魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

人類の曙

2020年12月16日 | 結婚コン
森は草原になった
コロナ後の経済構造転換の志は良いが、一方で、政府は妊活を応援している。これは見当違いの無駄金だ。GOTO同様、現状維持のための浪費と徒労は、前政権の後遺症なのかもしれない。

妊活支援は現状やむを得ないが、長期的にはロボットやAIで、人口による生産は終わる。大人口はむしろ障害になるだろう。
現代は、百年、二百年前とは、人間の関係性や価値観が全く変わってしまった。社会システムの根幹である婚姻制度を変える時が来ている。
明治に一夫一妻が固定化され、80年後の敗戦で大家族制が消滅した。その周期で見れば、今また、ちょうど大きく婚姻制度、家族の概念が変わる時だ。

妊活では、事実婚夫婦にも補助金を出すそうで、少しでも、現実に近づこうとする気持ちは涙ぐましい。折から、夫婦別姓の議論も、これまでになく積極的だ。
しかし、現実はそんな次元をとっくに超えている。
産業革命パラダイム250年で、古代から続く家族の森は失われ、人類は、新環境となる社会システムの草原に降り立つ時を迎えている。新人類の黎明が始まるのだ。

婚姻による出産、子を養育する親の義務と保護・・・この大前提をもとに構成される徴税と社会保障制度。これが全て、機能不全に陥っている。それが少子化の最大原因だ。
婚姻の歴史は、原始的な集団への組み込み、氏族の結合、文明社会の家=大家族を経て、近代の個人=核家族が生まれた。
これらは、いずれも、子孫を残すための装置だったが、生殖がDNAの配合のためにあると解った現代では、その配合のためだけの、婚姻の必然を感じなくなった。葬儀の縮小にも家の消滅が表れている。
「自分の血筋を残す」衝動より、漠然と、類的営みとしての認識が大きくなっている。

家族から個の社会へ
核家族が浸透すると、それ以前のような集団の束縛がなくなり、恋愛同様、簡単に離れる。
「結婚を前提に付き合って下さい」は結婚がゴールだが、現代の結婚は「離婚を前提に結婚してください」であり、独身が出発であり、ゴールだ。
個人意識の強い現代だから、古い社会の結婚による職業ハンデを負った上に、離別後の保証のない婚姻など、誰も望まない。特に女性は。
加えて、親が子供を養育することを大前提とする社会では、離婚後の保証のない結婚と出産は博打であり、生まれてくる子供への責任を考えると、ますます子供を産めない。
妊活しようと思う人は、よほど夫婦仲を信じるか、経済力に自信のある人だろう。

今の保育施設は、現行の婚姻制度が前提であり、核家族の補助だが、もはや、そんな時代ではない。
むしろ、社会による施設での保育を大前提として、自分で育てたい人、育てる余裕のある人が手元で育てる、逆転の発想でなければ間に合わない。
「育メン」などというトレンディ語に騙されてはいけない。これは、子供は男女だけで育てるものという古代幻想を守るためのマヤカシに過ぎない。男女で子供を育てる婚姻は、本来、役割分担を前提としていた。

これから、さらに個人主義が成熟すれば、子供は産んだ母親のものであり、社会全体でそれを無条件で保護すべきものだ。父親の存在意義があるのは父系社会であり、オスがメスを保護する、一般的な哺乳類の生態を引きずっている。
一匹のオスがメスを保護することを前提にしながら、同時に育児もするのは、基本的に不可能であり、その前に、男女関係と婚姻、社会そのものを変えなければならない。
オスがメス同様に育児をするには、総合的で豊かな社会生産の上に、オス同士の競争のない、恵まれた環境でなければならないが、生産環境は整ってきていても、社会慣習や通念に基づく婚姻制度が、まだ古代のままなのだ。

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