閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

3月の花いろいろ

2025-03-23 16:30:28 | 日々


ミツマタ(三椏)の花。顔を寄せるとほんのり香りがする。





ジンチョウゲ科…と言われれば、なるほど、あつまって咲く花の形も、枝ぶりもよく似てますね。
下は斑入りのジンチョウゲ。



このあたりの山には、もともとミツマタ、コウゾが多く、針葉樹の植林ばかりになった今も、明るい林の縁などに残っている。
広い田畑の作れない山村では、炭焼きや養蚕のほか、和紙の原料になるこれらの植物が、かつては貴重な収入源になっていた。
これくらいに切って、何本束ねて、それを何束単位でいくら、という話を、もう30何年か前にお年寄りに聞いたような記憶がうっすらとある。書き留めておかなかったのが残念だ。
ミツマタは紙幣にも使われているけれど、現在はほとんど輸入に頼っているそうです。



ふきのとう。雄花から少し遅れて、雌花が出てきた。
黄色味のある雄花にくらべ、雌花は白くて細い糸状で、ややぱさつく感じはあるけれど、雄花より苦くない…ような気がする。
試しにふき味噌を作ってみたら、下茹でしなくても、ほどよいほろ苦さに仕上がった。
20センチも伸びてしまったふきのとうは、てっぺんの花の部分を除き、茎と葉だけ刻めばじゅうぶん使えるそうですが、うーん、そこまでしなくても、また来春のおたのしみで、いいかな。



西の川沿いの、このあたり一帯、ざっと見回して30個ほどが、すべて雌花。
雄花と雌花はあまり混在せず、別々の場所にかたまっていることが多い。一つ一つではなく、地下茎でつながっているグループ全体が、雄株か、雌株か、ということなのだろう。
雄花の咲く場所から、ここまで、わたしの足で100歩ほど。花粉は風や虫が運んでくれるから、それくらいの距離は問題でないのかもしれない。
それに、たとえ受粉しなくても、フキは地下茎でどんどん増える。川の斜面や崖地のような、柔らかく崩れやすいところを好み、土が固まって安定してくると、いつのまにか姿を消すという。
そういうとき、新天地を求めて旅立つための、風に乗る綿毛の種子という手段も、フキはちゃんと備えている。




日一日と「お花」になってゆく銀猫ちゃんズ。



アジサイの新芽。
昨年の猛暑で、枯れたかなと心配していたいくつかの品種も、根元にしっかりした芽が出ていて、ほっとする。



そして、バイモ(アミガサユリ)。
記録をさかのぼってみると、だいたい3月19日から23日にかけて咲いていた。今年は、まだひとつだけ。




青白く、なよなよと柔らかく、一年の半分以上を眠ってすごすという、なんとも不思議な植物だけれど、今年もお顔を見られて、嬉しい。
(地面に大きな栗のイガがいっぱい落ちているため、「下から」撮るのは超難しいのよ)



おさんぽ、コマ付き。
(栗のイガのところから、ずーっと乗りっぱなし)




お? クレも来た。


本日の「いいね!」

ミニチュア写真の世界展2025

「本物そっくりのちっちゃいもの」って、どうしてこれほど人をひきつけるのでしょうか。おままごと遊びの楽しさ、だけでは説明しきれない、もっと根源的な何かがあるような。

…と、もうひとつは、「いいね」じゃないね。

【大阪・関西万博】波紋広がる「90トン」石の日かげ棚

これは昨年の秋の記事だけど、現在はどうなっているのかしら。

使う人の安心感や心地よさを二の次に、自分の存在が目立つ新奇なものを作りたがる、いわばファッションデザイナー感覚の「新進気鋭の建築家」と、それを考えなしに喜びもてはやす自治体の組み合わせって、何なんだろうね。

