みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

あなたはわたしを知らないが

2019年11月08日 | イザヤ書

イザヤ書 45章

 雨が止み青空が見えたので、いつものように公園を突き抜けて商店街に行こうとしたら、線路をくぐる道が通行止め。複々線工事のためにアンダーパスを改修する必要があるようです。そこで、公園内を引き返して帰宅。冷たい風で頬が痛くなったのはこの秋で昨日が初めてでした。

 イザヤ書40章以降には、聖書を読む人が心に留める珠玉のことばが次々に登場する感があります。私にとっては、「地の果てのすべての者よ。わたしを仰ぎ見て救われよ。わたしが神だ。ほかにはいない」という22節のことばもその一つです。

 本章前半にはキュロス王への神からのことばが記されます。キュロスは預言者イザヤが働いていた時から200年ほどあとに登場するペルシャの王。バビロン崩壊後当時の世界を治め、捕囚されていたイスラエルの民を帰還させました。ここではそのことのために、主がキュロスを立て用いると語っておられるのです。4、5節にはキュロスに向けて「あなたはわたしを知らないが」ということばが繰り返されています。確かにキュロスは異邦の王ですから、イスラエルの神のことを知りません。けれども神はキュロスをご自分の民のためにお用いになり、そのことを通してキュロス自身も主なる神を知ることになるのです。

 私は時々、神が自分たちのためだけに働くというような錯覚に陥ることがあります。けれども、この章にも繰り返されているように、神は創造主。すべてのものをお造りになったお方です。だから、私が考えもしなかった人や物をご自分の計画遂行のために用いることも自由になさるのです。神のお働きを小さなものに押し込めようとする者に、「そうではない!」と諭しているように、この章を読みました。

 神は「地の果てのすべての者」に「わたしを仰ぎ見て救われよ」と常に呼びかけておられるのですから…。


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