みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

「戯言を言うな」という戯言

2019年12月12日 | ミカ書

ミカ書 2章

 これを書いている今、外では雪が降っています。積もるでしょうか。子どもの時は雪が降ると大喜びでしたが、今はちょっと大変…という気分。子どもの気持ちを…と、ふと思いました。

 自分たちの罪ゆえに神からのわざわいが降りかかったとき、神の民は、自分たちは荒らされ、割り当ての地は損なわれてしまったと嘆きの声を挙げました。次に、さばきのことばを告げた預言者ミカに「戯言を言うな」とののしります。神に背いたにも関わらず、彼らは神は自分たちを守ってくれるから、ミカよ、おまえの言っていることは戯言なのだ、ということでしょう。

 神のことばは、人の自尊心をくすぐり、人を心地よい気分にさせるようなものではありません。むしろ逆ではないのかと考えます。高ぶる者に警告を与え、怪しい平安に揺さぶりをかけます。ですから、神のことばは人にいらだちを与えるようなことにもなります。そんなときに出ることばの一つが「戯言を言うな」なのでしょう。

 預言者ミカは、しょんぼりと引き下がるようなことはしません。「『戯言を言うな』と彼らは戯言を言う」と語ります。力でつぶしにかかってくる権力者たちにひるまずに、彼らのことばを戯言だとして退けます。神のことばを語る預言者ミカの真っ直ぐな姿を見つつ、さて、自分はどうなのだろうかと振り返ります。


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