goo blog サービス終了のお知らせ 

みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

ユダヤ人にはユダヤ人のように

2021年08月10日 | 使徒の働き

使徒の働き 21章17−26節

 斜向かいにお住まいの方と久しぶりに遭遇。互いに、元気にしていると声をかけ合いました。安否確認ですね。お元気そうでよかったです。

 ここでは、エルサレム教会の指導者たちとパウロとのやりとりが記録されています。初めは、パウロの宣教報告。この時パウロはマケドニアとアカイアからのエルサレム教会への支援献金を渡したことでしょう。

 19節の「自分の奉仕を通して神が異邦人になさったこと」ということばに目が留まります。パウロは、三度目の伝道旅行で大きな困難を経験しながらも、福音を伝えて人びとを救いに導き、教会が成長しました。しかし彼は、ここで自分がやりました、がんばりましたとは言いません。「神が…なさったこと」だとして報告します。

 しかしパウロがエルサレムに戻って来たことは、大きな波乱が起こり兼ねないということでした。エルサレムのユダヤ人クリスチャンは誰もが律法に熱心な人々でした。しかし、彼らの間でのパウロの噂は良いものではありませんでした。そこで、指導者たちはパウロに提案します。23ー24節に提案の内容が書いてあります。

 パウロは、エルサレムの指導者たちの提案を受け入れ、誓願に参加しました。ここを読み、「私はだれに対しても自由ですが、より多くの人を獲得するために、すべての人の奴隷になりました。ユダヤ人にはユダヤ人のようになりました。…」というコリント人への手紙第一9章19節以降のことばを思いました。

 15章の「エルサレム会議」でも、異邦人に割礼を強いないという決議を、ユダヤ人につまずきを与えないために「偶像に供えたものと、血と、絞め殺したものと、淫らな行いを避けるべき」ということばを添えて決定しましたので、パウロはここで、指導者たちに公然と反論することもできました。しかし彼は受け入れたのです。

 これは妥協ではなく、福音のための愛に基づく決断です。コロナのワクチンを巡っては、ワクチンに反対する人も一定数います。反対の大きなデモもありました。ワクチンを必要だとして接種した人と、必要ないという確信を持っている人とが一緒に生きていくのに必要なのは、どのようなことなのかと、パウロの行動から考えさせられました。


主イエスのためなら

2021年08月09日 | 使徒の働き

使徒の働き21章1−16節

 7日(土)は日本の暦では立秋。秋の始まり。それなのに、この記事をシェアする時に、「暑中お見舞い申し上げます」と書いてしまいました。「残暑お見舞い…」なのですね。

 伝道旅行でのパウロたちの旅程はどのようにして決めた、決まったのでしょうか。彼らには自分たちのプランがあったはずですが、二度目の伝道旅行ではプランの変更を余儀なくされます。変更を強いたのは聖霊。

 この箇所は、三度目の伝道旅行の帰路、彼らがエルサレムに着こうとするところまでを描いています。エーゲ海南東岸のミレトスから船出し、コス、ロドス、パタラと陸地と島とを伝って航海し、パタラからツロに、さらに、プトレマイオス(イスラエルのアッコ)、そしてカイサリア、そしてエルサレムへと向かうのです。

 ツロでもカイサリアでも、パウロがエルサレムでたいへんな目に遭うと弟子たちや預言者から聞かされ、人々はパウロにエルサレムに上って行かないように強く説得しています。もちろんパウロがこのことを知らないはずはありません。パウロの伝道の旅は御霊に導かれて、いや20章22節によれば「御霊に縛られてエルサレムに行く」というような旅でした。

 ミレトスにいた時点では、エルサレムで何が自分に起ころうとしているのかをパウロは知りませんでした。エルサレムが近づくに連れ、彼は弟子たちや預言者のことばによって、エルサレムで捕えられてしまうことが分かるのです。しかし、「縛られるだけでなく、死ぬことも覚悟しています」と言い、それでもエルサレムに上って行きます。

 15節の「主イエスのためなら」ということばに目が留まります。「自分のためなら…」ではないのです。


走るべき道のり

2021年08月07日 | 使徒の働き

使徒の働き 20章13−24節

 パン屋さんの店先で見つけたのがNussecken(ヌスエッケン)。「ナッツ角」とでも訳すのでしょうか。三角の形をしたナッツがたくさん入ったお菓子です。早速購入してコーヒーとともにいただきました!

