転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



先日来、新型耐性菌のことが時々ニュースになっていて、
日本でも確認されたという報道があったが
新型耐性菌「院内感染なし」独協医大会見 経路特定は困難(産経新聞))
これはウィルスではなく細菌なので、今のところ、
新型インフルエンザのように、街を歩いただけでウツる、という種類の話ではない。
一般に多剤耐性菌と呼ばれるものの多くは、
基礎疾患のある人や、治療で外科的侵襲を加えられた人にとってのみ、
重大な問題となるのであって、
普通程度に健康な人が、すぐ感染して重篤な状態に陥るようなものではない。

ただ今後、このNDM1とかいう遺伝子が、どんな細菌に取り込まれるか、
というのが一番注目されるところだろう。
例えば、もし赤痢菌などに入り込んだら、それは恐らく、
ニューキノロンなどの抗菌剤の効かない新型赤痢になるから、
健康な人でも、罹れば現在よりずっと死亡者数が増えることになるはずだ。
いずれにしても、腸内細菌などの多くは経口感染だから、
海外では生水など口にしないことが大事で、
我々の日常で有効なのは、手洗いに励むことと、
食中毒防止のための注意事項をよく守る、という程度のことだろう。

8月下旬だったか、最初にこのニュースを聞いたときに、私は、
今ある抗生剤が効かないというのなら、
大昔に見捨てたような古典的な抗菌剤や抗生剤なら効くかも?と考えた。
名称は知らないが、ペニシリン系の原始的な世代のやつとか、
日常は軟膏以外で見かけなくなったクロラムフェニコールとか、
あるいは20世紀の前半に活躍したようなサルファ剤の古いのとか、
「今更、そんなものを投与するなんて」
というくらいの過去の遺物を使えば、案外効果があるのでは、と思ったのだ。
モノによっては副作用が懸念されるが、菌のせいで死ぬというほど切迫した話なら、
とりあえず薬剤投与したあとで、副作用の治療をするほうがマシだろう。

だがきょう、もっと画期的なニュースを見つけた。
素人医療ヲタの空想レベルの話などとは月とスッポン、
世界の最先端にいる研究者の着想は、さすがに素晴らしい。
有望な抗生物質をゴキブリに発見、多剤耐性菌にも効果 英大研究(AFPBB News)
イギリスの大学で、ゴキなどの昆虫の体から
抗生物質として有望な物質が発見されたというのだ。
これを使えば、MRSAだってイチコロだとかなんとか。
あんまり素晴らしい話なので、私は最初、
この記事は『虚構新聞』かと思いましたね(爆)。
(ご存知ないかたは、こちら→:虚構新聞社

考えてみたら、昆虫の中でもゴキ一族は、3億年まえから地球に住んでいて、
ほかの生物が死に絶えるような幾多の感染症をモノともせず、
21世紀のきょうも元気に、私のスリッパを逃れてしっかり繁殖しているのだ。
あれだけ死なないヤツらも珍しい(洗剤原液にはひとたまりもないが)。
確かに、あいつらは体に天然の、超強力抗生剤を内臓しているに違いない。

もっとも、ノッティンガム大学における研究はまだ初期段階で、
この強力殺菌分子が薬剤として実用化されるには、
今後長い年月がかかるという見通しなのだそうで、
私たちがすぐに新世代ゴキ系抗菌剤を服用することにはならないようだ。
そこのアナタ、安心しましたか、それとも不安になりましたか(^_^;)?

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