魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

長子と弟妹 5-③

2008年09月06日 | 兄弟関係

投げだし
福田退陣に「無責任」論ばかりが出ているから、
あえて、違う観点で見てみたい。

野球なら
9回表、3-0
ノーアウト、フルベース、0-ストライク/3-ボールで、
マウンド上で失神したピッチャー、安倍に代わって、
急遽、ウォーミングアップもせずに出てきた、
引退寸前のベテラン投手が福田だ。
誰も期待していなかった。

ホームランならまだ良かった、投げても投げてもストライクが入らない。押し出しで2点が入ると、観客がぞろぞろ帰り始めた。
もう投げる投手はいない。監督は明日の試合に温存している。
それでも、顔色一つ替えず、淡々と投げ続けた。

ようやくアウト一つ。
キャッチャーの公明まで、時計を気にし始めた。

マウンド上で考えた・・・
このままズルズル行っても、打たれても、大敗は同じだ。
こうなれば、俺の仕事は明日の試合のお膳立てだ。
中途半端に粘るより、派手に負けた方がいい。

わざと甘い球で、ホームラン
走者を一掃すると、
ポンポンとアウトを取って引き上げた。
9回裏、10-0
後は監督が、さえない打線の調整をすればいい・・・

安倍と福田
二代続いて政権投げ出しと言われているが、全く意味が違う。
安倍は、有り余る好条件の中、リリーフで出てきたが、速球だけに頼った独りよがりのピッチングをして火だるまになった。
挙げ句の果てに、マウンド上で失神。死んだふりで逃げ出した。

福田は二代総理という、夢と言うより宿命的な強迫観念で、急場を引き受けて総理になった。
ヴィジョンがあるわけでもなければ、野心があるわけでもない。
「どうなるか解らないが、やれることをやってみよう」ぐらいの気持ちだった。いい加減な気持ちではない、緊急事態には「誰かが火中の栗を拾わなければならない」という、ある種の責任感だろう。
「しんがり」を引き受けたものの「戦況必ずしも好転せず」、死に場所を探したあげく、民主党の代表選挙に体当たりして討ち死にした。
「あなたとは違うんです!」とは
「安倍さんとは違うんです」という意味でもある。