士師記 5章
昨日、「大雨が降り…そのようなことがあったのかもしれませんね」などと書きましたが、本章の「勝利の歌」の中に、ちゃんと「大地は揺れ、天も滴り、密雲も水をしたたらせました」(4節)、また「キション川は彼らを押し流した。昔からの川、キション川が」(21節)とありますので、「あったのかもしれません」どころか、そのようにして敵は敗退していったのです。昨日の文章を訂正しておきます。
カナンの王ヤビン、そしてその軍の将シセラによって、特にカナン北部のガリラヤ湖の近くに相続地を割り当てられていたゼブルンとナフタリは、首根っこを捕まえられているかのような状態にありました。しかし、前章のように彼らは強力な敵を撃退したのです。そして、その戦いの様子をデボラとバラクが歌にしました。デボラが作り、バラクも歌に加わったのだと言われています。全篇が生き生きと歌われており、日本語でもテンポよく読むことができます。声に出して読むのはお薦めです。
特に12節から18節の戦いのための召集の部分が印象に残ります。「目覚めよ、目覚めよ、デボラ。目覚めよ、目覚めよ、歌声を上げよ。起きよ、バラク。捕虜を引いて行き、アビノアムの子よ」という歌は、指導者たちへの目覚めの呼びかけです。長い間カナンの王に隷属しなければならなかったイスラエルは、それが日常、当たり前という思いをだれもが持っていました。そのような現状を、どのようにして打破するのか、神は指導者に覚醒を与えられたのです。デボラが、そしてデボラからバラクがというように立ち上がり、ゼブルンとナフタリが立ち上がり、他の部族も自発的にはせ参じました。ここには、加わらなかった部族のことも歌われているのが印象に残ります。
何かに勝利するためには、まず「だめだ」「どうすることもできない」と思う自分自身に勝利することから始まるということを、「目覚めよ、…起きよ」ということばが伝えてくれました。感謝です。