魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

時代の歩

2022年10月31日 | 結婚コン

コロナで外出が減れば、出生率が上がると思ったら、反対に落ちた。
人間の性欲というものは、多様な刺激と共にあるらしい。
同じ男女だけで常に同じ所に同居していると、繁殖欲がなくなるのかも知れない。
ものすごく仲が良い何時もベッタリの夫婦は、何故か子供縁が無いことが多い。
これは、男女の関係ではなく、母子の関係になっているせいだと思っていたが、コロナ現象では、さらに、同族婚の忌避感覚も加わったのではないかと思う。

浮気は罪悪とされるが、近年、性欲はDNAの多様な交配欲であることが解ってきたことで、始めから避けられない衝動と認識されるようになった。
長期同居する男女が性欲を持てるのは、浮気をしないまでも、外で他の異性を見ることで刺激を受け、性欲そのものがリフレッシュされるからかも知れない。
コロナで閉じ込められた夫婦が繁殖に励むどころか、DVや過食に走り、出生率が減少したことと、つじつまが合う。

昔の出生率の高さは、それだけ死亡率が高かったからだろう。
黄泉比良坂で、毎日1000人殺すと言うイザナミに、イザナギは1500人産むと応酬する。
多死多産は、古代の常識だが、現代人は簡単に死ななくなった上に、一生同じ異性と暮らす立前があるから、DNA配合の更新意欲を失う。しかもその相手と長時間閉じ込められたら、よほど、妄想力や好奇心がない限り、興味を失い、不満しか見えなくなる。
それでも、それが結婚という束縛のない相手なら、まだ自由な妄想の対象になるだろうが、「縛られている」相手と顔をつきあわせていれば、心理と物理の両面から呼吸困難になり、近寄ろうとも思わなくなるのだろう。

出生率に拘るのは、産業革命パラダイムの思考だが、どうしても人口を必要だと思うなら、婚姻制度の抜本的見直しが必要だ。
統一教会に洗脳されたような、因習的でイヤらしい純血主義を掲げ、夫婦別姓さえ拒みながら、一方で、子供を増やそうとする政治家の矛盾。
しかし、労働力を求める産業革命パラダイムこそが、氏族的大家族を解体し、女性を解放した250年だった。現行の婚姻常識は、さらにその前の時代の遺物であり、未来には害にこそなれ、何の足しにもならない。

復古より先取りが現実的
ポスト産業革命後は、既に始まっている。先ず真っ先に改めなければならないのは婚姻制度だ。
教育、労働、財産など、全てが婚姻制度に繋がっている。社会基盤を氏族や婚姻においた古代の発想が、今や完全に通用しなくなっている。
未来は、氏族や家族ではなく、個人が基盤になる。個人のネットワーク社会には、婚姻は必要ない。実際に、墓や葬式や結婚式は廃れつつある。
個人が属する社会システムが、国か世界かはこれからの問題だが、子供は夫婦で育てるのではなく、親と社会で育てるものになるだろう。ほんの1世紀前まで、子供は一族で育てるのが常識だった。
「イクメン」などという言葉はいかにも新しそうだが、婚姻と家族を大前提とする復古主義の宣伝であり、夫婦別姓などの個人への流れを封じ込めようとする、おそらくは無自覚な、進歩への抵抗だ。
今、進みつつある「来たるべき時代」を先取りするためには、今の常識は捨てて考えるしかない。


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