前に紹介した〈蟻鱒鳶ル〉(アリマストンビル)だって、似たようなものじゃないかと言われるかもしれないけれど、実験でも挑戦でも自己主張でも、個人の楽しみとして自力でこつこつやるのと、公共の場で不特定多数の人々を対象に(税金、のことは言わないまでも)作るのとでは、まったく次元が違う。
もともと「万博」というもの自体、みんなが「見たことのないヘンなもの」を期待してやってくる見世物小屋だと思えば、これで良い、のかもしれませんけど。
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ノート

2025-03-19 21:44:07 | 日々

昨日は寒の戻りで、一瞬あられが降ったりもしたけれど、ようやく咲き始めたプリムラ・マラコイデス。




おや、こんなところに? のタチツボスミレ。



メアリーちゃんも、花壇の一員のような顔をして。



椎茸。3日連続で、これくらいずつ採れました。
お天気が良すぎればたちまち開きすぎてしまうし、雨にあたるとぷよぷよの「雨子」になってしまうから、なかなか油断できない。
早採りした、まだ傘が開ききっていない「冬菇(どんこ)」は、肉厚でとても美味しいです。

そして、ブロッコリー君。今季はもう、これっきり、ですか?
最近のブロッコリーは、スティックセニョールとかいう中国野菜とのハイブリッドで、花蕾が大きな丸いかたまりにならず、最初から二番芽、三番芽みたいな小さいのしか出てこないらしい。
ホームセンターで売っている苗は、プランターでも作りやすいというこの品種が主流になってしまったのか、「スティックじゃないのを買ってきてね」と頼んでも、植えて育ってみるとまたこれで、あらまー、と思う。
来年こそは。




40年近く使ってきた料理ノートが、書き込みやら書き足しやらで、ずいぶんごちゃごちゃになってきて、なんとかしたいと、だいぶ前から思っていた。

よく見るページ(きゃらぶき、栗の渋皮煮、らっきょう漬など、季節のもので、自分なりの黄金レシピができている)は、濡れてカパカパになったり、お醤油のしみがついたりしている。
古い料理本からの抜き書きや、美容室の雑誌で見た美味しそうなものを帰ってすぐに書き留めたもの。いつか作ろうと思っていたけれど、今となってはもう絶対作らないなというレシピもある。
さらに、清書していないばらばらのメモ用紙が間にいっぱいはさんであるものだから、それをたびたび落っことしては拾い集めるという現状。

ここらでノートを新しくして、すっきり整理しようと思うのだけれど、問題は、ノートに書いてしまうとあとで順番が変えられない、ということですね。
現在、1冊は「保存食」「おかず」、もう1冊は「ジャム」「スイーツ」と、ざっくり分けてはあるものの、追加するときは後ろの空いているページに書くしかないから、年月と共にごちゃごちゃになっていく。
大根は大根、きゅうりはきゅうりで、まとまっていると探しやすいのになあ、とか、ジャム類は季節ごとに並べたいなあ、とか思っても、そうはいかない。

いっそのこと、すべてパソコンで管理すれば、ということも考えた。(ええ、いちおう考えるだけは考えたんです・笑)
これは検索ができるのが最大の強みだ。ごちゃごちゃに放り込んでおいても、呼べば出てくる。整理はぜったい楽に違いない。しかし、使うたびにパソコンを2階から台所に持ってくるという点で、便利とは言い難い。

あと思いつくのは、ルーズリーフくらいかな。リング綴じで、紙の入れ替えや増量も自由だから、ノートの欠点はカバーできる。ただ、サイズが大きいので、台所では場所をとるのが難点だ。

…ということで、なかなか着手できずにいたところ、A6判という手帳サイズのルーズリーフをみつけたのです。
リヒトのオープンリングノート。表紙は水濡れに強く、色は5色から選べるし、リングの開閉も軽くて、まったくストレスがない。横罫以外にドットと方眼のリフィルもある。まさにぴったりじゃないですか。

ノートを買うなんて、久しぶりで、なんだか学生時代みたいだ。
ひまをみて、古いノートから少しずつ書き写しているところ。久しく作っていない焼き菓子のレシピなど、ものすごく細かく手順が書いてあって、この先また作ることがあるかどうか…いちおう残しておこうか、どうしようかと迷う。

