Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

料理と教育

2012年06月08日 | Weblog
やはり家庭での料理が、
教育に大きな役割を果たしているように思えてなりません。

なぜか。

料理は段取りを考える力を養ってくれます。
どの手順で作るか、盛りつけるか、等々…。

料理は食べる人への心遣いの力を養ってくれます。
熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに。

料理は目に見えないものを見る感覚を養ってくれます。
味噌汁をたぎらさない温度を見る感覚、
魚や肉や野菜を香ばしく焦げないように焦がす感覚、等々…。

料理は器という日本の文化を見る目を養ってくれます。
萩焼を使うか、唐津焼を使うか、九谷焼を使うか、等々…。

料理は自然の豊かさを感じさせてくれます。
海の幸、山の幸、田畑の幸、川の幸、等々…。
四季折々の旬の食べ物をいただく幸せを感じ、
命をいただく尊さを学ぶひとときでもあります。

料理の世界には、
自分の国の文化を知ること、
他人への心遣いを学ぶこと、
時間を無駄にしないこと、
素材を育んでくれた自然に感謝すること、
味や技術を伝承すること、
思いやりと感謝の心を育むこと、

とにかく多くの教育的要素が宝物のように詰まっています。

それは、人間を深い精神世界へと導いてくれ、
思考力や人間性といったものを涵養してくれます。

日本的でありながら世界へと通じているものですし、
日常でありながら、大いなる非日常へと通じているものですし、
人の世から神々の世へと通じているものだと思います。


私たち人間もまた自然の一部ですから、
自然が小さくなれば、人間も小さくなるのが道理です。
そして、
人間の芸術や文化も小さなものになってしまうのが道理です。

自然を破壊し、効率を追求していく社会が、
法規とシステムにがんじがらめにされた社会が、
本物の雄大なる人物を育むとは到底私には思えません。

私は、将来、雄大なる人物が、
雄大なる社会を築いていかれることを、
心から願う者です。







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美意識

2012年06月08日 | Weblog
教育にとって大切なのは美意識かもしれません。

ルールで決められたことができるようになったからといって、
それが素晴らしい教育の成果と言えるのかというと、
どうもそうではないような気がします。

マナーを記憶して、
その通りの立ち居振る舞いができれば、
立派な人間になったかというと、
どうもそうではないような気がします。

電車の中で化粧をするかしないか。
点字ブロックを塞ぐか塞がないか。
姿勢を正すか正さないか。
履き物を揃えるか揃えないか。
小さな約束を守るか守らないか。
他人の陰口を言うか言わないか。
命がけで生きるか生きないか。

私は全てをルールで判断できるとは到底思えません。
同様に、善悪で全てが割り切れるという気もしないのです。

ただ、それを美しいと思うか思わないか。

それが大切なのではないでしょうか。

人間の言葉と行動の選択は、
すべては美意識から来ているような気がします。












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