shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Swing Easy! / Frank Sinatra

2009-04-22 | Jazz Vocal
 先週末以来私を苦しめていた無線LANルーター問題がやっと解決した。結局根本的な原因が分からず、原因の特定のための“切り分け”を考えててアタマの中がショートしてしまった私は “初期化リカバリ” という荒ワザで何とか危機を乗り切った。やっぱり困った時はチカラで押し切るに限るわ。もう一度最初からややこしい設定を色々するのはイヤやけど、“ネット繋がらない地獄” よりは遥かにいい。
 私は元々パソコンなんか見るのもイヤなほど毛嫌いしていたし、何よりもIT用語がチンプンカンプンだった。職場で「コンピューター立ち上げといて」と言われて何のことか分からず、座ってたのを立ち上がって大笑いされたぐらいだ。ましてや自分でパソコンを買うなんて論外、いつも「パソコンだけは堪忍して!」と逃げ回っていた。そんなある日、職場研修の一環として「初めてのパソコン」講座というのを受けさせられることになった。「鬱陶しいなぁ...」とムクレている私を尻目に講座が始まった。講師のオネーサンが「堅苦しく考えないで、インターネットに親しみましょう。どのサイトでもいいから自由にクリックしてどんどん見てみて下さいネ(^.^)」と仰ったので私は“ヤフーオークション”→“音楽”→“レコード”→“ジャズヴォーカル”と進んでみた。するといきなり「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」オリジナル盤 58,000円が出てきた。これに大コーフンした私はパソコンへの積年の恐怖心も忘れ、講師のオネーサンの指示を一切無視してレコードやCDを見まくった。結局、講習が終わっても居残りで熱心に(笑)ヤフオクを見まくり、その日以来パソコンは私にとって「探しているレコードやCDが簡単に見つかる魔法の箱」となった。
 その2ヶ月後、夏のボーナスが出た日に私は電機屋に直行しパソコンを購入、数日してネットが開通するとすぐに海外のオークション eBay に参入し、欲しかったレコードを片っ端から検索し始めた。すると日本中のどこのレコ屋を探しても見つからなかった盤が出るわ出るわの宝の山状態(@_@;) しかもビックリするほど安いのだ!!! 特に衝撃的だったのが、数ヶ月前に横浜の廃盤専門店 “ディービーズ” で見つけたものの 18,000円という “ボッタクリ価格” のため泣く泣く諦めたフランク・シナトラの10インチ盤「スイング・イージー」で、それが何と3ドル、つまり360円だったのだ。結局他に誰もビッドせずスタート価格で落札!当時のレートで計算しても送料込みで2,000円以下という信じられない安さである。もうアホらしくて日本のレコ屋でなんて買えやしない。それ以降、LPもCDもほぼすべての盤をネットで買うようになった私にとってこのレコードは “海外オークション第1号” として忘れられない思い出盤となった。
 そして約3週後にブツが届いた。梱包を開けると中から出てきたのはピカピカの10インチ盤。横浜で見たのと全く同じものが超格安で入手できたのだ。早速ドキドキしながらターンテーブルに乗せる。これらの10インチ盤が作られていた50年代前半というのはステレオ技術なんてものはなく、モノラル特有の濃厚な音が塊りになってスピーカーから飛び出してくる。特にシナトラのリッチでゴージャスなヴォーカルは中域に強いモノ録音にピッタリだ。両面併せても8曲、20分にも満たないが、内容はめちゃくちゃ濃い。①「ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス」、②「アイム・ゴナ・シット・ライト・ダウン・アンド・ライト・マイセルフ・ア・レター」、③「サンデイ」、④「ラップ・ユア・トラブルズ・イン・ドリームズ」、⑤「テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ」、⑥「ジーパーズ・クリーパーズ」、⑦「ゲット・ハッピー」、⑧「オール・オブ・ミー」と、私の大好きな曲ばかり選ばれているのも嬉しいし、それらの名スタンダードをシナトラがこれ以上ないと言えるぐらいスインギーに歌っているのがたまらない。ジャズ特有の“スイング”という概念は知らない人に説明するのが難しいものだが、私ならこのレコードを聴かせて「これがスイングっちゅーモンや!」と断言するだろう。とにかく男性ジャズ・ヴォーカル盤ではナット・キング・コールの「アフター・ミッドナイト」と双璧をなす最良の1枚だと思う。

Frank Sinatra - Wrap Your Troubles In Dreams
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