魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

長子と弟妹 5-②

2008年09月03日 | 兄弟関係

長子型の開拓心、弟妹型の冒険心
長子型が必要とあれば初めてのことでもチャレンジするのに対し、弟妹型は二番煎じが得意だ。実際、二番煎じの方が結果を出す。
逆に、長子が躊躇してできないことを、弟妹型、特に、末っ子は飛び込む。
長子が、方法論と管理にこだわるのに対し、末っ子は捨て身だ。やってみてダメなら止めればいい。弟妹型は臨機応変を重視する。

試行錯誤しながら「初めて」に挑む長子型は、声を上げず、用心しながら、ひたすら事の成就を追求する。
この黙々の努力は、何事も体当たりする弟妹型の目には見えない。
だから、いつの間にかチャッカリうまくやっているように映り、何であいつばかりいい目に会うんだと不満に思う。実はチャッカリ方式は弟妹型のものなのだが。

長子型にとって努力するとは、創意工夫、勇気、試行錯誤の忍耐だが、弟妹型にとって努力とは、人への気遣い、状況変化への気配り、先輩や上司への忍耐、新方式の積極採用、そして根性だ。

だから、弟妹型から見ると、長子型に対して、
「何であんなパッとしない、無神経KYで生意気な、性格の悪いヤツがうまく行くんだ」ということになる。

ところが、長子型から弟妹型を見ると、
「自分は何一つ努力をしないで、人のすることに便乗し、良いとこ取りをするくせに、文句ばかり言っている」ということになる。
さらに、長子型が我慢できないのは、愛想良く近寄ってくるくせに、都合が悪くなると、さっと居なくなってしまう現金さだ。

スポーツと芸能
スポーツ選手は弟妹型の方が成功する。
長子が手探りで始めたことを、見ていた弟妹が同じように、もっと幼い時から迷いなく練習を始めることが大きい。長子はその道を放棄する場合もある。(長子は常に開拓者)
ただし、親がやっていたことを長子にさせた場合は、長子といえども弟妹と同じように有利になる。しかし、嫌々やらされた場合は、やはり弟妹が有利になる。

芸能人の場合、技術より個性だから、長子が成功して弟妹を引き上げても、たいていの場合うまく行かない。特に姉妹の場合、姉が売れて妹が出てくるケースが多いが、一時期は売れても結局、姉だけ残る。
個性は、努力やガンバリで身に付くものではないということだろう。
ただし、兄と妹の場合は妹が売れる場合が多々ある。ニーズの違いだろう。伝統芸能はこの限りではない。

農耕民と遊牧民
植物を種から育てる長子型を農耕民とすれば、弟妹型は遊牧民だ。遊牧民は馬や羊という生き物がいるから生きられるし、時に農耕民という生き物を食い物にする。弟妹型の方が「意志あるもの」の扱いがうまい。

長子型が空気を読まないのに対し、弟妹型はまず空気を読む。
弟妹型は自分が何をするかではなく、誰が成功しているかに注目し、まずそこに接近していく。
プロセスより結果に目がいく。とにかく成功者の周辺に居れば何らかの利益があるから、キラ星が集まるところが大好きで、そこに参加しているだけで、自分も星になったような気がする。選手より大騒ぎする応援団、お祭り人間だ。

長子はお祭り好きではないが、役目は果たそうとする。
若貴の例でも、長子の若乃花が役目・義務として葬儀を仕切ろうとしたのに対し、弟の貴乃花は見せ場の権利として仕切りたがった。

長女によくあるトラブルで、実家の一大事の時、突然出てきて仕切り始めることがある。特に母親の葬儀など、喪主の弟を差し置いてあれこれ指図してよけい混乱することになる。
長女には、第二の母親としての責任感がたたき込まれている。

長子は他人の成功を評価するが憧れない
よく、結果を出した人に、「流石ですね」とか、「プライドに賭けて負けられませんね」とかインタビューすると、どう答えて良いか困ってしまう人がいる。長子型だろう。
「流石」のような立場関係を意識してやっていないからだ。

だいたい、そうでなくとも長子型はインタビューにうまく答えられない。自分の行動を人に説明するクセが付いていない。
しかし、自分の世界でしゃべり出すと演説になり、その失言が多い。

これに対し、弟妹型は発表したくて仕方がない。人に評価してもらって自分の価値が決まる。常に人を意識している。
鳩山邦夫の「アルカイダ」は、自分はすごいものに縁があるんだぞと自慢したかっただけだ。
子供の頃にはよく、けんかの強い兄を自慢したい末っ子が、大きい子にけんかをふっかけて、兄が加勢に来たらもっと強いやつだった。といったことがおこる。

長子は競争心が育たないから、他人が成功しても弟妹のようには焦らない。他人の成功に関心がないから感心もしないし、褒めることもしない。しかし、評価はしているから、世慣れてくると褒める。
それでも、あくまで評価であり、心酔することはないから、その人を目標とし、その人を超えようとはあまり思わない。自分は自分の道をがんばるぞと心に決める。
これに対し、弟妹型は目立っている人に憧れ、自分の目標とし、その偉大な人を超えようとする。憧れの人に会って口もきけなくなるのはほとんど弟妹型だ。

競争心でのすれ違い
弟妹型が自分の成功を長子型に自慢して、長子型がどう対応して良いか困ってしまうことがよくある。
長子型としては、直接対決で負けたわけでもない、異次元のことなのに、どう認めて良いか解らない。弟妹型としては、とにかく自分の行動の価値を確定して貰いたい。相対的行動を普遍的価値にしたいから、自慢という形で確認を迫る。