shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ABBA Metal

2009-04-26 | Cover Songs
 カヴァー・ソングを色々集めていると時々とんでもなく愉しい盤に遭遇することがある。まぁ王者ビートルズはルンバから童謡に至るまでありとあらゆるパターンが出尽くした気がしないでもないが、他のアーティストはまだまだ発掘の余地ありだ。素晴らしい楽曲というのは表面的にいかなる音楽ジャンルのコーティングを施そうともそのコアにある力強さは変わらない。愛情と敬意をもってカヴァーすれば必ず一聴に値する作品が出来上がる。ボッサン・ストーンズ... ブルーグラス・ゼッペリン... レゲエ・カーペンターズ... ウクレレ・イーグルス... どれもこれも色ものとして切って捨てるには勿体ないぐらいのクオリティーを持っている。そしてここで取り上げる「アバメタル」もそんな1枚なのだ。
 まずはこのCDのオビの謳い文句をご紹介:「20世紀を代表する偉大なるポップ・グループ “アバ” をシナジー、メタリウムら14組の人気メタル・アーティストがトリビュート!オリジナルに忠実なアレンジから独自の解釈による個性豊かなヴァージョンまで、アバの魅力をメタル・サイドから徹底的に追求!!」とある。シナジーってハイオク・ガソリンのこと?メタリウムってウルトラマンエースのメタリウム光線と関係あるんか?あかん、ここに収録されてる14組のヘビメタ・バンド、名前すらひとつも知らんわ(>_<) それに “独自の解釈による個性豊かなヴァージョン” ってゆーのが何か怖いよーな気もするが、同時にモーレツに興味をそそられる。まぁ百聞は一聴にしかずということでとにかく聴いてみよう。
 まずはドラムの連打から始まる①「サマーナイト・シティ」(セリオン)、重厚なリフに乗って歌われるのは確かにあのアバの名曲だ。それにしても何ともまぁオドロオドロしい雰囲気のアバ・ソングだろうか!これはハッキリ言って面白い。②「サンキュー・フォー・ザ・ミュージック」(メタリウム)はジェントルなイントロで油断させておいて0分41秒あたりからいきなりお約束のリフ攻撃開始(笑) ウルトラの父もビックリだ。③「ギミー!ギミー!ギミー!」(シナジー)はアバのオリジ・ヴァージョンに忠実なコンセプトでカヴァーされていて、一般のファンも抵抗なく受け入れれるかも... それでも間奏のギターソロは思いっ切りハードだし、3分37秒からの目も眩むようなリフの波状攻撃は快感の一言だ。④「マネー・マネー・マネー」(アット・ヴァンス)もアレンジはオリジナルに忠実ながら、ヴォーカリストのハイトーン・ヴォイスが炸裂しまくりのパワフルな仕上がりだ。⑤「ヴーレ・ヴー」(モルガナ・ルファイ)は初期メタリカのようなアグレッシヴなサウンドがエエ感じで、あのユーロ・ディスコ曲が変わり果てた姿(笑)になっているが、原曲の持っていたスピード感を上手く活かしていると思う。⑥「S.O.S.」(パラドックス)はこれぞまさに “個性豊か” なアレンジといえる凄まじいスラッシュ・メタルで、ここまで徹底的に壊してくれるともう何でもアリの世界だ...(*_*) ⑦「テイク・ア・チャンス」(ラフ・シルク)、これめっちゃ好き!ジョン・ボンジョヴィっぽいヴォーカルも、ノリノリのギター・リフも、1分34秒から入ってくる女性ヴォーカルも、何もかもが私の感性のスイート・スポットを直撃する。0分45秒と1分58秒で聞ける気合いの一声が最高だ(≧▽≦)
 ドラマティックなイントロも何のその、1分12秒あたりからエンディングまで唸り続けるラウドなギターの咆哮がたまらない⑧「チキチータ」(スパイラル・タワー)、竹を割ったようなストレートなメタル・アレンジが潔い⑨「イーグル」(サージャント・フューリー)、まるでボストンの「アマンダ」みたいな雄大な感じのハード・ロック・バラッド⑩「ワン・オブ・アス」(フローイング・ティアーズ)、ヨーロッパの「ファイナル・カウントダウン」を彷彿とさせる躍動感溢れるロックンロール⑪「ウォータールー」(ネイション)、ファイアーハウスみたいな歌心溢れるポップ・メタルがめっちゃ愉しい⑫「スーパー・トゥルーパー」(カスタード)、とにかくヘヴィーとしか言いようのない⑬「ノウイング・ミー・ノウイング・ユー」(タッド・モローズ)、ヘヴィーメタルというよりも軽快なロックンロールと言っていい⑭「ダンシング・クイーン」(グロウ)と、聴きどころ満載の楽しいメタル・トリビュートになっている。昔から “嫌い嫌いも好きのうち” って言うけれど、ひょっとして私、ヘビメタ好きなんかな?(笑)

ABBA Metal - Rough Silk - Take A Chance On Me