耕耘機が普及するまでは農耕馬を使って田畑を耕していた。
オバサンが小学生の頃に耕耘機が導入され、馬が不要となった時に始めたというから牛の飼育は既に半世紀もの歴史を刻んで来たことになる。
その牛の飼育が突然終焉を迎えた。
飼育を止めることは既定路線となってはいたが、ジイチャンが牛の世話をできる間は続けることにしていたので、あと数年は続くものと思っていた。
しかし、ジイチャンは突然ブッツンしてしまった。
これまで仔牛一頭が50万円前後で取引されていたのだったが、昨年の飼料代の高騰以降市場での価格は低迷を続けていた。
一度だけ百万円を超える価格で売った経験もあるジイチャンは「夢をもう一度」という気持ちで「高い価格の仔牛」を育てることに情熱を傾けて来たが、先月の市場に出した仔牛が32万円の価格しか付かなかったことですっかり嫌気をさしてしまったようだ。
残っていた親牛二頭(一頭は間も無く出産予定)はJAの仲介で市場を通さずにセットで譲渡することになった。
今日、50頭の牛を飼育しているという新しい若い飼い主が引き取りに来て、母娘関係にある二頭は特に抵抗もせずに新しい飼い主のトラックに乗って行ってしまった。

長年世話をし続けた牛達が去るにあたり「感動的なシーンでも見られるのでは」と思っていたが、ジイチャンは涙を見せる訳でもなく意外にサバサバしていた。
今までは日々の牛の世話を「生き甲斐」のようにしていたので、明日からやることが無くなって急に老け込むのではないかと逆に心配になって来た。
オバサンが小学生の頃に耕耘機が導入され、馬が不要となった時に始めたというから牛の飼育は既に半世紀もの歴史を刻んで来たことになる。
その牛の飼育が突然終焉を迎えた。
飼育を止めることは既定路線となってはいたが、ジイチャンが牛の世話をできる間は続けることにしていたので、あと数年は続くものと思っていた。
しかし、ジイチャンは突然ブッツンしてしまった。
これまで仔牛一頭が50万円前後で取引されていたのだったが、昨年の飼料代の高騰以降市場での価格は低迷を続けていた。
一度だけ百万円を超える価格で売った経験もあるジイチャンは「夢をもう一度」という気持ちで「高い価格の仔牛」を育てることに情熱を傾けて来たが、先月の市場に出した仔牛が32万円の価格しか付かなかったことですっかり嫌気をさしてしまったようだ。
残っていた親牛二頭(一頭は間も無く出産予定)はJAの仲介で市場を通さずにセットで譲渡することになった。
今日、50頭の牛を飼育しているという新しい若い飼い主が引き取りに来て、母娘関係にある二頭は特に抵抗もせずに新しい飼い主のトラックに乗って行ってしまった。

長年世話をし続けた牛達が去るにあたり「感動的なシーンでも見られるのでは」と思っていたが、ジイチャンは涙を見せる訳でもなく意外にサバサバしていた。
今までは日々の牛の世話を「生き甲斐」のようにしていたので、明日からやることが無くなって急に老け込むのではないかと逆に心配になって来た。