そういえば、手で書くことが減ってから、わたしはずいぶん字が雑になった。漢字の形もぐずぐずとあいまいになってしまい、あとで自分で見ても、ナンダコレ?と思うことがある。
せっかくだから、お習字の練習のつもりで、なるべくきれいな字で、ゆっくり書くことにいたしましょう。


本日の「びっくり!」

土星の衛星を128個も発見、計274個で断トツの王者に

ぜんぶ名前つけるんだ…と、そこに一番驚く。
先日見たTVに、ワオキツネザル50頭の顔と名前をすべて覚えているという飼育員さんが出ていたけれど、約14億キロメートル先にある274個の衛星、天文学者さんなら見分けられるのかしら。
「やあ、タイタン、調子はどうだい?」
「おはよう、ディオネ、きょうも美人だね」
ひとりずつ名前を呼び終わる頃には夜が明けてしまう。
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ツーピー

2025-03-14 17:00:30 | 日々

どっと咲いたクロッカス紫。



5日ほど前に満開だった河津桜。もう散ってしまったかな。うちの木ではないけれど。



お山のイカルさんズ。相変わらず十数羽の群れでいるので、まだ本格的な繁殖には入っていない様子。



ヤマガラが枝のてっぺんで「ツーピーツーピーツ」と高らかに鳴きだしたら、下にもう1羽来て、お見合い? それとも、にらみ合い?
2羽でくるくると追いかけっこのように飛んでいった。



2階ベランダの「雨の日支店」は、結局こうなりました。
改良を重ねてどんどんシンプルに。これが正しい進化形。






着陸から離陸まで、2秒足らず。びゅんっ。
(このあと急に雪でも降らない限り、今シーズンの「支店」は出番なしです)




もう着ないコートを処分するつもりで出しておいたら、クレ坊がすっかり気に入ってしまったので、捨てるに捨てられず。家猫あるある。



…あらあら?


本日の「いいね!」(W先生からシェア)

イギリスの大手スーパーが、賞味期限が迫って値引きになった「イエローステッカー」商品を、一部店舗で夜9時半以降「無料」にすることに。食品ロスを減らす取り組みの一環として。

大規模チェーン店で、不特定多数の客を相手に、毎日毎日、常にあり余るくらい大量の食品を売るからこそ、大量の「食品ロス」という事態が起こるわけで…なんとなく、巨大化しすぎた恐竜の末路を連想してしまう。
日本には「残り物には福がある」という言葉があるくらいだから、こういうことは積極的にやっていただきたいものです。

ついでに、上の記事とは関係ない話ですが…。
たまにスーパーやコンビニで、自分では絶対作らない(作れない)ようなお弁当の類を、見た目にひかれて買ってしまうことがある。
たいていは食べてがっかりしたり(思ったのと違う)、反省したり(カロリー多すぎる)するのだけれど、それはともかくとして、2人分のお弁当を週に2度も買ったりすれば、たちまちごみ袋がプラスティック容器でいっぱいになってしまうのです。
考えてみるとこれは怖い。自分で食事を用意できない高齢者や単身者でも、いまはコンビニも生協も宅配弁当もあるから、便利だよね、と簡単に思っていたけれど、昼と夜、昼と夜、出来合いの容器に入ったものばかり食べ続けていれば、どうなるか。
収集日を忘れたり、寝坊したり、ちょっと場所が遠かったり、雨だったり、単におっくうだったり…ほんの些細なきっかけで、かさばるプラごみは加速度的に増殖を始める。一度に運べる限度を超えると、人目も気になってますます持ち出しにくくなる。やがてそれが見慣れた光景になり、静かに日常に溶け込んでいく…。
コンビニ弁当はごみ屋敷への第一歩。かもしれない。と思いました。こわー。
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ムササビふたたび

2025-03-12 16:40:35 | 日々
うちの玄関にムササビがいた話を前に(→ココ)書きましたが、まさかまた会えるとは。
といっても、こんどは夜で暗かったから、会ったというほどではないけれど…ムササビは夜行性で、「夜しか会えない」のが普通なのです。

