「一番好きな女性ロッカーは誰?」と問われれば私は迷うことなく「ジョーン・ジェット!!!」と答える。彼女ほど黒の革ジャンが似合う女性を私は他に知らない。とにかくロックンロール一筋の頑固一徹姐さんで、音楽性にまったくブレがない。売れ線狙いでシンセを取り入れてみようとか、たまにはスローなバラッドで泣かしてやろうとか、そういったさもしい発想は一切ない。そのストイックさには感動を覚えるほどだ。
ランナウェイズのギタリストとしてヴォーカルのシェリー・カーリー脱退後ももう1人のギタリストであるリタ・フォードと共にバンドの屋台骨を支えていた彼女だったが、ストレートなロックンロール志向のジョーンとハードロック色の強いリタの間で徐々に音楽的な方向性にズレが生じ、結局バンドは解散する。その後 “ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ” を結成し、2枚目のアルバム「バッド・レピュテーション」からゲイリー・グリッターのカヴァー②「ドゥー・ユー・ウォナ・タッチ・ミー」をシングル・カット、ライブ感溢れるこの曲が20位まで上がるヒットになった。彼女のヴォーカルはロックンロールを歌うのにピッタリの芯のある声質で、そのソリッドでエッジの効いたギター・サウンドと共に彼女の大きな魅力の一つだろう。82年春にはアローズ(ヴォーカルは何とあのヘレン・メリルの息子さん!)のカヴァーで今や彼女のテーマ・ソングとなった③「アイ・ラヴ・ロックンロール」が突如バカ売れし、結局7週連続全米№1という大ヒットになった。ストレートアヘッドな良い曲だとは思うが、ポップス・チャート向きとはいえないこの曲が何故あんなに売れたのかは今もって謎だ。それはさておき、同アルバムからの第2弾シングル④「クリムゾン&クローヴァー」もトミー・ジェイムズ&ザ・ションデルズのカヴァーで、ヘヴィーなリフの波状攻撃が生み出すグルーヴが快感を呼ぶこの曲も前作の勢いに乗って7位まで上がるヒットになった。
翌83年には「アルバム」というタイトルのアルバム(←ややこしいっちゅーねん!)からキャッチーな⑤「フェイク・フレンズ」がヒット、このアルバムに収められたストーンズの隠れ名曲「スター・スター」のカヴァーはロックンロール好きなら要チェックのキラー・チューンだし、他にも⑥「エブリデイ・ピープル」や⑦「ザ・フレンチ・ソング」などの佳曲が一杯詰まった名盤だ。84年リリースの「グロリアス・リザルツ・オブ・ア・ミススペント・ユース」は1曲目にランナウェイズ時代のセルフ・カヴァー⑧「チェリー・ボム」を配したタイトでソリッドなロック・サウンドがたまらない好盤。シングル・カットされた⑨「アイ・ニード・サムワン」はポップなメロディーと見事なコーラス・ワークが光る名曲名演だ。86年発表の⑪「グッド・ミュージック」は何とあのビーチ・ボーイズをゲストに迎えた意欲作で、60’sロックンロールへのオマージュとでもいうべきタイトル曲「グッド・ミュージック」、ストレートなロックンロール「ロードランナー」やBBのカヴァー「ファン・ファン・ファン」と、名曲名演のアメアラレ。88年の「アップ・ユア・アレイ」ではボン・ジョヴィをスターダムに押し上げたデズモンド・チャイルドとの共作⑫「アイ・ヘイト・マイセルフ・フォー・ラヴィング・ユー」が久々の大ヒット、「アイ・ラヴ・ロックンロール」を更にリファインしたようなカッコいい曲で、ヘヴィーなリズムに乗って炸裂するジョーン姐さんの熱いロック・スピリット溢れるヴォーカルが圧巻だ。
90年代に入っても「グランジ/オルタナがナンボのもんじゃい!」と言わんばかりに我が道を行くジョーン・ジェット... 90年リリースの「ザ・ヒット・リスト」はAC/DCのカヴァー⑮「ダーティー・ディーズ」(ビデオ・クリップのカメラ・ワークがめっちゃカッコエエわぁ...)やCCRのカヴァー⑰「雨を見たかい」といったシンプルで力強いナンバーが目白押し、小賢しいアレンジも演出も一切なしの直球勝負でそれぞれ異なる他人のヒット曲を見事に自分色に染め上げ、持ち前のロック魂全開で歌いきるジョーン姐さんこそ真のロッカーといえるだろう。この輸入DVDはそんな彼女の姿を時系列に沿って記録したもので、私のようなジョーン・ジェット信者には座右の盤といえるビデオ・アンソロジーだ。
