霜後桃源記  

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「結果がすべて」は誤った理解だった

2018-07-29 19:37:58 | 人生

スポーツに限らず何事も「結果がすべて」で、途中経過は無視される傾向が強い。
自分自身も「途中経過が良くないから結果が良くなかった」と受け止めることにしていた。
しかし、それが誤った認識であることを今朝の毎日新聞の「時代の風」で教わった。


(8月末から9月にかけて収穫予定の枝豆。再度の「畝間の草刈り」を行った)

「結果がすべての風潮 不成功後付けで正当化」
(日本総合研究所主席研究員 藻谷浩介) から抜粋 

今の世の中、「結果がすべて」という風潮が強まっている。
途中経過はどうでもいい、手段は身も蓋(ふた)もなくていいので、「成功してなんぼ」と考える風潮だ。
しかし「結果がすべて」の風潮には、二つの落とし穴がある。
第一に“より良い結果”は実際には“より良い途中経過”からしか生まれない。
身も蓋もない手段で得た成功は、長くは続かないのである。

もっと問題なのが第二の落とし穴だ。
「結果がすべて」と口にする人ほど、目指したのと違う結果が出た場合に、後付けで正当化しがちなのである。
結果を見てから、「最初からそれを期待していた」と記憶の方を書き換えるので、結果が出る前後の言動に一貫性がない。
一貫性なく後付けで目標を書き換えている典型が、「安倍政権は経済で結果を出している」という意見だ。

そもそもアベノミクスが目指したのは内需の拡大であり、そのために2%インフレを達成するとした。
しかし個人消費(家計最終消費支出)は、2012年(野田政権)が283兆円、17年が295兆円で、伸びは
年率0・8%と横ばいに近い。直近の15~17年は年率0・3%と、さらに減速している。
個人消費は個人を顧客とする全ての企業の売り上げの合計なので、多くの企業に“好景気”の実感はない。
そこで安倍政権とその支持者は、若者の雇用改善が成果だと言い出した。
しかし、企業の売り上げが増えていないのにどうして雇用が改善するのか。日本の官民が過去40年以上も少子化を
放置してきたために、30代以下の就業者総数も減る一方で、人手不足が深刻だからだ。
仮に若者が全員就職できても、働く若者の総数は減っていくばかりなので、内需は拡大せず企業の売り上げも増えない。

「結果がすべて」と言っておいて、想定と異なる結果が出ると話を書き換えるのは“より良い社会の持続”という長期的な
結果を損なう、あしき途中経過だ。
逆に、目先の結果は出ずとも意識高く挑戦を続けることこそ、長期的な成果に向けた良い途中経過である。

コメント
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