一昨日のこと。夕食後に居間でTVを見ていたら、外から何か聞こえてきた。
「くりりっ…くりりっ…」というような単調な繰り返し。「音」のような「声」のような。
カエル? とまず思ったけれど、カエルが鳴くには季節が早すぎるし、アマガエルともモリアオガエルとも、もちろんヒキガエルとも全然違う声。そして、明らかに「頭の上から」聞こえてくる。
Mがライトで上を照らしてみると、庭の山桜の枝先がゆーらゆーらしていて…



いました! ムササビちゃんだ!



ふわっ、と手足をひろげて、音もなくすーっと滑空し、あっというまに川のほうへ消えました。
(絵はあとでMに描いてもらったもの。わたしの印象は、もっと四角い感じで、「シッポのついた空飛ぶ小座布団」のようでした)

今回は、たまたま家の近くで鳴いたから気づいたけれど、そうでなければ、夜間に目撃することはほぼ不可能だと思う。
でも、やっぱりいるんだ、ムササビ。
誰も知らない夜中に、むこうの山からこっちの山へ、真っ暗な中をすーっ、すーっと飛行してるんだ。

ムササビは植物食で、果実や木の実、春先には木の芽や、ツバキの花なども食べるそうです。
桜の枝にとまっていたのも、花芽を食べに来たのかな。
いつのまにか消え失せるキンカンやビワの実も、カラスとハクビシンだけでなく、ムササビも食べているかもしれない。カラスと思うとくやしいけれど、ムササビなら許してもいいかと、ついつい思ってしまいます。

江戸中期につくられた「和漢三才図会」という百科事典(全105巻!)では、ムササビはコウモリと一緒に鳥の分類に入れられているとか。


これ、ですね。国立国会図書館デジタルライブラリーより拝借。
右がムササビ。このひとつ前がコウモリ。左ページの鶏っぽいのは、よく見ると足が4本あるみたいで、何なのこれ(漢文読めない)。
そもそもこの巻には、鳳凰とか姑獲鳥とか、虚実ごちゃまぜで入っているんだけど(笑)




この絵は、なんとなく正しいようでもあり、間違ってるようでもあり。「毛皮のある鳥」と思って描いているからこうなるのか。
名前の欄には「毛美(もみ)、無左々比(むささび)、野衾(のぶすま)、毛毛家(ももんが?)」と併記されており、この時代、ムササビとモモンガは混同されていたらしいことがわかります。

***

ついでに。
「むささび・もま事件」の話を、以前ゆうこさんに教えていただいて、面白かったので、ここに書いておきましょう。

大正13年11月。高知県の猟師が、神社の境内でムササビをとり、狩猟法違反の罪に問われた。しかし当人は、自分がとったのは地元で「もま」と呼ばれる獣であり、禁猟の「むささび」だとは知らなかった、と主張し、有罪か無罪かで大審院まで争われた。大審院というのは、現在の最高裁判所にあたります。

その同じ年の2月に、栃木県では「たぬき・むじな事件」というのもありまして、禁猟の「たぬき」をとったとして逮捕された猟師が、「むじな」をとったのだと主張して、これまた大審院まで…。
(この事件は、「むじな」を岩穴に追い込んだのが2月末、仕留めたのが禁猟明けの3月だったことから、よけいややこしくなったらしい)

結論を言ってしまうと、「むささび・もま」の被告人は有罪、「たぬき・むじな」のほうは無罪と、正反対の判決が出たわけですが、この非常によく似た2つのケース、いったいどこが違ったのか。

簡単に言えば、知らずにやったのか、知っててやったのか、ということですね。
これは「事実の錯誤」と「法律の錯誤」の識別の問題として、法律を学んだ人なら誰でも知っているという有名な判例なのだそうです。
(興味のある方は、Wikiなどに詳しく出ていますので調べてみてください)

