Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

下村湖人の言葉に思う

2020年03月18日 | Weblog
「子供は大人のまねをする。このことを大人が忘れさえしなければ、子供の教育はさほど困難なことではない。しかるに、世の大人たちは、ご苦労にも、子供たちに自分のまねをさせまいとして、いつも苦労し、それを教育だと思いちがいしているかのようである。」(『心窓去来 補遺』下村湖人)

新型コロナウイルスが流行って、私たちが目にしたものは、一面では、日本人の衛生意識の高さであった。しかし、一面においては、地下鉄内で咳を巡って言い争う姿であったり、外出禁止の感染者がわざわざ飲食店で伝染させようとする姿であったり、マスクやアルコール消毒液を法外な高額で転売して金儲けしようとする姿であったり、トイレットペーパーやティッシュペーパーや消毒液を我先に買い占める大人たちの姿でもあった。あるいはまた、お一人様一個限りというのを、何とか誤魔化す努力をする大人たちの姿であった。

人の行動に影響を与えうる教育とは何か、また、一から探求しなければなりません。人が誇りを持ち、節度を持って行動できるような社会を作る教育とは何かを考えなければなりません。これまでの道徳をはじめとする教育が、本当に力を持ちえているのかを検証しなければなりません。

大人たちがいったい何を教育できるのかを考えなければなりません。

私に出来ることは、まずは、私がそうしないということと、私の声の届く範囲の子どもたちがそうしないようにすることぐらいが、精一杯かもしれません。
しかし、それではやはり大人として責任を果たしたとは言い難いのだろうと思います。
分かってはいますが、他人の意識を変える困難を思います。
コメント
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