魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

日本源流

2018年08月06日 | 結婚コン

自民党の若手議員が「同性婚は生産性がない」と言って、党から指導を受けたとか。
夫婦別姓さえ反対している自民党がどんな指導をしたのか、想像するだけで、笑わずにはいられない。「選挙に影響するから、うかつなことを言っちゃ、アカン!」とでも、「指導」したのだろうか。

この短い発言には、多くの問題を含んでいる。LGBT、婚姻、産業、人権、国家など、どれ一つとっても、哲学的な問題であり、しかも、それをまとめて100年も遡るような価値観を、現代の「選良」が信じ込んでいる。三原順子の「八紘一宇」発言は問題にならなかったが、若手議員の時代錯誤は、社会全般の思考停止を露呈するものだ。

毎度言うことながら、婚姻制度の根源的な見直しが必要だ。日本の源流は母系だが、弥生以降、持ち込まれた男系の価値観で覆われたことで、常に矛盾が生まれる。ことさらに武士道が強調されるのも、ベースが女性社会だからだ。この武士道「精神」のイメージが男性社会の欧米で、彼らより男尊女卑とのイメージを焼き付けた。
現代日本のフェミニストは、この欧米視点のステレオタイプを受けて、かなりずれた、政治力学的な主張をしている。
日本の男女差別の是正に、父系西欧社会の男尊女卑是正を、そのまま持ち込むのは、銅板叩き出し加工で、陶器を叩いて直そうとするようなものだ。
日本の男女差別是正は、母系社会への回帰の視点でなければ、余計おかしくなるばかりで、日本人の納得がいく答えは出ない。

母系社会であれば、妻問い婚型の、自由恋愛がベースであり、改めて婚姻の自由や、LGBT 、政治の女性参加など考える必要も無い。ましてや、「女が男の犠牲になる」などという発想は始めから生まれてこない。
この母系感覚に近い例は、おばあや、ユタの地位が高い沖縄社会に見られ、本土にも巫女として形だけ残っている。
母系社会は、好戦的な男系社会によって征服され、表向きは消えているが、日本人の心情には脈々と流れている。

母系ベースの社会では、一夫一婦制も、税制も、全く別の概念体系が必要になるが、父系世界の道理で考えていたら、決して生まれてこない。
したがって、時代錯誤な政治によって、今直ちに母系社会に変えることは不可能だが、一方で、日本の実情は、日々刻々、日本人の手によって変えられつつある。
一昔前には、未婚の母は大事件だったが、産んで離婚の時代から、婚前出産ブームへと、社会感覚が変貌し続けている。政治が主導できない間にも、日本社会が母系社会に進んでいるのだ。
愚昧な政治家が少子化を嘆いている間に、母系の底力が、日本人をよみがえらせることだろう。


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