「コロナとの共生」という気持ち悪い言葉があります。
人類規模で生命の不思議を語る文脈での
「ウィルスとの共生」ならまだわかります。
それは人類のみならず、すべての生物の宿命だからです。
しかし、
「スペイン風邪との共生」「インフルエンザとの共生」
「SARSとの共生」「エイズとの共生」
という言葉に違和感があるように、
「コロナとの共生」も違和感があります。
そう言う場合には、「コロナウィルスとの共生だ」という
逃げ道は用意されているのでしょうが・・・。
それが政治家のスローガンになるというのが、
どうもよくわかりません。
スペイン風邪は終わっているというか、
そもそもインフルエンザウイルスH1N1の亜種だそうですし、
インフルエンザとは、厭でも共生し続けています。
SARSは毒性の強さにあっという間になくなりましたし、
エイズとの共生など苦しそうで辛そうで、
共生したいとも思えません。
一体、「コロナと共生しよう」とは、どういう料簡なのか、
私にはよくわからないのです。
本当に自分がコロナと共生したいのか。
子どもたちにコロナと共生させたいのか。
あるいは、
ウイルスの引き起こす病との共生だと言っているのか。
だったら「ガンとの共生社会を」とか、
「悪性腫瘍との共生を」
「糖尿病との共生を」というスローガンも
ありだと言うのでしょうか?
人間に災いや苦しみをもたらすものとの共生を語るのは、
私には違和感がありすぎて、
その言語感覚について行けません。
「コロナとの共生」など、収束してしまえば
意味の無い言葉になってしまいます。
また、コロナ禍が継続した場合でも、
瀕死の状態になって病院に行くと、
玄関に「コロナとの共生を」という
スローガンが掲げてあるなど、
どう考えても悪い冗談でしかありません。