ムササビの地方名として「もま」は初耳でしたが、上にあげた「和漢三才図会」には、「毛美(もみ)」の名が載っているので、もま、もみ、もも、いずれも古くからの呼び名だったのでしょう。
ムササビって、狩猟の対象としてはかなり小さめだし、そのわりに難易度が高そうな気がするけれど、食材としてはともかく、ふっかふかの毛皮は高級な防寒具として、あるいは筆の材料として高値がついたというから、やっぱりこの猟師さんは、「知っててやった」んだろうね。

ところで、「たぬき・むじな事件」のほうですけど、これはタヌキの呼び方が2通りある、というだけでなく、一方がイヌ科のタヌキをさし、他方がイタチ科のアナグマをさす場合もあり、それが地方によって真逆だったりと、非常に複雑なので…。
猟師のとった獣が、はたしてタヌキだったのか、アナグマだったのか、ということが、閑猫には大いに気になるところです。

<3月16日追記>
気になるので、例によってしつこく調べまして…(笑)
夏井高人教授(明治大学・法情報学)の「狸狢事件判決再考」という論文を参照させていただいたところ、どうやら栃木の猟師さんは、アナグマを「たぬき」、タヌキを「むじな」と認識しており、実際にとったのはタヌキ、だったようです。



わたしは先ほど「コマ吉」にゴハンをあげたのだが、「コマにゃ」はまだもらってないと主張しておる。

コメント (2)
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菜の花

2025-03-10 11:51:47 | 日々

畑の青菜や、畑の外のナンダカ菜も、次々と茎を立てて花をつけ始めた。
ルッコラは盛りを過ぎたけれど、これからどんどん出てくる花の部分は、ゆでて胡麻和えにすると美味しい。
でも、たまには正統派の「菜の花」(=アブラナ)も食べたいな、と気まぐれを起こし、スーパーの野菜売り場で手に取った。
ふと横を見ると、見切り処分で半額になった野菜が、コンテナに無造作に入れられている。菜の花はつぼみの一部が黄色い花になりかけ、葉っぱもしおれて元気なく見える。
菜の花はつぼみのうちに食べるもの、ちょっとでも咲いてしまったら売り物にならない、ということだろう。でも、わたしはそうは思わないので、これこれ!と喜んで2束買ってきた。

帰るとすぐ茎の先を切り、水を張った鍋に浸ける。1時間もすると、見違えるように葉先までしゃんとして、全体量は4、5倍にもふくらみ、台所は菜の花の香りでいっぱいになった。
ひらいた花をつまんで食べてみると、苦味など少しもないし、かすかな蜜の甘みさえ感じる。花だけ生でサラダに混ぜるときれいだし、もちろん一緒にゆでても問題ない。この「見切り品」を見逃す手はありません。

(葉もの野菜を買ったときは、いつもこうしている。ちょっと古かったかな、失敗したかなと思うブロッコリーでさえ、魔法のように生き返るので面白い。そのあと、ゆでるものはゆでで冷まし、冷蔵庫に入れるのは最後です)



年に一度だけ食卓に上がる菜の花のおひたしは、ほろ苦い春の味、ちょっと背伸びして食べる大人の味で、なんとなく嬉しいものだったな。
久しぶりに買った菜の花は、品種改良のせいか、ハウス育ちのせいか、物足りないくらい苦味が少なくなっていた。
野菜や果物だけでなく、パンでもお菓子でも、あらゆる食品が甘く、柔らかく、食べやすく、手間のかからないことを目指しているようだ。これもユニバーサルデザインというのか何というのかわからないけれど、そのぶん味覚の記憶には残りにくいのではないか…ということをちらっと考えました。



ヤブツバキ。



沈丁花もいい香り。



テタテトもテタテト咲いたよ。



あのあたりでイカルの声がする。さえずりと呼ぶにはのんびりした調子で「お菊さァん、レシートくれん?」などと聞こえる。(←閑猫耳!)
2羽か3羽交互に鳴いているようだけれど、ここからでは1羽も見えず。




