日記

お遍路情報と、日記を綴っております。

似顔絵描きの藤岡さん

2018-05-30 22:10:28 | 日記

 昨日、三角寺の境内に登って行くと、ご夫婦が似顔絵のお接待をしていた。朝、テレビに出ていた四国中央市の方だ! 退職後、三角寺でお遍路さんに似顔絵を描いてさしあげている。毎日ここに来ているとは言ってなかったので、まさかこのタイミングでお遇いできるとは思ってもみなかった。   

 さっそくお声をかけてみる。にこやかで感じのいいご夫婦だ。ほぼ同年代の3人は話が弾む。昔、仙龍寺はお参りに行く人も多くて、賑やかだったようだ。教師をしていた母が言ったことだが、生徒たちを連れて仙龍寺で宿泊したこことがあったという。たくさん泊まれる施設だったんだね。学生や若者たちが、主に夏、利用したのかもしれない。藤岡さん(似顔絵のかた)がおっしゃるには、仙龍寺には檀家もないそうで、いったいどうやってあの大きな建物を維持しているのだろうと心配になる。

 「三角寺の大奥様はお元気ですか?」

と藤岡さんにきいてみた。

 「もう亡くなってますよ」

 10年前、山道を調べに何度もここにきていて、大奥様と少し話をしたことがある。その時、奥様は野菜畑の手入れをしながら

 「野菜を孫に食べさせたいけれど、お嫁さんがあげてくれないのよ」

見ず知らずの私に、寂しそうに愚痴を漏らして、ミニトマトを摘んで、持たせてくれたことを思い出す。このお宅でも嫁舅の確執がありそうだと感じた。

 「私たちは、お嫁さんとしか話したことないんですよ」

と、藤岡さんが意味深に笑った。藤岡さんはお嫁さん、私は大奥様の愚痴しか知らない。それぞれ、自分の話を聞いてくれる見方を持っていたんだね。

 そもそも、嫁と姑が、真にうまくいくはずはないと思っている。義理のあいだでは決して本心を言えない。たてまえは笑顔で繕わなければいけない。嫁と姑は相いれないと割り切って、ムキにならず冷静に接するのが理想だ。急に、上品できれいな大奥様を思い出した一日だった。

  

 私も一枚描いてくださった。似てるかな?

 三角寺に来たのは、ここから仙龍寺まで道を確認するため。入梅したからにはいつ雨に遭うかわからない。おしゃべりは楽しいけれど、急がないと。12時のチャイムが鳴った。お天気の日、お昼ごろここに来ればまた会えるかな。

  


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