(『木苺通信』より)

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無音の喝采

2011-02-13 09:26:44 | 木苺通信

声をかけられなくて、僕がためらっているうちに、
雪が降り始めた。


「冬の手品師」(『青い羊の丘』より)

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