メジロやヒヨドリにみかん類を出すと、たいていヒヨが片っ端からつつき落としてしまう。最近ではカラスが来て丸ごとくわえていくので、よけい始末が悪い。
しっかり固定する方法はないかと、いろいろ試してきたけれど、どうもうまくいかない。がっちり固定すればするほど、取り替えるときが面倒なのだ。

ほとんどあきらめていたところ、先日たまたま見かけた投稿で「空中にぶらさげる」という方法を知り、その手があったか! と思った。
コロンブスの卵というか、逆転の発想ですね。取られないようにするには、固定しないのだ。
方法は簡単です。しっかりした長い針金(おじさんたちが「番線」と呼ぶやつ)を1本用意する。上からみかんを通し、下は抜けないように止めておく。上はハンガーのように曲げて、枝にひっかける。それだけ。

身体の大きいカラスは、宙ぶらりんのみかんにとまることはできないし、空中でホバリングしながらくわえることもできない(でしょ?)。
針金さえあれば、どこにでも移動できるから、みかんを枝の近くに寄せればヒヨさんも食べられるし、そうでなければメジロ専用になる。
なぁるほど。

ということで、早速ためしてみたのですが、みかんは上から簡単に抜き差しできるし、見た目もシンプルで、とても良いです。
しかし、蜜源になる花はすでにあちこちに咲いているし…野良夏みかんは酸っぱいのをみんな知っているらしく、いまのところ誰も来ない(笑)





本日の「いいね!」

Maurice Ravel: Bolero

Wiener Cello Ensemble 5+1 による4重奏…と言っていいのかどうか、まあ、とにかく、たいへん(笑)
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支店

2025-03-05 10:08:24 | 日々

冷たい雨の日。
ヤマガラさん代表が、2階まで陳情に来ました。



ゴハン足りないの!

庭の餌台は、窓を開けて20と3歩(←数えた!)の距離。しかし、通路が狭いので、片手に傘、片手に餌容器を持つと歩きにくく、たいていびしょ濡れになってしまう。
考えて、急遽2階のベランダに、臨時の「支店」を出すことにした。
ここも雨があたるとはいえ、窓から2歩という便利さ。
雨が降っていれば猫はベランダに出ない、という前提ではあるけれど、万一を考えて「外側」に、ありあわせの古いざるを紐でくくって、なんとか…




できた! と思ったら、もう来た!

最初は上の手すりにとまって、3秒ほど首をかしげながら周囲をうかがっていたけれど、2回目からはどんどんダイレクトに来る。
場所や容器が変わっても、まったく警戒する様子はない。というより、採餌と警戒はつねにワンセットであり、生きることすべてがいつも命がけ、ともいえる。
危険か安全かを、いかに素早く見極めるかが、ときには運命を分ける。鳥の寿命がヒトの10分の1(以下)だとすれば、この子らの時間は、ヒトから見れば10倍速の早送りのように流れているんだろう。

とにかく急ごしらえなので、まったく「映え」ませんが(笑)
雨がやんだら、もうちょっとましなものを作りましょう。
いや、その前に春になるかな。


<3月6日追記>


そして、新バージョン!
さまざまな容器を検討した結果、ひまわりの種が底からこぼれ落ちないのは、やっぱり台所用品のこれしかなく、「映え」ないことは変わりませんが…材料費220円だもの(笑)
大きい洗濯ばさみでとめてあるのは、いちいち紐を結んだりほどいたりせず、ぱぱっと付け外しできるようにです。必要は発明の母なり。


本日の「いいね!」

「お菓子を食べれば」って、実際はマリー・アントワネットの言葉ではないらしいんですが…言ったことにされちゃうというのもインフルエンサーの宿命か。

ついでに、こちらも。(真面目な記事よ)

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町田尚子さん絵本原画展(芦屋)

2025-03-03 16:24:49 | お知らせ(いろいろ)


