転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
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HN「転勤族の妻よしこ」、筆名「山田亜葵」。家族は、転夫まーくん(またの名を「ツアコンころもん」)、転娘みーちゃん(1995年生まれ。首都圏在住。会社員)。
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2009年04月06日 13時25分26秒
テレビのアニメで『花咲ける青少年』
を観た娘が、
「なかなかオモロいやん」と
樹なつみ
作品に興味を示したので、
私は、自分が一番気に入っている作品『
OZ
』を貸してやった。
樹なつみ氏に関しては、私は80年代に月刊LaLaで連載されていた、
『マルチェロ物語』を断片的に読んだのが最初だったが、
当時は、実は、あまり良いとは感じなかった。
今にして思えばこれは、『花咲ける―』よりもっと前の初期作品で、
部分的に、とてもドラマティックで惹きつけられるところもあったが、
全体としては、それが生かされていないというか、
ストーリー展開のぎこちなさが感じられて、入り込めなかった。
それと、・・・すみません、自分が描けないのに言って御免なさい、
デビュー当時のこの方、驚くほどカラー原稿がヘタで(逃)。
私は、プロで、あんな稚拙な着色を見たのは初めてだった(逃逃)。
それが、数年経って、たまたま職場の後輩から借りた、
単行本の『OZ』を読んでみて、私は、ドギモを抜かれたのだ。
こんな凄いものが、描けるようになっていたなんて・・・!と。
私はそのときになって初めて、彼女の才能を最初に見出した、
誰か知らないが当時の編集部の方々の慧眼に、心から畏れ入った。
樹なつみは、時が来ればこのように完成度の高いSFを、
――画力の点でもストーリー展開の点でも――創造できる人だったのだ。
この才能を初期の段階で感じ取り、彼女をデビューさせた人達は
やはりさすがにプロフェッショナルな編集者だったのだ、と思った。
(余談だが、後に、秋里和国の『ルネッサンス』を読んだとき、
『OZ』と世界観がとてもよく似ていることに驚いたのだが、
この二作は、年代的にもほぼ同じ頃に発表された作品だ。
『OZ』のほうが若干早かったと思うが、共通点は多いと感じた。
新世界の神になろうとする青年、不完全な人間をこそ愛する主人公、
永遠の命を得たいという人間の欲望、それを叶えると期待される科学、
等々、モチーフとしてよく似たものが、両作品には登場している。
勿論、それぞれの作者の個性と魅力はよく発揮されており、
完全に別個の作品であることに異論は全くないのだが。)
私は、一時期、『OZ』を宝塚でやればいいのに、と思っていた。
姿月あさとが主演していた頃の宙組を見ていて、よく、それを妄想した。
主人公の傭兵ムトーに姿月あさと、ヒロインのフィリシアに花總まり、
1019と1024に和央ようか、ネイトに湖月わたる。
扮装写真だけでも、やってみれば相当ハマったのではなかろうかと
今でも時々考えてみることがある。
実際には、この作品の舞台化は、宝塚ではなくStudio Lifeで実現した。
私は、ちょうど4年前、それの
広島公演
を見に行った。
Studio Lifeは脚本家が非常に優れているので、
原作のエッセンスを全く損なわない、ほぼ完璧な舞台化だったと
私は満足だったが、その分、限られた上演時間では話が込み入り、
原作を全く知らない場合は、難解過ぎると感じられたかもしれなかった。
・・・という訳で、今、娘は、春休みの最終日を『OZ』に費やしている。
これを初めて手にした日には、まさか自分の娘が、中学生になってから、
こんなものを読むようになるとは考えもしなかった(苦笑)。
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