ルカの福音書 19章1−10節
「みことばの光」はきょうからしばらくルカの福音書を読みます。今回は19、20章を読むことになっていますが、19章初めに登場するのはザアカイ。
ザアカイの話はどこかユーモラスなところがありますね。ルカはザアカイについて、取税人のかしらで金持ち、それに背が低かったと紹介します。そして背が低かったザアカイがいちじく桑の木の上で主イエスと顔を合わせるというのですから、情景が目に浮かんでくるようです。
3節の「彼は、イエスがどんな方か見ようとしたが、背が低かったので、群衆のために見ることができなかった」ということばには、エリコでザアカイが普段どう思われていたのかが現れています。「見ようとしたが」ということばには繰り返ししたという意味が込められています。彼は何度も見ようとしたのです。けれども、群衆に遮られたのです。ここに普段彼がどのように思われていたかが現れます。もし、評判の良い人物ならば、背が低いザアカイが「ちょっと前に行かせてください」と願ったら、出してもらえたのかもしれない…などと想像してしまいます。
けれども、そんなザアカイに会いたいと思っていたのが主イエス。「きょうは、あなたの家に泊まることにしてあるから」ということばは、考えようによってはずいぶんと図々しい感じがしませんか。本人が知らないうちに、泊まることに決めているよというのですから…。
しかし、この一言がザアカイを変えます。ザアカイがイエスのことばを聞いて、急いで木から降りたというところに、彼の主イエスへの信仰を見ることができます。
何か、とても嬉しくなる出来事です。
*写真はエリコにあるいちじく桑の木