「隙あらば猫 町田尚子絵本原画展 」

会場:芦屋市立美術博物館 エントランスホール、第1展示室、第2展示室
会期:2025年3月15日(土)-6月15日(日)
休館日:月曜日(祝日は開館)、5月7日(水)
開館時間:10:00-17:00(入館は16:30まで)
観覧料:一般 1,000 (800)円、大高生700 (560)円、中学生以下無料

サイン会、関連イベントなど、詳しいことは→こちらから。

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ふきのとう

2025-03-02 22:20:16 | 日々

4月下旬並みの暖かさだとか。
ふきのとう、みーつけた。
これは雄花。先に咲くのはたいてい雄花ばかり。



本日の収穫。
右は、咲きすぎ。こうなると、花粉が入って味が落ちるし、茎が伸びてぱふぱふしてくる。
左のも、食べるにはちょっと遅いくらいだけど、まあいいでしょう。

ここ数年、ふきのとうがあまり出なくなり、保護のため見るだけにしていたけれど、今年はわりとたくさんある。
通り道で踏まれそうなのから選んで、6個ほど採れたので…



ふきのとう味噌をこしらえました。

ふきのとうは、ほんとは天ぷらが美味しい。たらの芽でも何でも、たいていの山菜は天ぷらにすると苦味がやわらいで食べやすくなる。
しかし、本日はあいにくMがお留守。ふきのとうは採ってすぐ揚げないと、アクで黒くなりやすい。採らずにおくと、この陽気ではどんどんお花になってしまい、どっちみち明日までもたない。
ということで、とりあえず保存の効くものにしました。
ふきのとう味噌は、苦すぎてもだめだけど、苦味を抜きすぎると台無しで、ほどよい「ほろにが」で止めるのが難しい。年に1回くらいしか作らないから、毎年コツを忘れてしまう。
炊き立てごはんにのせて食べたい。

***
ところで、前回(2月28日)に書いた「水菜と何かのハイブリッド」の話のつづき。
こういう雑種がまた種をつけるときりがないので、花咲く前に抜いてしまうことにした。捨てる前に、ふと葉っぱをちぎって噛んでみたところ、意外に苦味も癖もなく、ばさばさした見かけによらず筋っぽさもない。
もしかしたら食べられるのでは?と(いちおうアブラナ科の植物に有毒のものはなかったはず…)、ちょうどお野菜が何でも高いときなので、ためしに一束持ち帰り、ざく切りにして炒め、あり合わせの油揚と煮つけてみた。
お味はやっぱり水菜に似て、食感は小松菜のようでもあり。美味しい!と感嘆符がつくほどではないけれど、まあまあ普通におかずとして利用可能であることがわかった。
見た目だけで「悪いとこ取り」なんて決めつけてはいけませんね。
しかし、こういうナンダカ菜(と命名)は気まぐれなので、ほっといて来年も同じのが生えるとは限らない。それに、勝手なハイブリッドばかりが元気で、いっしょうけんめい植えたものたちはサッパリ、というのも、なんだかなあ。



きらきらピンク猫柳ちゃん。




お山のカラスは、今年もらぶらぶ。



去年と同じペアかな。まったく見分けがつかないけれど。



夕暮れ、ほそいほそい月と、一番星。



直径15センチの円にぴったりおさまっている。



コンパクトに収納できて場所をとりません。



出かけるMが置いてったメモ。
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ヴェロニカ・ペルシカ

2025-02-28 22:05:23 | 日々

歩く子に両手さし出す犬ふぐり 虚子

春いちばんに足元に咲く小さな明るい青。
本名があんまりだからと、別名の「星の瞳」で呼ぶ人も。しかし、そちらはまたずいぶん綺麗すぎて、逆にちょっと口に出しにくいような…(笑)

ちなみに、一般にベロニカの名で知られる園芸植物(ルリトラノオ)は、一見これとは似ても似つかない穂状に咲く花ですが、ひとつひとつの花をよーく見れば、なるほど、です。




