午後、約一年ぶりに馴染みの眼鏡屋さんに行った。
私は以前から、眼鏡をふたつ持っていて、
そのうちのひとつは外出用で、昨年、遠近両用レンズにして貰った。
「遠」部分はきっちり視力が出るところまで強めに矯正し、
「近」部分は老眼の度数に合わせてあり、便利になった。
もうひとつは、長年使用してきた近視乱視用だけのレンズで、
上記の外出用よりも緩い矯正になっているので目が疲れず、
これはこれで気に入っており、自宅で長らく重宝してきた。
が、昨年後半あたりから、私は徐々に不便を自覚するようになった。
自宅使用の、近視乱視のみのレンズでは、
読書や書き物が、異常に姿勢を良くしないと出来なくなり(!)
パソコンも、日によっては見づらい、と感じるようになった。
つまり、老眼が進んだのだ。
私は日頃から、アンチ・エイジングとは対極にある人間だ。
自分の老いには全く抵抗する気がない。
若返りに腐心するより、今の状態を否定せずに受け入れ、
気分良く気持ちよく過ごすために手間暇をかけたい。
ということで「私はまだそんなにひどい老眼じゃない!」
などと頑張らず、さっさと自宅用遠近両用眼鏡を買おう、と考えた。
老眼になったとき、それまでが近視だけだったのであれば、
眼鏡を外して近くを見ることで問題解決できる場合があるが、
私は、人並み以上に強い乱視が混ざっているので、
手元が見えづらいと眼鏡を外しても、裸眼は裸眼で、
やはり視界が二重三重にボケてしまい、完全にはラクにならない。
やはり老眼用に合わせた矯正視力を得る必要があるのだ。
「難しいですね~~」
と技師の方にも苦笑されてしまった。
そこで提案されたのが、「遠近」ならぬ「中近」眼鏡だった。
これは、室内専用という発想の眼鏡で、
3~4m先から手元までを見ることに主眼を置いたレンズだそうだ。
私のように、家にいて掃除や料理をしたり、読書をしたり、
という生活には、最も適した矯正視力になるとのことだった。
具体的には、レンズの一番上の狭い部分にだけ、
遠くを見るための強めの矯正が入るが、
レンズ中心の、最も広い部分は中距離用の、緩い矯正になり、
レンズの下三分の一くらいが、老眼用の度数になるそうだ。
真ん中で普通に遠くを見ると、今かけている眼鏡よりぼやけてしまうが、
さして広くない家庭内のことなら、問題は無さそうだし、
老眼に関しては、格段にラクになるとのことだった。
ということで、検眼をして貰い、「中近」の度数を決めた。
この種のレンズは取り寄せになり、できあがりは一週間先、と言われた。
昔、友人が、知っている人の話として、
「近いところ用、遠く用、もっと遠く用、
の三種類の眼鏡を使い分けているヒトがいる」
と言っていたことがあり、
私はそれを聞いて大仰に驚いたものだったが、
なんのことはない、ついに私がその境地に到達しつつあるのだった。
「遠近両用」は既に外出用眼鏡で実現しており、
今回決めたのが、「中近」の自宅用だ。
きっとそのうち、読書専用の「近近」眼鏡が必要になるに違いない。
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