 トロアスからアソスまでは、ルカたちは船で、パウロは陸路で向かいました。なぜ、パウロだけが陸路をたどったのかは書かれていませんが、思い巡らすと、もしかしたら途中にイエスを信じる人々がいてそこを訪ねながらアソスを目指したのかもしれません。

 アソスには、今でもエーゲ海を見下ろせる大きな円形劇場はじめ、ローマ時代の遺跡が残っています。アソスで合流した彼らは、船でミティレネ、そしてミレトスへに着きます。パウロは一刻も早くエルサレムに行きたかったというよりも、22節によるならば、「御霊に縛られてエルサレムに」行くのです。

 ミレトスでパウロは、呼び寄せたエペソの教会の長老たちに語るのです。これが「パウロの決別説教」あるいは「告別説教」と呼ばれるものです。使徒の働きが記録するパウロの説教は、ユダヤ人に、あるいは異邦人にキリストの福音を伝えるものでした。しかし、ここでパウロは、エペソ教会の長老たちに説教します。

 内容は、自分がこれまで行ってきたことを証しすることと、教会の指導者としてあるべきことを長老たちに伝えることでした。この部分は彼の証しです。24節の「自分の走るべき道のりを走り尽くす」ということばが心に留まります。これは、希有の伝道者パウロだから言えることだとして切り離すことのできない、キリストにあるすべての人に問いかけていることば。走るべき道のりとは何か…と。


夜中まで、明け方まで

2021年08月06日 | 使徒の働き

使徒の働き 20章1―12節

 いつものスーパーの肉売り場でハムを購入。ちゃんと指定量を切ってくれます。すると、「試してみる?」と別のハムを切ってプレゼント。マスクを外して食べると、スモークがかかってとても美味しい! 次回はこれを買うことにしました。

 パウロたちの三度目の伝道旅行も、きょうの箇所の途中から帰路になります。エペソからマケドニア、ギリシア、そこからパウロは当初船でシリアに向かおうとしました。しかし、ユダヤ人のパウロに対する陰謀のために、再びマケドニア経由で帰ることになり、来た道を戻るかたちで、エーゲ海を渡りトロアスに着きました。

 しばらくの間なかった「私たち」ということばが5節から出ています。使徒の働きの著者ルカは、おそらくパウロのギリシアからの帰路マケドニアのどこかからいっしょに行動するようになったのでしょう。トロアスは、パウロにとっては忘れられない地。ここで彼は、「マケドニアに渡って来て私たちを助けてください」というマケドニア人の叫びを聞いたのです。

 ここにはすでにイエスを信じる人々の群れ、教会がありました。トロアスを発つ前日、パウロは人々と語り合い、夜中まで語り合っていたのです。事件はそのような中で起こりました。青年ユテコが眠り込んで三階から下に落ちて死んでしまったのです。「もう死んでいた」にもかかわらず、抱きかかえたパウロは「まだいのちがあります」というのは、いつ読んでも不思議だと思います。主イエスが12歳の女の子を生き返らせた出来事を思い起こします。

 驚くのは、こんな事件がありながら、彼らはなおも明け方まで語り合ったというのです。日曜日の礼拝でのメッセージは以前よりも短くなったと言われる今、夜を徹して神のことばを聞き、分かち合うことはあるのだろうかと考えます。


偉大なのは…

2021年08月05日 | 使徒の働き

使徒の働き 19章23−40節

 8月に入り、少しずつ暗くなる時間が早まっています。夏至の頃には10時過ぎでも明るかったのですが、今ごろは9時半には夜が訪れます。このまま冬至に向けて一気に夜が長くなるのです。

 この箇所にはエペソでの騒動が書かれています。発端は銀細工人デメテリオの訴え。パウロがこの地に福音を宣べ伝え、多くの人々が信じたので、自分たちの商売に大きな影響が及んでいると同業者たちの前で言ったのです。すると、聞いた人々が激しく怒り、それが町中に飛び火し人々が大挙して劇場に集まって大騒動になったというのです。

 興味深いのは、集まった人々の多くが、何のために集まったのかさえ知らなかったということ。分からないまま人々は「偉大なるかな、エペソ人のアルテミス」と2時間も叫んでいたのです。エペソの遺跡近くにある博物館を訪ねた時、多くの乳房をつけたアルテミス像が展示されていました。エペソ人にとって、この女神は豊饒多産の神として崇められていたのでしょうし、それで商売をして生計を営んでいたデメテリオのような人も少なくはなかったのです。

 この劇場にパウロは入りませんでした。しかし彼は、もともとこの騒動のもともとの原因となった人物。彼が周囲の説得で劇場内に入らなかったのは、結果として良い判断でした。パウロは二度目の伝道旅行でテサロニケを訪ねた時には、ユダヤ人のねたみに駆られて捕えられそうになりました。その時彼らが「世界中を騒がせてきた者たち」と呼ばれた、そのことを思い出します。

 福音は、聞いた人々の間に何事かを引き起こします。「偉大なるかな…」をはるかに凌駕(りょうが)する、真に偉大なお方を人々に指し示すからです。


2011-2024 © Hiroshi Yabuki