ホトケノザのメアリーちゃんと並んでみた。
周囲にはヒメオドリコソウ、ハコベ、タネツケバナなど、いつものお友達がそろいました。




ようやく咲いたクロッカス。例年より1週間は遅い。
毎年トップに咲くはずの黄色が、今年はなぜか見当たらず、二番手の薄紫から。



梅は良い香り。



河津桜は…相変わらず、ぱらぱら咲き。
つぼみは枝にたくさん見えるけれど、早く咲きすぎた花はとっくに散り、あとに緑の葉っぱが出始めている。こうして「いつまで待っても満開にならない」という、ナントカの七不思議みたいな謎の桜になってしまった。
観光名所では、ようやく五分咲きで「見ごろ宣言」ができ、みなさんほっとしていることでしょう。




年々野生化していく甘夏も、この季節の景色としてはいいもの。



えーっと、キミは、だれだ?
毎年、アブラナ科の「新種」が勝手に登場する畑のまわり。水菜と何かの「良いとこ」じゃなく「悪いとこ取り」みたいなハイブリッド。 




そして、ブロッコリー! いまだにピンポン玉大のが1個だけって、どういうことだ?
(期待はしてなかったけどね…)



昨日の夕方の空と、



本日の夕方の空。
どちらも同じ方角、ほぼ同じ時刻。



コマ吉の特技「お手々ないない」。


本日の「いいね!」

7年建設が進まなかったダム、ビーバーが一夜で…?

ビーバーの能力もびっくりだけど、それを素直に認めた人間も偉いです。
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春まであとすこし

2025-02-25 14:13:04 | 日々

昨日、当地では珍しく雪が舞い、つかのまの「雪景色」を眺めることができましたが、たちまち溶けて…




今朝は、一面の霜。
小鳥さん用の水飲みがカチカチに凍っていたので、新しい水を汲んであげようとしたら、庭のホースも端から端まで凍っていました。



霜は、シダの葉のがいちばんきれいだと思う。



アシタバ。もう新芽がちらっとのぞいている。



朽ちた切り株に生えた苔みたいな霜。



桜草のつぼみも、さむさむ!



ルッコラ畑、急速解凍中。
朝日があたると、みるみる溶けていく。お日さまは偉大なり。

冬野菜がどれもあまりよく出来なかった中で、ルッコラだけはずっと元気で、わさわさと茂っている。耐寒性があり、霜くらいはものともしない。
まいたのは「ルッコラスプラウト」の種。1袋買えばずいぶんたくさん入っている。スプラウト時代から間引きがてら摘んで食べ、大きくなったら、毎回必要なだけぽきぽき採ってきて、いまは茎がちょっと固くなってきたので、緑の葉っぱの部分だけちぎって食べている。

すこし昔の英国の小説を読むと、上品なお茶の時間に「クレソンのサンドイッチ」が出たりするけれど、クレソンのかわりに辛味のないルッコラなら、子どもにも食べやすいかもしれない。卵、ハム、チーズ、何にでも合う。茎を除いてパンにはさむと、手品のようにたくさん入ってしまうのです。
そういえば年末くらいから、レタスを一度も買わない。ルッコラのほうが、風味も栄養も優っている…ような気がするので。

***
夕方、東の山から、ウグイスの初音。
だけど、「ホー」抜きで、「ホケキョ…ケキョ…ホケキョ」と小声で鳴いているのが、なんとなくあやしい。
きみは本当にウグイスかい?

***
きょうは久しぶりに鹿の姿を見た。柵の向こう側だ。
「ピョッ!」という警戒音に続いて、どさばさと複数の足音がしたので、沢の奥をのぞいたら、群れの最後尾だろうか、ほっそりした若そうな鹿が一頭、立ち止まってこちらを振り返っていた。
さらに3歩近づいたら、おしりの白い毛をぽんぽんとボールのようにはずませて、かろやかに逃げていった。
ちゃんと棲み分けができていて、ヒト側に被害を及ぼすことさえなければ、鹿でも猪でも、動物はみんな可愛い。
しかし、がんばって柵をつくって、物理的に阻止するしかないのが現状。




うちの可愛い猫は、寝ております。



こっちも。
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