Joan Jett - Dirty Deeds
ランナウェイズのギタリストとしてヴォーカルのシェリー・カーリー脱退後ももう1人のギタリストであるリタ・フォードと共にバンドの屋台骨を支えていた彼女だったが、ストレートなロックンロール志向のジョーンとハードロック色の強いリタの間で徐々に音楽的な方向性にズレが生じ、結局バンドは解散する。その後 “ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ” を結成し、2枚目のアルバム「バッド・レピュテーション」からゲイリー・グリッターのカヴァー②「ドゥー・ユー・ウォナ・タッチ・ミー」をシングル・カット、ライブ感溢れるこの曲が20位まで上がるヒットになった。彼女のヴォーカルはロックンロールを歌うのにピッタリの芯のある声質で、そのソリッドでエッジの効いたギター・サウンドと共に彼女の大きな魅力の一つだろう。82年春にはアローズ(ヴォーカルは何とあのヘレン・メリルの息子さん!)のカヴァーで今や彼女のテーマ・ソングとなった③「アイ・ラヴ・ロックンロール」が突如バカ売れし、結局7週連続全米№1という大ヒットになった。ストレートアヘッドな良い曲だとは思うが、ポップス・チャート向きとはいえないこの曲が何故あんなに売れたのかは今もって謎だ。それはさておき、同アルバムからの第2弾シングル④「クリムゾン&クローヴァー」もトミー・ジェイムズ&ザ・ションデルズのカヴァーで、ヘヴィーなリフの波状攻撃が生み出すグルーヴが快感を呼ぶこの曲も前作の勢いに乗って7位まで上がるヒットになった。
翌83年には「アルバム」というタイトルのアルバム(←ややこしいっちゅーねん!)からキャッチーな⑤「フェイク・フレンズ」がヒット、このアルバムに収められたストーンズの隠れ名曲「スター・スター」のカヴァーはロックンロール好きなら要チェックのキラー・チューンだし、他にも⑥「エブリデイ・ピープル」や⑦「ザ・フレンチ・ソング」などの佳曲が一杯詰まった名盤だ。84年リリースの「グロリアス・リザルツ・オブ・ア・ミススペント・ユース」は1曲目にランナウェイズ時代のセルフ・カヴァー⑧「チェリー・ボム」を配したタイトでソリッドなロック・サウンドがたまらない好盤。シングル・カットされた⑨「アイ・ニード・サムワン」はポップなメロディーと見事なコーラス・ワークが光る名曲名演だ。86年発表の⑪「グッド・ミュージック」は何とあのビーチ・ボーイズをゲストに迎えた意欲作で、60’sロックンロールへのオマージュとでもいうべきタイトル曲「グッド・ミュージック」、ストレートなロックンロール「ロードランナー」やBBのカヴァー「ファン・ファン・ファン」と、名曲名演のアメアラレ。88年の「アップ・ユア・アレイ」ではボン・ジョヴィをスターダムに押し上げたデズモンド・チャイルドとの共作⑫「アイ・ヘイト・マイセルフ・フォー・ラヴィング・ユー」が久々の大ヒット、「アイ・ラヴ・ロックンロール」を更にリファインしたようなカッコいい曲で、ヘヴィーなリズムに乗って炸裂するジョーン姐さんの熱いロック・スピリット溢れるヴォーカルが圧巻だ。
90年代に入っても「グランジ/オルタナがナンボのもんじゃい!」と言わんばかりに我が道を行くジョーン・ジェット... 90年リリースの「ザ・ヒット・リスト」はAC/DCのカヴァー⑮「ダーティー・ディーズ」(ビデオ・クリップのカメラ・ワークがめっちゃカッコエエわぁ...)やCCRのカヴァー⑰「雨を見たかい」といったシンプルで力強いナンバーが目白押し、小賢しいアレンジも演出も一切なしの直球勝負でそれぞれ異なる他人のヒット曲を見事に自分色に染め上げ、持ち前のロック魂全開で歌いきるジョーン姐さんこそ真のロッカーといえるだろう。この輸入DVDはそんな彼女の姿を時系列に沿って記録したもので、私のようなジョーン・ジェット信者には座右の盤といえるビデオ・アンソロジーだ。
Joan Jett - Dirty Deeds